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[[第二次世界大戦]]後の[[アメリカ海軍]]では、タコマ級の評価は高くなく、また主機の運用面の理由から[[アメリカ沿岸警備隊|沿岸警備隊]]の乗員によって運用されていたこともあって早期に退役し、船団護衛用としては、護衛駆逐艦の流れを汲む艦を[[航洋護衛艦]]({{lang|en|Ocean Escort}};艦種記号はDEのまま)として整備しており、「フリゲート」の名称は途絶えることになった{{Sfn|阿部|1996}}。
 
一方、1951年には[[嚮導艦|嚮導駆逐艦]]({{Lang|en|Destroyer leader, DL}})という艦種が新設され、対潜巡洋艦({{Lang|en|sub-killer cruiser, CLK}})として建造された「[[ノーフォーク (嚮導駆逐艦)|ノーフォーク]]」と、新世代の高速艦隊護衛艦の[[プロトタイプ]]として建造された[[ミッチャー級駆逐艦|ミッチャー級]]とがこれに類別されていた。しかしこれらの艦は、嚮導艦として他の艦を指揮するというよりは、[[機動部隊]]の直衛艦として自ら戦闘にあたることから、「嚮導艦」との名称は相応しくないと指摘された。むしろ任務としては帆船時代のフリゲートに近いことから、1954年6月、艦船諸元基本計画審議委員会(Ship Characteristics Board, SCB)は、「嚮導駆逐艦」にかえて「フリゲート」との名称を提言し、これは受諾された{{Sfn|Friedman|2004|pp=293-294}}。また[[フランス海軍]]でも、米海軍の[[リーヒ級ミサイル巡洋艦|リーヒ級ミサイル・フリゲート(DLG)]]と同様の高速空母機動部隊の直衛艦として、1960-65年度計画で建造した[[シュフラン級駆逐艦|シュフラン級]]を端緒として、大型水上戦闘艦に「フリゲート」({{Lang|fr|Frégates}})の名称を与えている{{Sfn|阿部|2001}}。
 
しかし多くの海軍は、イギリス海軍による[[#航洋護衛艦|航洋護衛艦]]としての「フリゲート」という名称を受け入れつつあり、アメリカ海軍はその趨勢から外れつつあった。この結果、とくにソ連海軍の「巡洋艦」よりもアメリカ海軍の「フリゲート」のほうが大型で有力であるケースが多くなり、誤解を招く恐れが指摘されるようになった。このことから、1975年に至って、アメリカも他国との共通化を図ることになった。従来のフリゲートのうち大型の艦は巡洋艦に、小型の艦は駆逐艦に分類し、従来の航洋護衛艦をフリゲートと改め、艦種記号も新たにFF/FFGを与えた{{Sfn|Friedman|2004|pp=293-294}}。フランス海軍では、艦種呼称としては「フリゲート」と称する一方、[[北大西洋条約機構]](NATO)による[[ペナント・ナンバー]]の艦種記号については、艦の規模に応じて、フリゲートを意味する「F」のほか、[[駆逐艦]]を意味する「D」を付されている艦も多い{{Sfn|阿部|2001}}。