「マストドン (ミニブログ)」の版間の差分

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Cybergene (会話 | 投稿記録)
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「中央集権型」のサービスでは全ての利用者は (少なくとも見た目上は) 一つのサーバーにログインするのに対し、マストドンでは管理者も設置場所も異なる多数のサーバーが運用されており、利用者は自分自身でサーバーを選んでアカウントを作成し、これにログインする事になる。マストドンではこのサーバーの事を「インスタンス」と呼ぶ。インスタンスは複数の利用者がぶら下がる分岐点 (ノード) となり、インスタンス間は [[OStatus]] を用いて通信を行う。こうしたマストドンのネットワークは電子メールのそれに類似している。電子メール同様、利用者は自分とは別のインスタンスに属する利用者と交流が可能である。また、他のインスタンスへと利用者がアカウントを移行させるための機能も提供されている。
 
元がソフトウェアとしての配布であるため、サーバーや技術公開が必須だが、各インスタンスによる独自の改良が可能となっている(使用技術を参照)。これにより、企業向けツールの土台として利用できる。[[#使用技術]]も参照
 
== 利用者とインスタンス ==
[[Twitter]]のような中央集権型のサービスであれば利用者はアカウントを作成するだけでサービスを利用できるが、マストドンの場合、利用者は一般的には自分が所属するインスタンスを決めてそこにアカウントを作成する必要がある。インスタンスを設置するための特別な資格や権限は必要ないため、自分で使用するためのインスタンスを新たに設置する事もできる。2017年4月現在、500以上のインスタンスが運用されている<ref name="scaling" />。
 
その仕組み上、悪意あるインスタンスが自身に登録した利用者を攻撃する・情報を悪用するといった可能性は否定できずこれを防ぐことは困難である。マストドンは信頼できるインスタンスにアカウントを作成するよう呼び掛けている。開発者のロチコ本人が運用するインスタンス {{いつ範囲|date=2017年11月|mastodon.social は現在の所募集を締め切っている}}が、彼は icosahedron.website と social.tchncs.de を信頼のおける人物が運営しているインスタンスとして推薦している<ref name="welcome" />。
 
マストドンのネットワーク全体には利用規約に相当するものは存在しない。その代わり、個々のインスタンスの管理者は自身のインスタンスの利用者に対し利用規約を設定し、これに違反したアカウントを削除する事ができる。また各インスタンスは自身のポリシーに合わない投稿が行われるインスタンスとの通信を遮断できる。ロチコは「コミュニティが密接で小規模であるほど、その中で有害な振る舞いは隠蔽されにくい」と述べており、このような小規模コミュニティによるインスタンスが自身のポリシーに近い他のインスタンスと連合を作ることによって、中央集権型のサービスが支払わざるを得ない、ハラスメントなどの不正行為の対策に割く莫大なコストを削減できると主張している。不正行為そのものを目的としたインスタンスが登場する可能性についても考慮されており、各インスタンスは不正インスタンスとの通信を遮断する事で自身に属する利用者を保護できる。こうした連合型のSNS特有の不正行為対策とは別に、Twitterのブロックやスパム通報に相当する、ハラスメントの被害者などが利用するための自衛手段も用意されている<ref name="learning" />。