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電動機そのものを使い制動力を得る方法を記す。
; 発電制動
電動機を発電機として用いるブレーキである([[発電ブレーキ]])。直流電動機において[[新性能電車]]をはじめ、古くから用いられてきたブレーキである。ブレーキ力の制御は主に電力を消費させる抵抗器の抵抗の増減により熱エネルギーとして放出する。抵抗器で消費させる代わりに電源側に送り返すのを特に'''回生制動'''と呼ぶ。[[誘導電動機]]において[[同期速度]]より回転子の回転速度が速い場合、[[誘導発電機]]として働くことを利用し、[[可変電圧可変周波数制御]]において電動機に供給する周波数を下げ、抵抗器で発電した電力を消費させるかもしくは、コンバーターを介し電源側に送り返す制御が減速時に採られる。この制御を行うとき、[[同期速度#滑り|すべり s]]が s ≦ 0 となるよう供給する周波数を調整するが、低速域では効果がなくなる。[[永久磁石同期電動機]]の場合、常にすべりを0に保つよう固定子に供給する電流を調整しなければならないが、極低速域まで発電制動を行うことができる。
; 直流制動
: [[巻線形三相誘導電動機の固定子に直流電流(周波数が0 [[ヘルツ|Hz]]の制動方式で、ダイナミックブレーキ交流)を流すこも言う<ref name="crane">[http://www.crane-club.com/study/crane/motor.html 三相誘導により、負荷を短絡した回転] CRANE-CLUB 2017年8月13日閲覧</ref>。子形同期発電機として運動エネルギーを回転子のジュール熱に変換するブレーキの一種である<ref>[http://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/19077?category_id=1970 発電制動(直流制動)法とは|よくある質問(FAQ)|三菱電機 FA] 2017年8月13日閲覧</ref>。制動力は誘導電動機の起動トルク相当であり、[[かご形三相誘導電動機]]の場合、低速時から停止時に至る速度域で制動力を発揮できる。一次[[巻線(固定子巻線)の交流形三相誘導動機]]の場合、二次抵抗遮断増やし、代わり外部直流接続した二次[[抵抗器]]によって回転子に生じた熱エネルギーに変換できるため直制動域を増や回転磁界固定されでき広範囲の速度域において制動力を発揮できる。すると二次巻線(回転子巻線)特にクレーンおいて回転子直流制動回転方向は逆向きの起をダイナミックブレーキとも言う<ref name="crane">[http://www.crane-club.com/study/crane/motor.html 三相誘導動機] CRANE-CLUB 2017年8月13日閲覧</ref>。永久磁石同期電動機においては停止直前でないトルクが生じ、制動力電圧得ら固定子に誘起さインバータ素子を破壊す。発生しか、モーターの過熱により内部の永久磁石の減磁を招く電力は二次抵抗め停止速度近辺消費のみ使用する。低速域ではいずれにおいても制動トルクが減少するは高々電動機の起動トルク相当にとどまり、回転子をロックできないため、機械単独では使用できず摩擦ブレーキ併用するしなければならない
; 逆相制動
: プラッギングともいう<ref>[http://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/15024?category_id=795 プラッギング(逆相制動)とは何ですか?|よくある質問(FAQ)|三菱電機 FA] 2017年8月13日閲覧</ref>。三相誘導電動機において三相交流の任意の二相を入れ替えると磁界が回転子とは逆向きに回転することを利用たブレーキである。停止速度近辺において大きな制動力が得られる。[[同期速度#滑り|すべり]]がs≧1の状態である。、かつ、0[[rpm (単位)|rpm]]でも制動力が得られる。しかしな<ref name="ori">[https://www.orientalmotor.co.jp/tech/qa/detail/0071/ Q71. トルクらプラッギングは発電機になったモーターに対し逆電圧ブレーキ供給するこに等て使いたいと思いまめ投入。ブレーキの方法に「逆相ブレーキ」と、「うず電流ブレーキ」がありますがを制限せざるを得ず何が違う通常回転域すか?|Q&A検索 |オリエンタは始動トクより低い制動トルクしか得られないため小容量のモーター株式会社] 2017年8月13日閲覧</ref>、逆回転か適用できないよう、。またそのままでは逆回転に至るため停止寸前においては摩擦ブレーキ等、機械的なブレーキ機構に制御併用する必要明け渡し電動機の電源供給を絶たなければならない。また同期電動機は同期速度でしかトルクを出し得ず、回転磁界に回転子付いて行けなければ脱調を起こし回転が不安定になるためプラッギングは無効である。
<!-- トルクモーターは定トルク特性を持たせた特殊用途の可変速モータである。ここで挙げた汎用モータではない
<ref name="ori">[https://www.orientalmotor.co.jp/tech/qa/detail/0071/ Q71. トルクモーターをブレーキとして使いたいと思います。ブレーキの方法に「逆相ブレーキ」と、「うず電流ブレーキ」がありますが、何が違うのですか?|Q&A検索 |オリエンタルモーター株式会社] 2017年8月13日閲覧</ref> -->
 
なお電動機と同軸で機械式ブレーキやその他のブレーキが組み込まれていることもあり(ブレーキモータ)、各方面で活用されている。
 
=== 非接触ブレーキ ===
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: {{Main2|鉄道における適用例|渦電流式ディスクブレーキ}}
: {{Main2|自動車における適用例|リターダ}}
: 回転軸に導電性のディスクまたは円筒を取り付け、それを電磁石で挟み込むようにする。電磁石を直流で励磁した状態でディスクが回転すると、渦電流によって回転方向とは逆向きのトルクが渦電流として生じる<ref name="crane"></ref><ref>{{Cite web|url=http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/200803/index2.htm |title=http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/200803/index2.htm電磁調理器にも利用される“渦(うず)電流”とは? |work= 電気と磁気の?(はてな)館 (TDKマガジン) |publisher=[[TDK]] |accessdate=2017-8-13}}</ref>ことを利用したブレーキである渦電流ブレーキは回転速度が下がるとともに制動トルクが減じ下がるが、逆相制動電磁石を用いることによりも大きな制動低速までブレーキが得られを発揮でき<ref name="ori"></ref>欠点渦電流ブレーキはディスクまたは円筒の[[ジュール熱]]としては、価格は高エネルギーを吸収するた何らかの熱処理機構を必要とする。高速鉄道用いる渦動機も大きく、大容量機に流式ディスクブレーキでディスクを中空にしラジアル方きである<ref name="crane"></ref><ref>に空気を逃がす構造にした[[ディスクブレーキ#構造|ベンチレーテッドディスク]]電磁石は電動機と一体化さ、ドラム構造で強制通風により冷却する構造が取られている<ref>{{Cite web|url=http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1964/10/1964_10_10.pdf |format=pdf |title=インダクションブレーキによるその応用 |year=1964 |month=10 |publisher=[[日立評論]] |accessdate=2017-8-17}}</ref>。また欠点としては、渦電流を発生させる磁界を作る強力な電磁石を近接させる必要があるため重量がブレーキ力かさみ価格は高価比して大きいことと、対策を講じい場合は残留磁気により非作動時も制動力が働くことである。大型自動車・牽引自動車にも[[リターダ#電磁式リターダ|電磁式リターダ]]の装着例があるが、強力な電磁石供給するオルタネーターやバッテリーの強化が必要である。一定の磁界でてはいことから強力な[[ネオジム磁石]]を代わりに用いた適用例があり<ref>{{Cite web|url=http://www.nssmc.com/product/railway-automotive-machinery-parts/list/13.html|title=永久磁石式リターダ|publisher=[[新日鐵住金]]|accessdate=2017-8-13}}</ref>リターダとしても能力は限られるが小型・軽量でコストも手頃なことから日本においては採用例が増えている。なお磁界発生源が永久磁石であるため非作動時に永久磁石の磁力線を逃がす工夫がされている。
<!-- ※ 電動機が大きいのではなく、クレーンモータは両軸の電動機であり反負荷側にカップリングで結びつけた渦電流ブレーキシステムが大きくなっているだけであり別装置である。日立評論に出た一体型モータは比較的小容量のもの。[http://www.mee.co.jp/sales/system-solution/machine/pdf/sales_fa_machine_top-mk047b.pdf]参照。|電動機も大きく、大容量機には不向きである<ref name="crane"></ref><ref>ディスクや電磁石は電動機と一体化されていることによる</ref> -->
 
== 歴史 ==
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== 参考文献 ==
* 『飛行機構造』日本航空技術協会 1989年 
* {{Cite book|和書|author=中田高義 他|date=1984-9-20|title=電気機器 II|publisher=朝倉書店|series=電気・電子情報基礎シリーズ 7|ref="中田1984"}} <!-- 電動機のブレーキ 節向け。汎用的な説明に欠けるのでより良い参考文献があれば挙げてください。 -->
 
== 技術 ==