「スズメバチ」の版間の差分

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== 天敵、捕食者および競合者 ==
本種スズメバチの[[天敵]]は捕食者として人間の他に[[野鳥]]、[[ニワトリ]]や[[クマ]]<ref name=naka/>が挙げられる。また本種スズメバチを捕食する昆虫に[[オオカマキリ]]、[[オニヤンマ]]など大型の[[トンボ]]、[[クモ]]、[[ムシヒキアブ]]、[[シオヤアブ]]等があるが、これらの昆虫との関係については、捕食/被食双方の記録が存在する。ただし、本種スズメバチが捕食されるケースは多くはなく、また本種スズメバチを捕食した記録が多いオニヤンマ等の大型トンボ生息域限られるため、自然下においてその場面を目撃する例は稀である<ref>これは本種スズメバチに限らずったことではなく、大型の捕食生物同士が衝突するケース全般に言えることである。</ref>。逆に本種スズメバチが樹液に集まる際、捕食関係ではないものの、小型の甲虫(カナブン、コクワガタ等)には攻撃することに対し、大型の甲虫(カブトムシ、大型のクワガタムシ、カミキリムシ等)には逆に攻撃を受け殺傷されることもあり本種もスズメバチの側から接近するケースは少も多くなく、特にカブトムシが全盛となる7月-8月、餌場を追い立てられ、好位置を独占される場面が見られる。また、大型甲虫以外に本種スズメバチを追い払う昆虫にオオムラサキがある。オオムラサキは樹液に集まるため、本種スズメバチ類と餌場争いをするが、気性の激しいオスは羽を広げて本種スズメバチを追い立てることが知られている。
 
本種に寄生する生物として[[菌類]]、[[線虫]]<ref>スズメバチ女王を不妊化させる線虫が発見された。[http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/Press-release/2007/killerbee20070405.html スズメバチの女王を不妊化する寄生線虫を世界で初めて発見](独立行政法人 森林総合研究所)</ref>などがある。[[生活史]]を通してみると、[[捕食寄生]]者が多い昆虫には珍しい[[寄生虫]]である[[ネジレバネ]]([[スズメバチネジレバネ]])等がある。ネジレバネに寄生された働きバチはやや長生きして冬を越すようになり、むしろネジレバネに合わせた生活史をとるようになる<ref name=naka/>。
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幼虫の捕食寄生者としては[[カギバラバチ|カギバラバチ科]]のハチが挙げられる。カギバラバチは葉に卵を産み、それを蛾などの幼虫が食べ、さらにそれがスズメバチの巣に持ち帰られて幼虫のエサとなり、寄生が始まる<ref name=naka/>。[[オオハナノミ|オオハナノミ科]]の[[甲虫]]にもこの習性がある。
 
スズメバチ類の巣にはしばしば[[ハナアブ|ベッコウハナアブ類]]の幼虫が寄生し、営巣盛期には排泄物や巣の下部<!--巣の直下なのか巣内の下方なのか-->に廃棄された成虫や幼虫の死体を摂食している。これが、晩秋の巣の衰退期になると巣の上部に侵入し、生きた幼虫をも捕食し成長する。また、朽木の中に越冬室を掘って冬眠中の新女王蜂は、しばしば[[コメツキムシ|コメツキムシ科]]の甲虫の幼虫によって捕食される。アリもまた天敵であり、特に営巣初期で働きバの個体数が少ないときに襲われると巣を放棄することもある。そのため、数匹の女王バチが共同で営巣を始めることもある<ref name=naka/>{{rp|58}}。
 
[[メイガ]]の仲間([[メイガ科]][[シマメイガ亜科]])のうち,[[ギンモンシマメイガ]] [[w:Pyralis regalis|Pyralis regalis]] と[[モモイロシマメイガ]] [[w:Hypsopygia mauritialis|Hypsopygia mauritialis]] がスズメバチの巣に寄生する。