「酸と塩基」の版間の差分

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* 塩基:水中で[[解離 (化学)|解離]]して[[水酸化物イオン]][[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]を生じる物質
アレニウスの定義は、[[水|水分子<ce>{H2O}</ce>]]が水素イオン[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と水酸化物イオン[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]とに分解できる事を考えると理解しやすい。この事実を鑑みると、なんら物質を溶かしていない[[純水|純粋な水]]の場合、そこに含まれる[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]とは同じ量である。それに対し、酸性の水溶液では、酸が[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を生じるので[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]の方が[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]よりも多く、逆に塩基性の水溶液では塩基が[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]を生じるので、[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]の方が[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]よりも多い。
 
酸性の水溶液と塩基性の水溶液を混ぜ合わせた時に起こる中和は、酸性の水溶液にある[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と塩基性の水溶液にある[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]が反応して水分子[[水|<ce>{H2O}</ce>]]に変わる過程であると解釈できる。
 
==== 欠点 ====
* 塩基:プロトン[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を他の物質から受け取ることができる物質[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=320}}
よってブレンステッド・ローリーの定義における酸と塩基をそれぞれ'''プロトン供与体'''、'''プロトン受容体'''ともいう[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=320}}。なおブレンステッド・ローリーの定義では通常の分子である場合はもちろん、イオン化した分子に対しても酸や塩基が定義できる。
 
アレニウスの定義と違い、定義の範囲を水溶液に限定していないので、アレニウスの定義にあった「水溶液にしか定義できない」という欠点は解消されている。
 
==== 定義の相対性 ====
アレニウスの定義と違い、ブレンステッド・ローリーによる酸と塩基の定義は、反応相手となる「他の物質」の存在があって初めて意味を持つものである。したがってある物質Aが「他の物質」Xに対しては酸であるにも関わらず、Xとは異なる「他の物質」Yに対しては塩基であるという事も起こりうる。例えば水は塩酸に対して塩基であるが[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}、アンモニアに対しては酸として働く[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}。
 
==== アレニウスの定義との関係 ====
 
一方ブレンステッド・ローリーによる塩基の定義はアレニウスによる塩基の定義と見かけ上大幅に異なるが、アレニウスによる塩基の中に存在する[[水素イオン|<ce>{OH-}</ce>]]が「他の物質」である反応相手の酸から[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を奪って水分子[[水|<ce>{H2O}</ce>]]を生成すると考えれば、ブレンステッド・ローリーによる塩基の定義がアレニウスによる塩基の定義を含意する事が分かる。
 
==== 欠点の解消 ====
アレニウスの定義と違い、定義の範囲を水溶液に限定していないので、アレニウスの定義にあった「水溶液にしか定義できない」という欠点は解消されている。
 
またブレンステッド・ローリーの定義は、アレニウスの定義と違い、アンモニアが水に対して塩基になる事を説明できる。実際、アンモニアが水に溶け分子と反応して[[加水分解]]する過程
: <ce>{NH3} + H2O\ <=>\ {NH4^+} + OH^-</ce>
において、アンモニアは水分子から[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を奪っているので、ブレンステッド・ローリーの定義における塩基である[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}。
 
==== 定義の相対性 ====
アレニウスの定義と違い、ブレンステッド・ローリーによる酸と塩基の定義は、反応相手となる「他の物質」の存在があって初めて意味を持つものである。したがってある物質Aが「他の物質」Xに対しては酸であるにも関わらず、Xとは異なる「他の物質」Yに対しては塩基であるという事も起こりうる。例えば水は塩酸に対して塩基であるが[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}、アンモニアに対しては酸として働く[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}。
 
==== 共役酸-塩基対 ====
 
こうした理由により、[[水素イオン|<ce>{A-}</ce>]]を酸 HAの'''共役塩基'''(conjugate base)と呼び、[[水素イオン|<ce>{HB+}</ce>]]を塩基Bの'''共役酸'''という[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}。
 
==== アンモニア水溶液 ====
ブレンステッド・ローリーの定義は、アレニウスの定義と違い、アンモニアが水に対して塩基になる事を説明できる。実際、アンモニアが水に溶ける過程
: <ce>{NH3} + H2O\ <=>\ {NH4^+} + OH^-</ce>
において、アンモニアは水分子から[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を奪っているので、ブレンステッド・ローリーの定義における塩基である[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=321}}。
 
=== ルイスの定義 ===
しかしルイスの定義は、プロトン[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]の授受を伴わない反応に対しても酸や塩基を定義できる事に利点がある。例えば反応
: <math>\mathrm{Al}^{3+} + 6\mathrm{H_2O}</math><ce>\ <=>\ </ce><math>\mathrm{Al}(\mathrm{H_2O})_6{}^{3+}</math>
ではプロトン[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]の授受は行われないが、<math>\mathrm{H_2O}</math>の電子対を<math>\mathrm{Al}^{3+}</math>に供与する為、<math>\mathrm{Al}^{3+}</math>、<math>\mathrm{H_2O}</math>はルイスの定義における酸と塩基である[[#MF2|<sup>MF2</sup>]]{{Rp|page=346}}。
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