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[[File:Airbus A300 Beluga Pryde.jpg|thumb|A300-600ST「ベルーガ」。]]
エアバス・インダストリーは、A320以降の機種でも参加各国でパーツやコンポーネントの生産を分担する体制を続けていた{{sfn|青木|2010|pp=131&ndash;135}}。これまで、参加各国で生産されたコンポーネントの輸送には「スーパーグッピー」輸送機が用いてきたが、同機が旧式化したことに加え、エアバス・インダストリーの事業が急成長したことで、これに対応するために新しい輸送機が必要になった<ref name=CNN1/><ref name=CNN2/>。そこで、[[1991年]]8月、エアバス・インダストリーはA300-600Rをベースとした新型輸送機[[エアバス ベルーガ|A300-600ST「ベルーガ」]]を開発することを正式決定した{{sfn|Kingsley-Jones et al.|1997|p=13}}。A300-600STは、主翼やエンジンなどをA300-600Rと同じくし、大型貨物を収容できるよう胴体上半分が極めて太いものとなった{{sfn|青木|2010|p=78}}。A300-600STは1994年9月13日に初飛行し、[[1995年]]10月25日に引き渡しが始まった{{sfn|青木|2010|p=79}}。A300-600STは2001年までの間に5機生産され、全機がエアバス子会社の「エアバス・トランスポート・インターナショナル」(Airbus Transport International)で運航され、これによりエアバス機の生産に従事していたスーパーグッピーは全機退役した{{sfn|青木|2010|p=79}}{{sfn|Kingsley-Jones et al.|1997|p=13}}。
 
1980年代前半まで民間航空機市場におけるエアバス・インダストリーのシェアは、納入機数で20パーセントに届くか届かないかだったが<ref name=JADC-data4/>、1999年に初めて受注機数でエアバス・インダストリーがボーイングを上回った{{sfn|日本航空宇宙工業会|2007|pp=6&ndash;7}}。エアバス・インダストリーは参加国政府の様々な後押しを受けて急成長したが、決算報告書も存在しない企業連合 (GIE) という形態が問題視されるようになり、構成各社や政府内からも財務情報の公表も含めた組織の健全化が求められるようになった{{sfn|日本航空宇宙工業会|2007|pp=6&ndash;7, 208&ndash;209}}{{sfn|山崎|2009|pp=224&ndash;225}}。そこで会社形態を{{仮リンク|単純型株式資本会社|fr|Société par actions simplifiée}} (SAS) に転換することになり、2001年に新会社へ移行して社名も「エアバス」(Airbus S.A.S.)に変わった{{sfn|青木|2010|p=127}}{{sfn|日本航空宇宙工業会|2007|pp=208&ndash;209}}。