「コープ転位」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m +cat
Su-no-G (会話 | 投稿記録)
+scheme
1行目:
'''コープ転位'''(-てんい、Cope rearragnement)は、1,5-ヘキサジエン構造を持つ物質の3,4位間の[[単結合]]が開裂すると同時に1,6位間で単結合が形成され、それと同時に[[二重結合]]が移動して別の1,5-ヘキサジエンに[[異性化]]する[3,3]-[[シグマトロピー転位]]である。
 
[[Image:Cope_rearrangement_scheme.png|200px|thumb|コープ転位の例]]
1940年に[[アーサー・コープ]]らによってα,β-不飽和エステルをエノラートに変換してα位をアリル化することで得られるα-アリル-β,γ-不飽和エステルを加熱すると、γ-アリル-α,β-不飽和エステルに異性化することが報告された。
この反応は[[クライゼン転位]]の[[基質]]の[[エーテル]][[酸素]]を[[メチレン]][[炭素]]に置き換えた反応に相当する。
11 ⟶ 12行目:
 
==反応機構==
[[反応機構]]は[[ペリ環状反応]]に属し、[[反応中間体]]を生じずに6員環[[遷移状態]]を経てすべての結合が同時(協奏的)に移動する。
6員環遷移状態としては通常は擬[[いす型]]をとるものが擬[[ふね型]]をとるよりも有利である。
これは擬ふね型の場合には2位と5位の炭素が空間的に近くに位置し、その時にこれらの炭素上の[[HOMO]]のローブが反結合型で相互作用するためにエネルギーが高くなるものとされている。
17 ⟶ 18行目:
 
==オキシコープ転位==
[[Image:Oxy-Cope_rearrangement_scheme.png|350px|thumb|オキシコープ転位の例]]
1,5-ヘキサジエン構造の3位に[[ヒドロキシ基]]が存在する場合、生成物の1,5-ヘキサジエンは[[ケト・エノール互変異性]]によってδ,ε-[[不飽和]][[カルボニル]]化合物となる。
この反応は'''オキシコープ転位'''(oxy-Cope rearrangement)と呼ばれる。