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[[画像:Preta S.jpg|thumb|right|200px|餓鬼]]
[[画像:Gaki-Zoushi.jpg|right|thumb|260px|餓鬼草紙]]
{{出典の明記|date=2017-10}}
'''餓鬼'''(がき、{{lang-sa-short|preta}}、{{lang-pi-short|peta}}、音写: 薜茘多〈へいれいた〉)とは、[[仏教]]の世界観である[[六道]]において餓鬼道(餓鬼の世界)に生まれた者{{refnest|name="ブリタニカ国際大百科事典"|[https://kotobank.jp/word/%E9%A4%93%E9%AC%BC-43451 「餓鬼」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]}}{{refnest|name="日本大百科全書(ニッポニカ)"|[https://kotobank.jp/word/%E9%A4%93%E9%AC%BC-43451#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 「餓鬼」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)]}}。原語の {{lang|sa|preta}} はかつては死者の霊を指したが、仏教において[[輪廻|輪廻転生]]の生存形態である六道に組み込まれた{{refnest|name="日本大百科全書(ニッポニカ)"}}。
 
== 概要 ==
俗に、生前に贅沢をした者が餓鬼道に落ちるとされているが、[[仏教]]の立場から正確にいえば、生前において強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界とされる。{{要出典範囲|しかし[[大乗仏教]]では、後々に死後に生まれ変わるだけではなく、今生においてそのような行状をする人の精神境涯をも指して言われるようになった。|date=2017-10}}
 
餓鬼は常に[[飢え]]と乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされることがないとされる。長期的な[[飢餓]]状態の人間が発症する[[クワシオルコル]]の特徴である、痩せ細って腹部のみが丸く膨れ上り、足の甲が浮腫んだ姿が描かれることが多い。
 
{{要出典範囲|「正法念処経」巻16には、餓鬼の住処は2つある。|date=2017-10}}
 
# 人中の餓鬼。この餓鬼はその業因によって行くべき道の故に、これを餓鬼道(界)という。夜に起きて昼に寝るといった、人間と正反対の行動をとる。
# 薜茘多(餓鬼)世界{{efn|{{lang-sa|preta-loka}}}}の餓鬼。[[閻浮提]]の下、500[[由旬]]にあり、長さ広さは36000[[由旬]]といわれる。しかして人間で最初に死んだとされる[[閻魔|閻魔王]](えんまおう)は、劫初に[[冥界|冥土]]の道を開き、その世界を'''閻魔王界'''といい、餓鬼の本住所とし、あるいは餓鬼所住の世界の意で、薜茘多世界といい、閻魔をその主とする。余の餓鬼、悪道眷属として、その数は無量で悪業は甚だ多い。
 
=== 俗語の転用 ===
また、[[子供]]は貪るように食べることがあるため、その[[侮蔑#蔑称|蔑称]]・[[通称|俗称]]として'''餓鬼'''(ガキ)が比喩的に広く用いられる{{refnest|name="大辞林 第三版"|[https://kotobank.jp/word/%E9%A4%93%E9%AC%BC-43451#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 「餓鬼」 - 大辞林 第三版]}}。[[餓鬼大将]]・悪餓鬼など。
 
== 民間信仰における餓鬼 ==
仏教の布教とともに餓鬼が市井に広まると、餓鬼は餓鬼道へ落ちた亡者を指す仏教上の言葉としてではなく、飢えや行き倒れで死亡した人間の[[死霊]]、[[怨み|怨念]]を指す[[民間信仰]]上の言葉として用いられることが多くなった。こうした霊は[[憑依|憑き物]]となり、人間に取り憑いて飢餓をもたらすといい、これを[[餓鬼憑き]]という<ref>{{Cite book|和書|author=[[村上健司]]編著|title=妖怪事典|year=2000|publisher=[[毎日新聞社]]|isbn=978-4-620-31428-0|pages=97-98頁}}</ref>。
 
== 餓鬼の種類 ==
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== 餓鬼への供養 ==
{{出典の明記|section=1|date=2017-10}}
餓鬼への供養として[[施餓鬼法]]がある。
 
食物に『救抜焔口陀羅尼経』に説かれる陀羅尼によって加持すると餓鬼の苦を取り除くとされる。
一般的には盂蘭盆供養の一つとして行われところから盆行事と混同されているが、施餓鬼法自体は本来は特定の月日の行事ではなく、僧院等では毎夜行われることもある。
 
== 民間信仰における餓鬼 ==
仏教の布教とともに餓鬼が市井に広まると、餓鬼は餓鬼道へ落ちた亡者を指す仏教上の言葉としてではなく、飢えや行き倒れで死亡した人間の[[死霊]]、[[怨み|怨念]]を指す[[民間信仰]]上の言葉として用いられることが多くなった。こうした霊は[[憑依|憑き物]]となり、人間に取り憑いて飢餓をもたらすといい、これを[[餓鬼憑き]]という<ref>{{Cite book|和書|author=[[村上健司]]編著|title=妖怪事典|year=2000|publisher=[[毎日新聞社]]|isbn=978-4-620-31428-0|pages=97-98頁}}</ref>。
 
== 俗語の転用 ==
また、[[子供]]は貪るように食べることがあるため、その[[侮蔑#蔑称|蔑称]]・[[通称|俗称]]として'''餓鬼'''(ガキ)が比喩的に広く用いられる{{refnest|name="大辞林 第三版"|[https://kotobank.jp/word/%E9%A4%93%E9%AC%BC-43451#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 「餓鬼」 - 大辞林 第三版]}}。[[餓鬼大将]]・悪餓鬼など。
 
== 脚注 ==