「ブローニングM2重機関銃」の版間の差分
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|射程= 2,000m(有効射程)<br/>6,770m(最大射程)
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M2
== 概要 ==
[[第二次世界大戦]]以来、現在
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では、M2の後継として[[1950年代]]後半に車両搭載用途を更新するものとして[[M85機関銃]]が開発されたが、問題が多く、M2の後継とはならな
結果、設計されて80年以上
[[日本]]では、[[住友重機械工業]]
== 特徴 ==
M2の原型
M2は、[[12.7x99mm NATO弾|12.7mm弾]]を音速の3倍の速度で発射する。M2の精度は素晴らしく、800m先の標的にも正確に命中する。
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[[歩兵]]の場合、3名のチームで運用するため[[:En:Crew-served weapon|CSW]](Crew Served Weapon)の一種である。画像にある三脚は対地攻撃用のM3三脚架(現在は[[M205三脚]]へ代替中)で、銃自体とは別の装備品である(本来は(実際には不可能だが)他の機関銃同様、ハンドルの保持だけで撃つもの)。[[M60パットン]]・[[M1エイブラムス]]などの戦車や[[M113装甲兵員輸送車|M113]]・[[M109 155mm自走榴弾砲|M109]]といった[[装甲戦闘車両]]では主に[[指揮官|車長]]用[[武装]]として[[キューポラ]]に、ソフトスキン車輌では[[キャビン]]上にマウントリングを追加して自由に旋回させられるようにして装備している。さらに、近年はM2を搭載した遠隔操作銃座([[RWS]])が複数種開発され、[[ストライカー装甲車|ストライカーICV]]などの車輌に搭載されている。
M2は、第二次
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銃身は100発程度で銃身の温度が約130-230℃に達する。すると、銃身底部と機関部の間隔を調整する'''頭部間隙'''(ヘッドスペース)の調整と、撃発と排莢のタイミングを最適化する'''タイミング調整'''という作業が必須となる。これを怠ると命中精度が著しく損なわれる他、排莢不良や過大な発射ガス漏れによる射手の負傷など、事故へとつながる。調整にはそれぞれ専用の[[すきまゲージ|シックネスゲージ]]を用いて行われる。本稿冒頭で紹介した[[FNハースタル]]社のFN M2HB-QCBは、この調整作業を省略できるようにした改良である。
[[陸上自衛隊]]でも戦車や装甲車への車載用の他、各部隊が対地対空兵器として装備しており、年間80挺を新規調達
[[2013年]](平成25年)12月18日、メーカーの住友重機械工業において、5.56mm機関銃([[ミニミ軽機関銃]])・[[74式車載7.62mm機関銃]]・12.7mm重機関銃('''ブローニングM2重機関銃''')の3種で少なくとも合計5,000丁にものぼる試験データ改竄が発覚。同社は5ヶ月の指名停止処分となった。
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[[ベトナム戦争]]において、後に確認殺害戦果93を挙げた[[アメリカ海兵隊]]のトップ・スカウト・[[狙撃手|スナイパー]]である[[カルロス・ハスコック]]が、この[[重機関銃]]の射程の長さと威力に注目して前線基地で単発[[狙撃]]に使用し、[[7.62x51mm NATO弾|7.62mm弾]]よりも弾道特性が良好で射程も威力も充分であると報告している。実際に、この時の狙撃は当時の最長距離の狙撃記録を大きく上回り(約2,300m)、その35年後に元から狙撃用として作られた[[対物ライフル]]によって、やっとこの記録は破られた。この銃は長時間の射撃に耐えるために長く重い[[銃砲身|ブルバレル]]を持ち、[[三脚]]による固定と本体重量の恩恵で単発射撃では反動の問題もほとんどなく、発射速度が[[機関銃]]としては比較的遅いことから、トリガーでセミオート、フルオートのコントロールをするのが容易であったという。銃身・[[弾薬]]の精度は比較的高く、構造上も他の機関銃に比べれば狙撃に向いている。これは、ハスコックのオリジナルではなく、古くは[[朝鮮戦争]]の長期に亘る山岳戦において、長距離での狙撃に使われている。そこではブリーチをロックしてセミオート化し、上部に[[照準器|テレスコピックサイト]]を追加する事で、据付の長距離[[狙撃銃]]として使用したという記録が残されている。
[[フォークランド紛争]]では[[アルゼンチンの軍事|アルゼンチン軍]]がM2にスコープを装備し、[[イギリス軍]]に対して単発射撃で遠距離狙撃に用いる戦術がとられた。これに対しイギリス軍では、[[自動小銃]]では応射できず(先述のとおり、有効射程が遥かに短いので撃っても弾が届かない)、高価な[[対戦車ミサイル]]「[[ミラン (ミサイル)|ミラン]]」をアルゼンチン軍陣地個々に撃ち込むシラミ潰し[[砲撃]]で対抗
== 日本軍での使用 ==
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[[File:Daewoo K6 DN-SD-03-16693.JPEG|thumb|250px|[[空包]]発射補助具を取り付けたK6]]
; K6
: [[大韓民国|韓国]]の[[統一重工業]]が老朽化したM2の代替に設計したコピー。銃身に把手を取り付けて、銃身交換を容易にしたもの。[[1989年]]から[[大韓民国国軍|韓国軍]]に配備
; BRG-15
: FN社がM2の後継に提案した改造型。[[口径]]の大きい15.5x106mm弾を使用。
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