削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
5行目:
40cm程の長さで、七つの[[音孔|指穴]]を持ち、樺(桜の表皮を薄く裂いて糸状につないだもの)を巻き、漆や朱で塗られる。[[雅楽]]に用いられる[[龍笛]]と同じく、女竹(篠竹)製である。乾燥し煤けたものが用いられる(煤竹)。場合によっては竹を縦に割って裏返し、硬い部分を内面に向ける。管の内部には厚く漆を塗る。外側には[[桜]]の皮が巻いてある(樺巻き)。全体として先細りの管を用いる。
 
[[マウスピース (楽器)#歌口|歌口]]と一番手前の指穴との間に「のど」と呼ばれる厚さ2mm程の竹管が挿入され、狭隘部を形成しているのが特徴である。この部分のために、共鳴モードの成立が妨げられ、西洋の[[平均律]]はもちろん、日本の各種[[音階]]とも異なる独特の音階となり、管ごとに音律が違うので合奏はできない。同じ指使いでも吹き方を変えることによって、フと呼ばれる低い「呂(りょ)の音」(低音)と、セメと呼ばれる高い「甲(かん)の音」(第2[[倍音]]列の中音)、そしてさらに高音の極めてかん高い「ヒシギ音」が得られる。
 
ヒシギとは、管の最高音域の鋭い緊張した音で、「ヒィー」と吹く片ヒシギと、「ヒーヤーヒー」と吹く双(もろ)ヒシギがある<ref>[http://db2.the-noh.com/jdic/2012/11/post_341.html ヒシギ]能楽用語辞典</ref>。[[神道]]の儀式で神が降りてくる音として使われた[[岩笛]]の音が能管に反映したもので、「神降ろしの音」と言われる<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=tvZS2FWqlKk 笛「ヒシギ」]洗足学園音楽大学伝統音楽デジタルライブラリー</ref>。