「花火 (ストラヴィンスキー)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
MomijiRoBot (会話 | 投稿記録)
m Bot: [​[バスクラリネット|バスクラリネット]​] → [​[バスクラリネット]​] ,Removed linktext ∵Check Wikipedia #64
作曲の経緯を修正
2行目:
《'''花火'''》([[フランス語|仏語]]:'''''Feu d'artifice''''')作品4は、[[イーゴリ・ストラヴィンスキー]]の初期の管弦楽曲。[[スケルツォ]]形式による[[オーケストラ]]のための[[幻想曲]]だが、演奏に5分とかからない文字通りの小品である。ストラヴィンスキーが作曲家として名を揚げる上で役立ったが、成熟期の代表作として認められてはいない。その後の作風に比べると、大部分において非常に[[調]]的ではあるものの、複調的な響きも仄めかされている。
 
== 作曲の経緯 ==
[[1909年]]に[[アレクサンドル・ジロティ]]の指揮によって初演された。恩師[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ]]の娘と、同門の作曲家[[マクシミリアン・シテインベルク]]との結婚を記念して作曲されたが、リムスキー=コルサコフは初演を目前にして亡くなったために、演奏を聴くことは出来なかった。その代わりに初演に立ち会っていたのが、かの芸術プロデューサーの[[セルゲイ・ディアギレフ]]であった。ディアギレフは《花火》を聴いて、ストラヴィンスキーの熟練した管弦楽法に感銘を受け、[[バレエ音楽]]《[[火の鳥_(ストラヴィンスキー)|火の鳥]]》の作曲をストラヴィンスキーに依嘱したのである。
ストラヴィンスキーの自伝によると、『花火』は1908年に恩師[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ]]の娘と、同門の作曲家[[マクシミリアン・シテインベルク]]との結婚を記念して作曲されたが、リムスキー=コルサコフはその年の6月に亡くなったために、演奏を聴くことは出来なかった<ref>自伝 p.36</ref>。ストラヴィンスキーは師の追憶のために『葬儀の歌』を作曲したが、それ以前に『花火』は一応の完成を見ており、シテインベルク夫妻は7/11に曲の感想を書いている<ref>Walsh (1999) p.113</ref>。
 
== 演奏 ==
自伝によると、『花火』は[[1909年]]に[[アレクサンドル・ジロティ]]の指揮によって『[[幻想的スケルツォ]]』とともに初演され、初演を聞いた[[セルゲイ・ディアギレフ]]がこの時からストラヴィンスキーと親密な関係を持ったことになっている<ref>自伝 p.37</ref>。しかしこれは正しくなく、『花火』の公開初演は翌1910年1月であって、すでにストラヴィンスキーは『[[火の鳥]]』を書いている最中だった。ウォルシュによると、公開初演の前にも私的な演奏を何度か行っていたため、そのひとつをディアギレフが聞いた可能性は充分あるという<ref>Walsh (1999) p.122</ref>。
 
1917年に[[バレエ・リュス]]は『花火』をローマで上演した。指揮はストラヴィンスキー本人により、[[未来派]]の[[ジャコモ・バッラ]]が舞台装置を担当した<ref>White (1979) p.181</ref><ref>自伝 pp.90-92</ref>。
 
== 編成 ==
[[ピッコロ]]、[[フルート]]2、[[オーボエ]]2(第2奏者[[コーラングレ]]持ち替え)、[[クラリネット]]3(第3奏者[[バスクラリネット]]持ち替え)、[[ファゴット]]2、[[ホルン]]6、[[トランペット]]3、[[トロンボーン]]3、[[チューバ]]、[[ティンパニ]]、[[トライアングル]]、[[シンバル]]、[[バスドラム|大太鼓]]、[[グロッケンシュピール]]、[[ハープ]]2、[[チェレスタ]]、[[弦五部]](第1[[ヴァイオリン]]16、第2ヴァイオリン14、[[ヴィオラ]]12、[[チェロ]]10、[[コントラバス]]8)
 
演奏時間は約4分。
{{DEFAULTSORT:はなひ}}
 
== 脚注 ==
{{reflist}}
 
== 参考文献 ==
* {{cite book|author=Stephen Walsh|title=Stravinsky: A Creative Spring: Russian and France 1882-1934|year=1999|location=New York|publihser=Alfred A. Knopf|isbn=0679414843}}
* {{cite book|author=Eric Walter White|title=Stravinsky: The Composer and his Works|edition=2nd|year=1979|origyear=1966|publisher=University of California Press|isbn=0520039858}}
* {{cite book|和書|title=ストラヴィンスキー自伝|author=イーゴル・ストラヴィンスキー|translator=塚谷晃弘|year=1981|publisher=[[全音楽譜出版社]]|isbn=411880050X}}
 
{{DEFAULTSORT:はなひ}}
[[category:ストラヴィンスキーの楽曲]]
[[category:管弦楽曲]]