「チェレンコフ放射」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2011年4月}}
[[File:Advanced Test Reactor.jpg|thumb|right|230px|アメリカ/アイダホ国立研究所内にある新型実験炉で観測されたチェレンコフ放射の例]]
'''チェレンコフ放射'''(チェレンコフほうしゃ、{{lang-en-short|{{lang|ru|Čerenkov}} radiation、Cherenkov radiation)}})とは、[[荷電粒子]]が物質中を運動する時、荷電粒子の速度がその物質中の[[光速度]]よりも速い場合に光が出る現象。'''チェレンコフ効果'''ともいう。このとき出る光を'''チェレンコフ光'''、または、'''チェレンコフ放射光'''と言う。
 
この現象は、[[1934年]]に[[パーヴェル・チェレンコフ]]により発見され、チェレンコフ放射と名付けられた。その後、[[イリヤ・フランク]]と[[イゴール・タム]]により、その発生原理が解明された。これらの功績により、この3名は[[1958年]]の[[ノーベル物理学賞]]を受けた<ref>{{cite journal |last=Cherenkov |first=Pavel A. |authorlink=Pavel Alekseyevich Cherenkov |year=1934 |title=Visible emission of clean liquids by action of γ radiation |journal=[[Doklady Akademii Nauk SSSR]] |volume=2 |page=451}} Reprinted in Selected Papers of Soviet Physicists, ''Usp. Fiz. Nauk'' 93 (1967) 385. V sbornike: Pavel Alekseyevich Čerenkov: Chelovek i Otkrytie pod redaktsiej A. N. Gorbunova i E. P. Čerenkovoj, M.,"Nauka,'' 1999, s. 149-153. ([http://dbserv.ihep.su/hist/owa/hw.move?s_c=VAVILOV+1934&m=1 ref] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20071022200847/http://dbserv.ihep.su/hist/owa/hw.move?s_c=VAVILOV+1934&m=1 |date=2007年10月22日 }})</ref>。
 
== 物理的原理 ==
[[相対性理論|相対論]]は[[真空]]中の[[光速]]がどんな場合にも一定(<math>c</math>)であると仮定しているが、物質中を伝播する光の速度は<math>c</math>よりもかなり遅くなる。たとえば、[[水]]中の伝播速度は<math>0.75c</math>にすぎない。粒子は、[[核反応]]や[[粒子加速器]]などによって加速され、この速度を超えることが可能である。チェレンコフ放射は、[[荷電粒子]](たいていは[[電子]])が([[絶縁 (電気)|絶縁]]された)[[誘電体]]を、光よりも速い速度で通過するときに放射される。
 
このときの光の速度というのは、[[群速度]]ではなく[[位相速度]]である。位相速度は、周期的媒質を用いることで劇的に変えることができ、このとき最小粒子速度に達さなくともチェレンコフ放射を観測することができる(これは[[スミス-パーセル効果]]として知られている)。[[フォトニック結晶]]などの複雑な周期的媒質においては、チェレンコフ放射のさまざまな特異的ふるまいをみることができる。たとえば後方への放射などである(通常は粒子速度の鋭角方向に放射する)。
となる。
 
== 応用 ==
=== 粒子物理学 ===
[[小柴昌俊]]による[[カミオカンデ]]や[[スーパーカミオカンデ]]などでは、円錐状に広がるチェレンコフ光を捕らえることによりさまざまな研究を行う。そのチェレンコフ光が[[ニュートリノ]]により[[散乱]]された[[電子]]により発生したのであれば、チェレンコフ光の観測結果から電子の運動方向や速度が分かり、それらからニュートリノの飛来方向などを計算することができ、ニュートリノが観測できる。
 
=== 臨界事故 ===
チェレンコフ光の例としては、原子力発電所の燃料が入ったプールの中で見える青白い光がある。[[東海村JCO臨界事故]]や[[チェルノブイリ原発事故]]で「青白い光を見た」と作業員が言ったので、臨界事故の確認がとれた。<!--しかし、実際には体外の発光現象に由来する光を見るわけではなく、目をつぶっていても青く見える。というのはその青い光は眼球の中で起こるチェレンコフ放射を網膜がとらえたものだからである。--> なお、東海村JCO臨界事故で見えた光がチェレンコフ光であったか別現象であったかについては、[[臨界事故]]の記事に考察がある。
 
=== 使用済み核燃料棒 ===
チェレンコフ放射光は、[[核分裂連鎖反応]]が止まった後も、短命の製品が減衰するように減光しながら輝き続ける。同様に、チェレンコフ放射は、[[使用済み核燃料]]棒の残留[[放射能]]を物語っている。
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Cherenkov radiation}}
* [[荷電粒子]]
* [[制動放射]]
 
== 脚注 ==
<references/>
{{Reflist}}
 
{{DEFAULTSORT:ちえれんこふほうしや}}