「ワンマン運転」の版間の差分

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鉄道や路面電車では原則として利用者の有無に関わらず、各駅(停留所)に停車して客扱いを行う。対してバスや一部の路面電車では、到着までに降車ボタンが押されず、乗車を待つ利用者がいない場合は停留所を通過するものがある。
 
=== 前乗り中()降り ===
乗車時に乗務員のいる前方のドアから入り、運賃を支払ったうえで車内に進み、降りるときに後方のドアから降りる方式である。終点ですべてのドアが利用できるので降車時間が短くなる。
 
主に均一運賃の路線で用いられる方式である。この場合、乗車時に所定の運賃を運賃箱へ投入する。事業者によっては釣り銭を出すことができる(できない場合は両替して投入する)。大都市部の一般路線バスに多いほか、軌道線では[[都電荒川線]]・[[東急世田谷線]]・[[豊橋鉄道東田本線]]などで採用されている。世田谷線は2両編成の最前部と最後部のドアに乗務員(運転士・案内係)を配置し、降車は乗務員が配置されていない中間部のドアから行う。この方式を「連結2人乗り」と称しており、前身の[[東急玉川線]]時代より行われている。なお、車両後部に配置される案内係はドア開閉や安全確認を行わず、すべて運転士が行っている。
 
大都市圏の一部を中心に、前乗り中()降り式で区間制運賃としている路線もある。この場合、乗客は乗務員に降車地を申告し、その降車地までの運賃を支払う。信用乗車制前払いとも呼ばれ、[[東急バス]]・[[神奈川中央交通]]・[[江ノ電バス]]・[[西武バス新座営業所|西武バス]]・[[奈良交通]]・[[東武バス]]などの一部路線で採用されている。
 
ワンマン運転は当初、大都市の均一区間から導入が始められたため前乗り中()降りが主流だったが、大阪市交通局や[[京都市交通局]](バス)や[[近鉄バス]](近鉄直営の近畿日本鉄道自動車局時代)などの様に中()乗り前降りに変えた例もある。
 
=== 中()乗り前降り ===
[[ファイル:Kiha52 oneman.JPG|thumb|大糸線[[国鉄キハ20系気動車#キハ52形|キハ52形]]のワンマン装置。後乗り前降り。国鉄型で車両のドアの配置がワンマンに対応していない場合は整理券発行機と運賃箱との間に距離がある。]]
後払い(整理券)方式の乗降客が比較的多い区間、または路線運賃体系上の第一区間(整理券発行不要区間)で用いられる。乗車時に後扉(入口)付近の発行機で整理券を取り、降車時に整理券番号に応じた運賃を払う。多くの路線バスのほか、本州・四国・九州のローカル鉄道路線やほとんどの路面電車で採用されている。関西地方では、整理券を発行しない均一料金制の路線バスも一部を除き後乗り前降り(降車時払い)になっている。
 
ワンマン化の過渡期(ワンマン運転は当初、大都市の均一区間から導入が始められたため前乗り中()降りが主流だった)や同じ地域内で事業者の運行形態や乗降の扱いの違い(尼崎市や伊丹市の各交通局は均一区間の前乗り中()降りに対して阪急バスや阪神バスは整理券方式の中()乗り前降り、奈良交通の場合は同じ事業者でも奈良市中心部では系統によって前乗り中()降り先払いと中()乗り前降り後払いで運賃支払いの扱いが違う)などで前乗り中()降りと混在している例がある。
 
[[不正乗車|キセル]]防止のため、乗車用の後ろ扉を降車用の前扉から少し遅れて開けるようにしたり、ホームに乗客がいない場合は後ろ扉を開けないか、すぐに閉める運転士も多い。半自動扉(客用ドアボタンで開閉するもの)の場合(無人駅での停車中)は乗車用の後ろ扉の「開」ボタン(車内)では開扉できない(車外の「開」ボタン、車内の「閉」ボタンは操作可能)。降車用の前扉は車内の「開」「閉」ボタンの操作は可能。またその観点から、駅の出入口付近に列車を停車させるようにした駅もある。
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;備考
:一部のバスや路面電車では、特定の停留所で「[[のりかえ券]]」を発行する場合がある。乗り換え時に最終目的先までの運賃を支払って発行を受け、乗り継いだバスや電車では降車時に乗り換え券を運賃箱に投入する方式、乗り換え地点までの運賃を支払って発行を受け、乗り継いだバスや電車では降車時に乗り換え券と差額運賃を運賃箱に投入する方式、乗車時に「整理券・乗りつぎ券」と記されたものを受け取り、乗継指定停留所でその地点までの運賃を支払い、その券片を所持したまま次のバスに乗り継ぎ、最終目的地で差額を支払う方式([[南海バス堺営業所]])がある。
:終点での下車客が多いバス路線では、ラッシュ時など特に降車客が多い時間帯は停留所へ係員を配置し、中(部扉)ドアからも降車を行って降車時間短縮を図ることもある。この場合、運賃は中()ドア横の係員に支払う。この方式は[[甲子園駅]]や[[広電西広島駅]]でしばしば見ることができる。また路面電車でも同様の取り扱いをするところがあるが、これについては次項を参照。
 
=== 自由乗降 ===
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また、近畿日本鉄道の一部路線や[[養老鉄道]]などでは、設備費の削減や効率的な運行を実施するために無人駅でもすべてのドアが開く、いわゆる[[信用乗車方式]]を取り入れている。
 
[[富山ライトレール富山港線|富山ライトレール]]では、降車時間の短縮対策としてICカード「passca(自社発行)」及び「[[ecomyca]]([[富山地方鉄道]]発行)」の利用者に限り、全てのドアから降車できる「信用降車」を取り入れている<ref>[http://www.t-lr.co.jp/news/news0336.html 信用降車を終日実施いたします] 富山ライトレール 2017年10月5日 2016年10月16日閲覧。</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.t-lr.co.jp/news/update/file_0336.pdf 信用降車を終日実施いたします]}} - 富山ライトレール 2017年10月5日 2016年10月16日閲覧。</ref><ref>テレビ朝日系 [[羽鳥慎一モーニングショー]] 「ショーアップ」コーナー 2017年10月10日放送</ref><ref>{{Citenews|title=富山ライトレールの「信用降車」を終日に拡大 10月15日から… ICカードに限定|url=https://response.jp/article/2017/10/10/300861.html|publisher=Response|date=2017-10-10|accessdate=2017-10-1416}}</ref><ref>{{Citenews|title=富山ライトレール、係員ノーチェックの「信用降車」終日実施へ 不正は大丈夫?|url=https://trafficnews.jp/post/78786|publisher=乗りものニュース|date=2017-10-14|accessdate=2017-10-16}}</ref>。
 
=== 前乗り前降り ===