「ハルピュイア」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 注釈と出典の分離
m 言語ラベル、参考文献追加ほか
1行目:
[[ファイル:Harpy.PNG|thumb|220px|ハーピー]]
'''ハルピュイア'''({{lang-grc-short|'''Ἅρπυια'''}}, ''{{ラテン翻字|el|Harpuia''}}, {{lang-la|Harpyia}})あるいは'''ハルピー'''({{lang-fr|Harpie}})、'''ハーピー'''({{lang-en|Harpy}})は、[[ギリシア神話]]に登場する女面鳥身の[[伝説の生物一覧|伝説の生物]]である。複数形'''ハルピュイアイ'''({{lang-grc-short|'''Ἅρπυιαι'''}}, ''{{ラテン翻字|el|Harpuiai''}})。顔から胸までが人間の女性で、翼と下半身が鳥と描写される。その名は「掠める者」を意味する。
 
== 解説 ==
ハルピュイアは、[[ガイア]]と[[ポントス (ギリシア神話)|ポントス]]の子[[タウマース]]と、[[オーケアノス]]の娘[[エーレクトラー]]の娘で、[[虹]]の女神[[イーリス]]の姉妹である<ref>[[ヘーシオドス]][[神統記]]265~269265行-269行[[</ref><ref name=Ap_1_2_6>アポロドーロス]]、1巻2・6。</ref>。
 
[[イアーソーン]]による『[[アルゴー船|アルゴー号]]の探索([[アルゴナウタイ]]の冒険)』に登場し、罪を犯した[[ピーネウス]]を苦しめるエピソードが有名。他にも[[アイネイアース]]の放浪譚に登場している。黄泉の国の王[[ハーデース]]または[[ゼウス]]の手下であり、老婆のような[[顔]]、[[ハゲワシ|禿鷲]]の[[羽毛|羽根]]、[[鷲]]の爪を持つ。[[食欲]]が旺盛で、食糧を見ると意地汚く貪り食う上、食い散らかした[[残飯]]や残った食糧の上に[[排泄物|汚物]]を撒き散らかして去っていくという、この上なく不潔で下品な怪物である<ref group="注">[[鹿島茂]]によれば、[[1784年]]にハーピーが口に[[ウナギ]]をくわえている[[風刺画]]があったが、これは[[プチ・トリアノン]]の鍵を表していて[[マリー・アントワネット]]を皮肉ったものだったという。</ref>。
9行目:
[[ダンテ・アリギエーリ|ダンテ]]の叙事詩『[[神曲]]』地獄篇の中では、地獄第七圏第二の環・「自殺者の森」において、自ら命を絶った者が変容した樹木を啄ばむ怪鳥として描写されている。
 
神話によっては、'''[[アエロー]]'''(Aello、疾風)、'''[[オーキュペテー]]'''(Okypete、速く飛ぶ者)の二姉妹とも<ref>ヘーシオドス『神統記』267。アポロドーロス、1巻2・6。</ref><ref name=Ap_1_2_6 />、'''[[ケライノー]]'''(Kelaino、黒い雲)を加えた三姉妹が存在するともされる<ref>[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス|ヒュギーヌス]]、14。</ref>。また、さらに'''[[ポダルゲー]]'''(Podarge、足の速い者)を入れた四姉妹とする場合もある。
 
元々は[[クレタ島|クレータ島]]に伝わる[[塵旋風|つむじ風]]や[[竜巻]]を司る女神[[マプサウラー]]だったといわれている<ref>健部伸明と怪兵隊 『幻想世界の住人たち』 [[新紀元社]]。</ref>。
22行目:
 
== 脚注 ==
 
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
=== 出典参考文献 ===
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)
<div class="references-small"><references /></div>
* [[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス|ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年)
* [[ヘシオドス]]『[[神統記]]』[[廣川洋一]]訳、岩波文庫(1984年)
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)
 
== 関連項目 ==