「古書店」の版間の差分

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[[ファイル:Unisuga Shoten 001.JPG|thumb|150px|古書店の例([[宇仁菅書店]]、[[兵庫県]][[神戸市]][[灘区]])]]
'''古書店'''(こしょてん)は、[[古書]]を取り扱う[[書店]]で、[[古物商]]の一形態で、種。'''古本屋'''(ふるほんや)とも呼ばれるほか、屋号を●●古本店(ふるほんてん)とする古書店もある。20世紀末に成立した業態である[[新古書店]]も古書店の一形態だが、この項目では伝統的な古書店を中心に扱う。
 
== 概要 ==
[[ファイル:Used bookstore in Jinbōchō 003.jpg|thumb|120px|left|古書店の店内(松雲堂書店、東京都千代田区[[神田神保町]])]]
過去、[[製紙]]や[[印刷]]の技術が確立普及するまで、[[]]すべて主に手作業で執筆・[[写本]]され多大なマンパワーを費やされた有価物であった([[紙]]が発明されず、高価な[[羊皮紙]]などを用いていた西欧[[中世]]以前の[[ヨーロッパ]]ではその傾向がさらに顕著であった)。そのため本質が情報媒体であり物理的な劣化による減価が遅く、保存も比較的容易な本は、洋の東西を問わず古物としての売買が盛んに行われてきた。現代になっても、好事家間で高額で取引される[[希少本]]の他、学生が必要とする学術書や参考書のように期間限定かつ継続的な需要が存在するもの、あるいはかつては[[貸本]]がニッチを担っていた短期消費される[[漫画]]や[[小説]]のような趣味書のリサイクルなど、様々なニーズから古書業は存在し続けている
 
近代以降も、古書や[[古本]]の需要はなくなることはなかった。稀覯書・希少本など入手が難しい書物、新刊購入が可能でも特別な価値がある本(著者[[サイン]]入り、初版や特装版など)、発行部数が多かったり重版・復刊が続いていたりする本を安く買える中古販売([[大学生]]らが必要とする[[教科書]]や[[参考書]]、[[学術書]]から趣味書、[[漫画]]、[[小説]]まで)など、様々なニーズから古書業は存在し続けている。
店には、主人の鑑識眼に基づいて、多くは近代文学や漫画、[[学術書]]、[[写真集]]などある特定のテーマに沿って揃えられている。価格は、主人の美意識や価値観によってつけられ、価値あるものとみなされた場合は定価の何倍にもなる場合もあるが、ブックオフなどに代表される[[チェーン店]]では[[マニュアル]]に従って機械的に価格を付けているところもある。
 
「古書店」「古本屋」の厳密な区分は存在しない。2300以上の事業者が加盟する全国古書籍商組合連合会(全古書連)が、[[インターネット]]で在庫販売や加盟店、古書即売会の案内などを行うサイトの名称は「日本の古本屋」である<ref>{{Cite news|url=https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=82|title=日本の古本屋について|work=|publisher=日本の古本屋ホームページ|accessdate=2017-8-6}}</ref>。「古書」という言葉には上品なニュアンスがあり、[[骨董]]的価値や歴史的希少性を持つ本を指すことが多い。これに対して、新品より安い中古を「古本」と呼ぶ傾向にある。これらの使い分けは店主の自称や自己認識などにより流動的である。同じ店内で、古い希少本と、刊行されたばかりの中古本を両方販売する古書店も多い。
「古書店」「古本屋」の区別は流動的で厳密な定義は不可能であるが、本の中で、骨董的価値、歴史的希少性があるものを「古書」、新品に比べ格安ものを「古本」と呼ぶ傾向にある。
 
老舗の古書業者は好事家のコレクションや[[遺品]]の処分、旧家の解体・整理に関わることも多いため、一部の店では本以外に[[絵葉書]]や[[書画]]骨董(書民芸品・[[彫刻]]など)も扱う。
20世紀末頃から[[インターネット]]を通しての古書の売買も活発になってきており、古本屋を通してでなく自分で不用本を売る者も増えてきた。ネットを活用して顧客を集めたりネットオークションにかけたりする古書店もある。近年は、ネット上での古本買取の専門サイトも増加している。
 
==販売形態==
===店頭販売===
狭義の古書は、実店舗を構えて古書を販売している店を指す。本全般を買い取ったり販売したりする店もあれば、店や店員の鑑識眼に基づいて、多くは近代文学や漫画、[[学術書]]、[[アイドル]][[写真集]]などあるといった特定の分野・テーマに沿って揃えられていする店もある。価格は、希少性の判断や主人の美意識価値観によってつけられ、価値あるものとみなされた場合は刊行時定価の以上の高額にもなる場合もある。一方新古書店とみなされることもある[[ブックオフ]]などに代表される[[チェーン店]]では、店員が[[マニュアル]]に従って機械的に価格を付け、判断が難しい昔の書籍は希少であっも買い取り・販売をしなるともある。
 
===無店舗販売===
店頭以外に、[[目録]]を配って注文を募り、先着順または抽選で販売する方法も古くからある。また、古書店団体が運営する古書会館([[東京]]の[[神田小川町]]・[[高円寺]]・[[東五反田]]と[[名古屋市]]、[[大阪市]]などに所在)や[[百貨店]]などの商業・公共施設、路上などでは、複数の業者が在庫を持ち寄る古書即売会(古本まつり)がしばしば開かれる。即売会に合わせて合同目録が発行されることも多い。
 
このほか20世紀末から、古書のネット売買も活発になってきている。入手競争率が高い本であれば高値で売れることが期待できる[[ネットオークション]]の利用や、古本買い取り専門サイトも増加している。こうした目録・即売会・ネットでの販売は、店頭と並行して手掛ける店もあれば、無店舗販売のみの業者もある。
 
ネット販売の普及に伴い近年、[[個人]]が自分が読み終わった不用本を販売したり、[[せどり|古本屋で潜在的な価値より安く売られていた本を購入して転売]]したりすることも容易になった。
 
== 古書店街 ==
{{main|古書店街}}
都市の一各所、[[神田古書店街]]のように古書店が複数ところがあり、[[古書店街]]を形成している。特に大規模な学校の近隣や、学校が集まっている地域には、上記の通り学生や教職者向けに各種専門書の継続的な需要と供給が期待できるため、古書店も集まりやすい。
 
==脚注==
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==関連項目==