「古紙」の版間の差分
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== 概要 ==
本来、「'''古紙'''」と表記すると一度使われた紙という意味になるが、リサイクルに使われる紙には、印刷したまま市場に出回らなかった印刷物や、紙製品を加工する途中で発生する[[裁ち落とし]](裁落)などもあり、これらも含めていう場合には、「'''故紙'''」とも表記され
[[日本]]では、[[江戸時代]]から書き損じた紙などを回収、再生利用する業態が成立してきた。既に都市部では大量に消費されるようになっていたこと、日本の[[和紙]]は漉きなおしが容易だったことなどが背景にある<ref>{{Cite book|和書|author=[[本田豊]] |year=2008 |title=絵が語る知らなかった江戸のくらし |page=100ページ |publisher=遊子館 |isbn=4-946525-90-2C0021}}</ref>。
==ちり紙交換==
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==古紙の品質==
古紙の品質の良し悪しは[[パルプ]]化効率の良し悪しである。米国の紙は材木から作る[[バージンパルプ]]の比率が高く、古紙もパルプ化効率が良い。日本の紙は原料中に占める古紙の比率(古紙利用率)が約6割であるため、再資源としてのパルプ化効率は米国などの古紙よりも低い。このことから日本の古紙は長く国際市場で二級品として扱われ、輸出されることは少なかった。しかし、2000年以降世界的な古紙需要の逼迫から日本古紙も海外で使用される機会が増えた。それまで日本古紙を敬遠していた海外製紙メーカーも、日本古紙は徹底した分別が行われているため、雑物の混入が極端に少ないことを好感して採用するようになり、
古紙利用率があがって、古紙が何度もリサイクルされると、徐々にパルプの[[繊維]]が短くなるとともに、[[塗工紙]]に多く含まれる[[カオリナイト|カオリン]]や[[炭酸カルシウム]]などの[[灰分]]が増え、強度が低下してゆく。古紙利用率の高い日本では、[[ポリアクリルアミド]]を主成分とする[[製紙用薬品#抄紙工程用薬品|乾燥紙力増強剤]]を使って強度を補完することが広く行われている。
==日本の古紙の最大供給源==
毎日、'''全国で印刷される新聞の1~2割程度(1,000万部程度)は、新聞販売店のノルマ維持のために刷られる押し紙と呼ばれる新聞であり、実際には販売されずに全量がリサイクルに回される'''現状にある([[新聞販売店#問題点|新聞販売店]]の項を参照)。これは日本の新聞紙の回収率が、他国に比べて高い理由の一つにもなっており、手放しで評価できない一因にもなっている。
==脚注==
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