「ヘヴィメタル」の版間の差分

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古典的ヘヴイメタルのメタリカに出典付記
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{{Otheruses|音楽のジャンル|その他|ヘビーメタル}}
{{出典の明記|date=2012年9月}}
{{Infobox Music genre
| name = ヘヴィメタル<br />Heavy Metal
| color = white
| bgcolor = #BB0022
| stylistic_origins = [[ブルースロック]]<br />[[サイケデリック・ロック]]<br />[[ハードロック]]
| cultural_origins = [[1960年代]]後期<br />{{UK}}<br />{{USA}}
| instruments = [[ボーカル]]<br />[[エレクトリック・ギター]]<br />[[エレクトリックベース]]<br />[[ドラムセット|ドラム]]<br />[[キーボード (楽器)|キーボード]]
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ヘヴィメタルの由来となったものとしては、[[キンクス]]の「[[ユー・リアリー・ガット・ミー]]」<ref>Weinstein (1991), p. 18; Walser (1993), p. 9</ref>など[[ビートルズ]]「[[ヘルター・スケルター]] - ''Helter Skelter''<ref>Blake (1997), p. 143</ref>」(『[[ザ・ビートルズ (アルバム)|ザ・ビートルズ]]』収録、1968年発表)がある。これらのサウンド、激しい[[リフ]]の上にシャウトするコーラス部などの音楽的な要素と、ヘルター・スケルターに影響されて[[シャロン・テート]]らを惨殺し当時大きな話題となった狂信的な悪魔崇拝者カルト集団首領[[チャールズ・マンソン]]による米国での殺人事件と結びついたイメージも後の[[パンク・ロック]]やヘヴィメタルに影響を与えた。
 
その他にも1960年代後半から[[クリーム (バンド)|クリーム]]、[[ヴァニラ・ファッジ]]、[[レッド・ツェッペリン]]、[[ディープ・パープル]]を始めとするラウドなロックが多数現れた。また、[[ステッペンウルフ]]が[[1968年]]に出した「ワイルドで行こう(ボーン・トゥ・ビー・ワイルド)」の歌詞には、[[オートバイ]](のエンジン音)を"Heavy Metal" thunderに例える箇所がある<ref>Walser (1993), p. 8</ref> 。これらのバンドも音的にヘヴィメタルな要素を多分に含んでいるが、いずれも[[ハードロック]]の範疇に留まると見なすことが多い。
 
以上のようにヘヴィメタルの源流は様々挙げられるが、いずれも後から見てヘヴィメタルを構成する一要素というレベルである。より現在のヘヴィメタルシーンにまで直接的な影響をもたらしているバンドとして、[[1970年]]デビューの[[ブラック・サバス]]がある。同年発表のファーストアルバム『[[黒い安息日]]』やサードアルバム『[[マスター・オブ・リアリティ]]』などで彼らが提示した、重々しくおどろおどろしい楽曲やダークな歌詞、奇抜なパフォーマンスは、当時のロックシーンにおいてセンセーショナルであった。
 
=== NWOBHMとヘヴィメタルの確立、定着 ===
英国の[[ハードロック]]は [[1970年代]]初頭に一時代を築き上げるが、複雑で難解になっていく演奏技術への反動などから、1970年代半ばに[[パンク・ロック]]・ムーヴメントが起きる。かつての[[ハードロック]]は「オールド・ウェイヴ」と呼ばれるようになり、ブリティッシュ・ハードロック・シーンはその勢いを失っていった。しかしながらアンダーグラウンドシーンでは様々な若手バンドが、一部ではパンクの過激さビートの性急感をも取り入れながら、新しい時代のハードロックを模索するようになっていた。サウンズ誌の記者[[ジェフ・バートン]]により『[[NWOBHM]](ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)』と名付けられたこのムーヴメントは、パンクの収束と入少しずつ知ら替わるようにやがなっイギリス全土に広がった。[[1980年]]には[[アイアン・メイデン]]、[[デフ・レパード]]がメジャーデビューし、シーンは一気に活性化していく。それらのバンドと比べると商業的な成功は大きくなかったものの、[[ヴェノム (バンド)|ヴェノム]]や[[ダイアモンド・ヘッド (バンド)|ダイアモンド・ヘッド]]ものちのメタルシーンに影響を与えた<ref>Weinstein (1991), p. 44</ref>。
 
NWOBHM勢に結成は先立ちながら、同時期のヘヴィメタルの立役者として強烈な存在感を放つのが、同じくイギリス出身の[[ジューダス・プリースト]]である。ブルースの影響を捨て去ることで、ジャンルの隆盛に寄与したのである<ref name="Walser 1993, p. 6">Walser (1993), p. 6.</ref><ref>"As much as Sabbath started it, Priest were the ones who took it out of the blues and straight into metal." Bowe, Brian J. ''Judas Priest: Metal Gods''. ISBN 0-7660-3621-9.</ref>。1969年の結成当初は比較的オーソドックスなハードロックをプレイしていた彼らであるが、やがて硬質で疾走感のあるギター[[リフ]]を用い、金属的な高音ボーカルでシャウトするなどの音楽様式を作り出した。さらに1970年代後半からはレザー・ファッションを取り入れるなど、ステージ・パフォーマンスの面でも後々までステレオタイプ化されるような「ヘヴィメタル」のイメージを作り上げた。また[[モーターヘッド]]は、[[ロックンロール]]にパンク・ロック的な要素やスピード感のあるリズムを導入し、後の[[ハードコア・パンク]]や[[スラッシュメタル]]の先駆けにもなった。さらに[[ディープ・パープル]]のコンピレーション・アルバムが大ヒットするなど、かつてのハードロックバンドの再評価、活躍も見られた。
 
イギリスの世界のバンドについては、ドイツの[[スコーピオンズ]]、[[アクセプト (バンド)|アクセプト]]、フランスのトラスト、オランダの[[ヴァンデンバーグ (バンド)|ヴァンデンバーグ]]、ゴールデン・イアリング、オーストラリアのAC/DC、カナダのラッシュ、マホガニー・ラッシュ、デンマークの[[プリティ・メイズ]]や[[マーシフル・フェイト]]、スペインの[[バロン・ロッホ]]などが注目された。日本では、[[1976年]]に[[BOWWOW]](のちのVOW WOW)、[[1977年]]に[[レイジー]](のちの[[LOUDNESS]])がデビューし、共に日本国外の一部の国で知られるようおいても人気を博しなった。
 
=== 舞台はアメリカへ~産業化と全盛期 ===
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ヘヴィメタルは[[1980年代]]後半に商業的なピークを迎えるが、[[ガンズ・アンド・ローゼズ]]のヒットを最後に、メジャーのロックシーンでは衰退の一途を辿ることになる。というのも、[[ポップ・ミュージック]]化したロックへの反発から生まれた、[[グランジ]]や[[オルタナティヴ・ロック]]バンドがより若者たちの支持を集めるようになり、やがて爆発的なムーブメントになったからである。この変化に対応できなかったバンド、あるいは変化の過程でファンの支持を得られなかったバンドはやがて表舞台から消えていった。
 
この状況に楔を打ち込んだのがスラッシュ・メタルの代表と目されていた[[メタリカ]]であった。彼らはアルバム『[[メタリカ (アルバム)|メタリカ]]』([[1991年]])<ref>http://www.discogs.com/Metallica-Metallica/master/6651</ref>でスラッシュ的なスピード性を放棄し、オルタナティヴ・サウンドと通じるような重厚な音楽性を導入してヘヴィメタルの新しい方向性を示し、2200万枚という大ヒットを飛ばす。また、メタリカ同様[[パンテラ]]が『俗悪』で、[[ヘルメット (バンド)|ヘルメット]]が『ミーンタイム』で提示した[[グルーヴ・メタル]]というスタイルは数々のバンドが手本にした。パンテラに強く触発された[[ロブ・ハルフォード]]が[[ジューダス・プリースト]]を脱退して[[ロブ・ハルフォード#FIGHT|FIGHT]]を結成したことは、この時期の流れを象徴するものといえる。また、[[インダストリアル|インダストリアル・ロック]]バンド、[[ミニストリー]]は『詩編69』に見られるように、従来の彼らの音楽にスラッシュメタル的な要素を加えるようになっていったが、この頃から[[フィア・ファクトリー]]をはじめとするメタル勢からも電子音楽にアプローチする動きが現れ始める。
 
こうした動きに呼応するようにしてヘヴィメタルシーンは若手ミュージシャンを中心に[[オルタナティヴ・メタル]]として変容を始める。それは、シンプルなリフに重いギターサウンド、冷徹に現代社会を見つめる歌詞のテーマ、[[ラップ]]の導入など、時代に求められた様々な要素を注ぎ込んだ新しいメタル像([[ニュー・メタル]])であった。しかし、日本では音楽雑誌「[[BURRN!]]」を中心に、この動きをモダン・ヘヴィネスやヘヴィ・ロックと呼称して区分し、旧来のヘヴィメタルとは違うことを強調したマーケティングが行われた。
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* [[METAL INT'L]]([[スペースシャワーTV]])
* [[MTV Headbangers Ball]]([[MTV]])
* 伊藤政則の[[ROCK CITY]]([[テレビ神奈川|tvk]])
* [[ROCK WAVE]]([[テレビ埼玉|テレ玉]])
* [[HEAVYMETAL.TV]](TOKYO MX)終了
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* [[デトロイト・メタル・シティ]]([[若杉公徳]])
* [[乙女たる!]]([[廣田眞胤]])
 
== 関連項目 ==
* [[ハードロック]]
 
== 脚注 ==