「宇宙の戦士」の版間の差分

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アーカマ (会話 | 投稿記録)
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舞台は未来の地球(具体的に何世紀なのかは記述されていない)。裕福な家庭に生まれた主人公の少年ジュアン・リコ(ジョニー)が、高校卒業後に両親の反対を押し切って軍隊(地球連邦軍宇宙陸軍)に入り、徹底的にしごかれて、一人前の機動歩兵になっていく過程を描いた作品。特に、訓練キャンプ「アーサー・キューリー」での軍事訓練および宇宙生物との戦いを描いている。なお、主人公はフィリピン系(つまり非[[アングロサクソン系]])であり、そのことは作品の終盤に彼の母語が[[タガログ語]]であり、[[ラモン・マグサイサイ]]を英雄視している、という形でかなり遠回しに明らかにされる。この当時のアメリカSFにおいて、非白人・非アングロサクソン人が主人公を演ずることなどまずあり得ない、そんな作品は頭から認められなかったための苦肉の策と思われる。
 
21世紀初頭、増加する犯罪と政府の非効率に対して寛大すぎた西側社会は荒廃し、加えて覇権主義的な中国と米露連合の大戦争(おそらく、最初の宇宙での戦争)で地上は破壊され、終戦後西側の[[民主主義]]は崩壊した。混乱する地球社会において退役兵たちが事態を収拾し、その後誕生した地球連邦では軍事政権により[[ユートピア]]社会が築かれていた。社会は清廉で規律を重んじ、能力主義が徹底され人種・性別による差別はなく、作中でもユダヤ人、日本人、ドイツ人、イタリア人、アラブ人、ヒンドゥー教徒(インド人)、インドネシア人、ヴェトナム人などあらゆる人種が性別に関係なく全く平等に活躍しているが、ただ軍歴の有無のみにより区別されている。すなわち、18歳の誕生日を迎えた者ならだれでも就くことができる兵役を経験して[[参政権]]を与えられた「市民」と、就かなかったため参政権のない「一般人」である。なおこの区別は参政権といくつかの政府職への就職を制限するだけのもので、見た目には両者とも全く区別なく生活し、言論や表現の自由も保障されてはいる。形態は[[アメリカ合衆国|ある国家]]における“市民”と“永住権保持者”の違いに似る。
 
なお、兵役を経験した者だけに参政権を与える理由として、「兵役を経験した者は、自らの意志で、自分自身の利益より公共の福祉(社会全体・人類全体の利益)を優先させるからである」との見解が、作中で語られている。