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'''エアバスA300''' ({{lang|en|'''Airbus A300'''}}) は、エアバス・インダストリー(後の[[エアバス]])が開発・製造した双発[[ジェット機|ジェット]][[旅客機]]である。世界初の双発[[ワイドボディ機|ワイドボディ]]旅客機であり、エアバス社設立のきっかけとなった。機種名のA300は、エアバスのAと初期構想の座席数300席にちなむ
 
機種名のA300は、エアバスのAと初期構想の座席数300席にちなむ。A300は2つの世代に分けることができ、第1世代はA300Bとも呼ばれる。新技術の採用で[[グラスコックピット]]化された次世代型は[[エアバスA300-600|A300-600]]と呼ばれる。本項ではA300第1世代を中心に説明する([[エアバスA300-600|A300-600]]シリーズについては当該ページを参照)。
本格的なジェット旅客機の時代を迎えた[[1960年代]]、バスのように気軽に乗れる大型旅客機「エアバス」が待望された。当時、欧州の航空機メーカーは単独で「エアバス」を事業化する体力が無かったため、国際共同開発体制によりA300構想が推進された。紆余曲折を経て[[フランス]]と[[西ドイツ]](当時)政府が中心となって企業連合エアバス・インダストリーが設立されA300は事業化された。
 
本格的なジェット旅客機の時代を迎えた[[1960年代]]、バスのように気軽に乗れる大型旅客機「エアバス」が待望された。当時、欧州の航空機メーカーは単独で「エアバス」を事業化する体力が無かったため、国際共同開発体制によりA300構想が推進された。紆余曲折を経て[[フランス]]と[[西ドイツ]](当時)政府が中心となって企業連合エアバス・インダストリーが設立されA300は事業化が開発された。
A300は2つの世代に分けることができ、第1世代はA300Bとも呼ばれる。新技術の採用により[[グラスコックピット]]化された次世代型は[[エアバスA300-600|A300-600]]と呼ばれる。本項ではA300第1世代を中心に説明する([[エアバスA300-600|A300-600]]シリーズについては当該ページ参照)。A300は低翼配置の主翼下に左右1発ずつ[[ターボファンエンジン]]を装備し、[[尾翼]]は低翼配置、[[降着装置]]は前輪配置である。A300第1世代の全長は53.62メートル{{refnest|group="注釈"|name=length|A300B1として開発された1号機と2号機のみ全長が50.97メートル{{sfn|藤田|2001b|p=57}}。}}、全幅は44.84メートル、[[最大離陸重量]]は116.5トンから165トンで、最大巡航速度はマッハ0.82から0.84である。当初、A300は欧州域内の短距離機として開発されたが、後に離着陸性能や航続距離性能を強化した派生型が開発され、一部の海上ルートを含む中距離路線にも進出した。旅客型だけでなく貨客転換型や貨物専用型も開発された。貨物型は新造のほか旅客型からの改造も行われており、[[2016年]]現在では貨物機としての運航が中心である。
 
A300は2つの世代に分けることができ、第1世代はA300Bとも呼ばれる。新技術の採用により[[グラスコックピット]]化された次世代型は[[エアバスA300-600|A300-600]]と呼ばれる。本項ではA300第1世代を中心に説明する([[エアバスA300-600|A300-600]]シリーズについては当該ページ参照)。A300は低翼配置の主翼下に左右1発ずつ[[ターボファンエンジン]]を装備し、[[尾翼]]は低翼配置、[[降着装置]]は前輪配置である。A300第1世代の全長は53.62メートル{{refnest|group="注釈"|name=length|A300B1として開発された1号機と2号機のみ全長が50.97メートル{{sfn|藤田|2001b|p=57}}。}}、全幅は44.84メートル、[[最大離陸重量]]は116.5トンから165トンで、最大巡航速度はマッハ0.82から0.84である。当初、A300は欧州域内の短距離機として開発されたが、後に離着陸性能や航続距離性能を強化した派生型が開発され、一部の海上ルートを含む中距離路線にも進出した。旅客型だけでなく貨客転換型や貨物専用型も開発された。貨物型は新造のほか旅客型からの改造も行われており、[[2016年]]現在では貨物機としての運航が中心である。
A300第1世代は[[1974年]]に[[エールフランス]]により初就航し、A300-600は[[1984年]]に[[サウジアラビア航空]]により初就航した。これにより役目を終えた第1世代は生産を終了し、A300-600シリーズは[[2007年]]まで生産された。総生産数はA300第1世代が250機、A300-600シリーズは317機であった。[[2017年]]1月現在、A300の関係した機体損失事故が34件、[[ハイジャック]]が30件起きている。死者を伴う事件・事故は15件発生しており、合わせて1,435人が亡くなっている。
 
A300第1世代は[[1974年]]に[[エールフランス]]により初就航し、A300-600は[[1984年]]に[[サウジアラビア航空]]により初就航した。これにより役目を終えた第1世代は1985年に生産を終了し、A300-600シリーズは[[2007年]]まで生産された。総生産数はA300第1世代が250機、A300-600シリーズは317機であった。[[2017年]]1月現在、A300の関係した機体損失事故が34件、[[ハイジャック]]が30件起きている。死者を伴う事件・事故は15件発生しており、合わせて1,435人が亡くなっている。
 
以下、本項ではジェット旅客機については社名を省略して英数字のみで表記する。例えば、「エアバスA300」であれば「A300」、「[[ボーイング747]]」であれば「747」、「[[マクドネル・ダグラス DC-10|ダグラスDC-10]]」はDC-10、「[[ロッキード L-1011 トライスター|ロッキードL-1011]]」はL-1011とする。