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古くは『[[爾雅]]』釈獣に「狻麑」として見え、虦猫([[トラ]]の一種)に似て、虎豹を食うとしている。[[郭璞]]の注では獅子のこととしている。『[[穆天子伝]]』には「狻猊は五百里を走る」という。
 
漢訳仏典でも狻猊は獅子の別名として使われる。[[玄奘]]訳『大菩薩蔵経』(『[[大宝積経]]』菩薩蔵会)に「喬答摩(ガウタマ)種狻猊頷、畏猶如師子王。」といい、『[[一切経音義 (玄応)|玄応音義]]』は「狻猊は獅子のことで、[[サンスクリット]]では僧訶(シンハ)という」とする。
 
[[仏陀]]はしばしば獅子にたとえられるため、仏陀のすわる場所を「獅子座」と呼ぶことがある<ref>『[[大智度論]]』巻7(大智度初品中放光釈論第十四)「仏為人中師子、仏所坐処若床若地、皆名師子座。譬如今者国王坐処、亦名師子座。」</ref>。ここから高僧の座る場所も「獅子座」あるいは「猊座」といい、「猊座の下(もと)に居る者」という意味で、高僧の[[尊称]]や、高僧に送る[[手紙]]の[[脇付け]]は「[[猊下]]」となった。