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'''捜査'''(そうさ、[[英語|英]]:criminal investigation)とは、犯罪
== 概説 ==
捜査は[[公訴]]の遂行のためにも行われる(通説){{Sfn|河上和雄|河村博|2012|p=8}}。ただし、[[陪審制度]](陪審手続)をとる国では一応の嫌疑でも公訴しうるが、そうではない日本などでは確実な嫌疑のない起訴は公訴権濫用として伝統的に許されていない{{Sfn|河上和雄|河村博|2012|p=8}}。
捜査は
== 捜査の指導理念 ==
=== 適正かつ公平の原則 ===
適正かつ公平の原則とは、捜査は[[公共の福祉]]を維持しながら個人の[[基本的人権]]の尊重を全うしつつ事案の真相を明らかにするものであるから、捜査
捜査は、[[逮捕]]・[[捜索]]などといった強力な権限行使を含みうるものであり、関係者の[[人権]]に強い影響を与えるものである([[人権侵害]]をしかねないものである)ので、法律によって厳格に[[規制]]される(されなければならない)<ref name="britanica" />。違法な手段・方法により行われた捜査を違法捜査と言う。
=== 任意捜査の原則 ===
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=== 証拠捜査主義 ===
証拠捜査主義とは、[[自白]]の偏重を避け、あらゆる[[証拠]]を適正に収集し、その合理的総合力により、捜査を完結させること(証拠によって事実を明らかにすること)をいう{{Sfn|河上和雄|河村博|2012|p=13}}。捜査は社会の変化・進展に対応するかたちで、[[法医学]]・[[心理学]]・[[物理学]]・[[化学]]・[[工学]]・[[精神医学]]などの助けを借りて、次第に[[科学捜査|科学的捜査]]の性格を強めてきている<ref name="britanica" />。
== 日本の刑事手続における捜査 ==
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ほとんどの事件では、司法警察職員が第一次的捜査機関として捜査を担当する(刑事訴訟法189条2項)。この場合の捜査は検察官が担当していないため司法警察活動と同義であり、主として犯罪の予防活動を目的とする[[行政警察活動]]とは区別される。もっとも、両者の法による規制は重なり合う部分が多い(司法警察活動と行政警察活動の区別に関する議論については、[[行政警察活動]]を参照)。
また、検察官は第二次的捜査機関として、司法警察職員の捜査に対し、必要な指示を出し、指揮監督を行うことができ、司法警察職員の行った捜査に不備がある場合には補完的立場から捜査を行うことができる(刑事訴訟法191条1項)。が、必ずしも検察官の捜査権が二次的なものではない。独自の捜査権を持ち、いわゆる「[[特捜部]]」などに所属する検察官が直接捜査を担当する場合もある([[検察庁#検察官の捜査権|検察官の捜査権]]参照)。
=== 捜査の端緒 ===
捜査は、捜査機関が犯罪があると思料したときに開始される(刑事訴訟法189条2項、191条1項)。捜査開始の原因となるもの(「捜査の端緒」([[犯罪捜査規範]]2章))には次のようなものが挙げられる。
*[[告訴・告発]]([[刑事訴訟法]]230条、239条、犯罪捜査規範63条)
*[[自首]](刑事訴訟法245条、犯罪捜査規範63条)
*[[被害届]](犯罪捜査規範61条)
*[[検視]](刑事訴訟法229条)
*[[職務質問]]([[警察官職務執行法]]2条1項、犯罪捜査規範59条)
*[[警ら]]([[地域警察運営規則]]19条、25条、犯罪捜査規範59条)
*[[現行犯]]人の発見(刑事訴訟法212条)
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