「初等幾何学」の版間の差分
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矢野健太郎 (数学者) |
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初等幾何学の公理系は、古代から長らくユークリッドによって完成されたと思われており、多くの数学者や科学者や哲学者などによって批判的に検討されたが、とくに19世紀後半以降にユークリッド幾何学の公理系が本当に間違っていないのか、矛盾しないのかどうか徹底的に検証され、[[ダフィット・ヒルベルト|ヒルベルト]]によって[[幾何学基礎論]]によってその成果がまとめられた。20世紀に入ってからも、[[ハロルド・スコット・マクドナルド・コクセター|コクセター]]は総合幾何学的方法を重視したし、[[ジャン・デュドネ]]は線形代数など代数的・解析的手法を応用して図すら使わず、抽象的にその基礎付けを与えたりした。デュドネがユークリッド幾何学の教育からの追放を提唱したことで、日本も彼の影響を受けた。
教育においては長らく重視されてきたが、幾何学基礎論による批判なども相次ぎ、もっと厳密な数学を教えるべきだと一時期取沙汰され、デュドネの著書もそのような流れで執筆されたものである。日本でも[[明治]]から戦後まもないころまでは初等幾何学や解析幾何学が体系的に教えられていたが、その後、いわゆる「現代化」<ref>数学教育の文脈で、いわゆる「現代化」と言った場合、
</ref>。[[小平邦彦]]など、過度に厳密すぎるのもかえって問題ではないかと抵抗した数学者・科学者<ref>数学外を専門としていた者による意見としては、物理学者の[[伏見康治]]は『折り紙の幾何学』で、初等幾何学を教えなくなっているという現実を息子から聞いて愕然とし「[[矢野健太郎 (数学者)|ヤノケン氏]]は何をしていたのであろう(中略)叱咤激励しなければならない」(同書 p. 82)と書いている。しかし、矢野健太郎は自身のモノグラフ公式集から初等幾何学の削除はしなかった。</ref>もいる。
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