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基本的には深夜アニメを好んで見るような男女のアニメファンに向けた内容であり<ref name="オトナアニメvol21_p98" />、入浴シーンや、攻撃で美少女キャラクターの服がたびたび破れるなどの際どい場面も多く描かれるものの、そうした場面でも下品になりすぎない、和やかな作風が徹底されている<ref name="オトナアニメvol21_p96" />。
 
== あらすじ ==
=== 第1期 ===
動物の耳や尻尾を持つ種族たちが暮らす、地球とは隔絶した異世界フロニャルド。14歳の少女'''ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティ'''を代表領主とするビスコッティ共和国は、かつて友好関係にあった隣国ガレット獅子団領国との「戦」で敗戦を重ね、窮地に瀕していた。武勇に優れるガレットの戦姫'''レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ'''率いる軍勢がビスコッティの城へ迫ろうというその時、ミルヒオーレは国の窮状を打破する切り札として、異世界からの「勇者召喚」を決意し、地球の現代日本に住む少年'''シンク・イズミ'''を召喚する。
 
アスレチックや[[アクロバット|軽業]]を特技とするシンクは、故郷イギリス行きの飛行機へ乗るために学校の終業式を早退する途中、突然に異世界フロニャルドへと召喚され、ミルヒオーレから「勇者となってこの国に力を貸して欲しい」と懇願される。まるで[[ハイ・ファンタジー|異世界ファンタジー小説]]に登場するヒーローのような状況に立たされたシンクは、自分には戦う能力などないと困惑するが、フロニャルドで行われている「戦」が生死を賭けた戦いではなく、スポーツ精神に則ったアスレチック競技により戦争の勝敗を決するというものであると知るに至り、ビスコッティの勇者となることを快諾し、ミルヒオーレから貸与された「神剣パラディオン」を携え戦場へ赴く<ref name="第1話" />。シンクは彼を召喚したミルヒオーレの勘違いにより地球に戻る手段を失い焦りつつも、家族や女友達との旅行の約束がある16日後までには元の世界に戻る方法を探してもらうという約束の下、その間は勇者としてビスコッティ共和国に協力しつつ、この状況を前向きに捉えて楽しむことを決意する<ref name="第3話" />。
 
シンクはフロニャルドの人々と交友を深めていき、反目しつつも良き戦友となっていく'''エクレール・マルティノッジ'''や、シンクが元の世界に戻る方法を探そうとする'''リコッタ・エルマール'''、敵対しつつも気さくで陽気な人柄のガレットの王子'''ガウル・ガレット・デ・ロワ'''といった人々と友情を築く<ref name="第2-5話">テレビアニメ第2話 - 第5話。</ref>。一方で、物語の核心は、かつてミルヒオーレと姉妹同然の仲であったレオンミシェリが、ビスコッティへの侵攻に執念を燃やす理由へと向かっていく。レオンミシェリは「星詠み」と呼ばれる占いによりミルヒオーレに降りかかる死を予見し、「戦」にかこつけて望まぬ未来を回避しようと躍起になっていたのである<ref name="第6話" />。
 
真意を明かさずにミルヒオーレを危険から遠ざけようとするレオンミシェリの思惑と、敵陣に乗り込んででもレオンミシェリの真意を問いただそうとするミルヒオーレの想いはかみ合わず、突如として戦場に出現した魔物にミルヒオーレがさらわれるという形で、レオンミシェリの「星詠み」は現実のものになりかける<ref name="第8-9話">テレビアニメ第8話、第9話。</ref>。しかしシンクの奮闘や、魔物の正体を知り同情を寄せたミルヒオーレの想い、そして魔物退治を生業とする'''ブリオッシュ・ダルキアン'''と'''ユキカゼ・パネトーネ'''の活躍などもあり魔物は無害化され、回避不可能とされた「星詠み」による予見は的中せずに終わる。一連の戦いは、一人で問題を抱え込み、不正確な占いに振り回されたレオンミシェリが己を恥じて謝罪するという形で決着する<ref name="第10-11話">テレビアニメ第10話、第11話。</ref>。
 
ガレットとの戦が終結し、シンクが地球へ帰る方法もリコッタによって解明されたが、その手段を用いてしまうとシンクは記憶を失い、二度とフロニャルドに戻れなくなるという。シンクは二度と戻れなくなることを自分とリコッタだけの秘密とし、皆との楽しい思い出を作り笑顔でフロニャルドを去ろうとするが<ref name="第12話" />、皆には見抜かれていた。ミルヒオーレは懸命に気づかないふりを装おうとしつつも再会を約束し、シンクを見送る。ところが別れ際のシンクがとった一連の行動は、偶然にも再召喚を可能にする条件を整えていた。地球に帰還後、一旦はフロニャルドでの記憶を失ったシンクだが、タツマキによって届けられた「神剣パラディオン」によりフロニャルドでの日々が甦るに至る。物語は、シンクが夏休みに再びフロニャルドへ行くことを心に決める場面で締め括られる<ref name="第13話" />。
 
=== 第2期 ===
ミルヒオーレと交わした再会の約束が守られ、シンクが再び勇者としてフロニャルドへ召喚される場面から物語が始まる。今度は、幼馴染みの'''レベッカ・アンダーソン'''と従姉の'''高槻七海(ナナミ)'''にも声を掛けており、レベッカはシンクとともに紀乃川市からビスコッティへ、イギリス在住のナナミはロンドンからガレットへとそれぞれ召喚される。
 
現地では勇者帰還を祝っての戦興業が開催されており、ミルヒオーレたちと再会を果たしたシンクも再び勇者として参戦する。また、レオンミシェリから状況を聞いたナナミも彼女の要請を受け、「神剣エクスマキナ」を貸与されてガレットの勇者として戦場に立つ。一方でレベッカは戦への参加を固辞するが、戦も前半戦が終わった頃、パスティヤージュ公国の公女'''クーベル・エッシェンバッハ・パスティヤージュ'''が、突如手勢を引き連れて参戦を申し込みに来訪し、レベッカを連れ去る。クーベルの目的は、中継を見て一目惚れしたレベッカを自国の勇者として招き、悲願の戦興業に参加することであった。クーベルの提案もあり、戦の後半戦はレベッカを賭けたパスティヤージュ対ガレット・ビスコッティ連合の様相を呈するが、レベッカは自分と似た境遇のクーベルの説得を受けてパスティヤージュの勇者となることを承諾し、貸与された「神剣メルクリウス」を携えて戦へと参戦する。レベッカはクーベルとともに劣勢だった戦線を立て直し、勝負を挑んできたシンクとナナミを同時に撃退するという華々しい勇者デビューを飾る。その後も続いた戦は、優勝ガレット・2位ビスコッティ・敗者パスティヤージュとなり、盛況の中閉幕する。
 
閉幕後、レベッカは正式に勇者としてパスティヤージュに行くこととなり、ビスコッティでの三国首脳会談が終わるまでの間、3人の勇者たちはフロニャルドの人たちと交流を深める。そして会談も終わり、勇者3人は次の三国合同の戦興業での再会を約束し、レベッカとナナミはそれぞれの国へと旅立つ。
 
その頃風月庵近くの河原では、シンク、エクレール、ユキカゼのビスコッティ組とガレットの魔物対策部署の立ち上げのために参加したノワールの4人で合宿が行われ、次の戦興業に備える。一方ガレットでは、頻発する追剥ぎ事件解決のためビオレの引率で東方街アヤセを訪れたナナミ、ジョーヌ、ベールがブリオッシュの兄'''イスカ・マキシマ'''と出会い、互いの協力もあり犯人のオイハギウサギを捕らえることに成功する。
 
パスティヤージュでの三国首脳最終会議後、クーベルとシンクはともに訪れた英雄王の丘で、石碑に封印されていた魔王'''ヴァレリア・カルバドス(ヴァレリー)'''を復活させてしまう。ヴァレリアは数々の暴挙を行い、包囲されるも輝力吸収技で反撃し、クーベルらを窮地に陥れる。だが不屈のクーベルの意思に呼応して、これも石碑に封印されていた英雄王'''アデライド・グランマニエ(アデル)'''が目覚め、ヴァレリアを退治する。その後アデライドとヴァレリアは再び眠りにつこうとするが石碑の故障により叶わず、ともにエッシェンバッハ城の一室にしばらく滞在することとなる。
 
アデライドとヴァレリアは、旧友のイスカ・ブリオッシュ兄妹とともに、魔物の封印確認のために南方フレージェ砂漠の洞窟に出向く。だが傷んだ封印刀にアデライドが触れた途端に封印刀が破損して封じていたスイトリネズミが解放され、イスカを除く3人が生命力を吸われて幼児化する。アデライドに召喚されたシンクたちは、途中ユキカゼやジェノワーズらの幼児化はあったものの、アデライドから勇者結晶を託さたシンクとガウルが盗んだ生命力で合体・成長した巨大ネズミを撃破。幼児化していたアデライドたちも元に戻り、再封印も無事に完了する。
 
イスカたちは以前捕らえたオイハギウサギの様子を見にミスハ山を訪れるが、そこで親玉ウサギと仲良くしていた若い娘の姿をした個体がいなくなったという情報を得る。時を同じくして芸術音楽祭開催中のエスナートで宝飾品の強盗騒動が起こり、ミルヒオーレのステージ用宝飾品も狙われる。犯人は親玉ウサギと仲良くしていた猫神の眷属で、人を操る術を使って盗みを行い、追跡をかわしていた。追跡するシンクとエクレールも操られてキスをしてしまうが、最後には猫神は捕獲されてミスハ山に放され、ミルヒオーレのゲストステージも含めて芸術音楽祭も無事に閉幕する。
 
そして迎えた、三国合同興行「ユニオン・フェスタ」初日。猫神騒動の際にシンクとキスをして以来、気持ちの整理がつかないエクレールは自身を気遣うリコッタと喧嘩してしまう。その場に居合わせたレオンミシェリは、エクレールを叱咤するために自身との一騎討ちを提案。気持ちが揺らぐエクレールは敗北寸前まで追い込まれるが、リコッタの謝罪と激励で仲間たちとの絆に気づき、リコッタへの謝罪とともに気持ちを吹っ切り、逆転で勝利をもぎ取る。他の場所ではミルヒオーレ・リコッタ組対クーベル・レベッカ組の空中飛翔戦、ブリオッシュ対ナナミの一騎討ち、シンクとガウルの英雄結晶を発動して大人化しての一騎討ちがほぼ同時期に行われ、ハプニングが続出しながらも盛り上がる。そんな中、祖国のピンチに我慢できなくなったアデライドはヴァレリアのアイデアで仮面で顔を隠して『英雄仮面』となって乱入、総合得点で後れを取っていたパスティヤージュを大逆転での初日トップに導く。2日目以降もビーチ競技やマリンレースなどの海上戦、ミルヒオーレのステージ、クイズ大会、騎士と庶民の交流を兼ねた腕相撲大会など盛りだくさんのイベントが行われ、盛況のうちにユニオン・フェスタの戦興業部分は終了する。
 
風月庵で巻き起こったイレカエコダマが原因の入れ替わり騒動を経て、迎えた「ユニオン・フェスタ」最終日のプログラムもいよいよミルヒオーレのファイナルステージを残すのみとなる。クーベルはリコッタとノワールを連れてエッシェンバッハ城地下伝承宝物庫を訪れるが、罠に引っかかって罠だらけの地下迷宮に閉じ込められる。ヴァレリアから魔神結晶を託されたレベッカとシンクの活躍によってクーベルたちは救出され、ファイナルステージの開幕にも何とか間に合うことに成功する。ミルヒオーレのファイナルステージも盛り上がり、ユニオン・フェスタは大盛況のまま閉幕する。
 
「ユニオン・フェスタ」も終了し、送還の儀を終えて別れの時を迎える勇者3人。ガレットから帰還するナナミおよびビスコッティから帰還するシンクとレベッカは、それぞれの領主からリコッタが見つけた新型召喚の条件でもある「約束の品」をはなむけの言葉とともに託され、ナナミは自宅のソファーに、シンクとレベッカはシンクの部屋に戻る。シンクたち3人はそれぞれ無事に戻り、想い出も約束の品もしっかり持ち帰っていることに安堵する。
 
夏休みも終わりに近づき、一緒に図書館に行くためレベッカを待つシンクは、髪を下ろして大人びた雰囲気を醸すレベッカに見惚れ、初めて『レベッカ』と呼びかける。シンクに名前で呼ばれるのが念願のレベッカだが、恥ずかしさのあまり『当分はベッキーでいい』と言ってしまう。物語は、勇者3人で再びフロニャルドへ行くというレベッカの決意で締め括られる。
 
=== 第3期 ===
秋の試験休み、こちらも秋本番のフロニャルドを訪れることになったシンク・ナナミ・レベッカの3名。ところがレベッカは紀乃川市から無事にパスティヤージュに召喚されたものの、アイアンアスレチックへの参加の都合でロンドンからの召喚となったシンクとナナミは、召喚時に至近距離に落ちた落雷の影響を受け、フロニャルド南部の竜の森と呼ばれる原生林に落下してしまう。そこで神竜の信託を聞く竜の巫女の'''シャル'''に助けられたシンクとナナミは、最近竜の森に竜喰いと呼ばれる魔物が出現することを聞きつけ、シャルに魔物討伐に協力することを提案する。最初は自身だけでの解決を考えていたシャルだが、竜喰いが大陸全土に危害を及ぼす恐れがある非常に危険な魔物だということが判明し、三国連合による大規模な魔物討伐に発展。神竜の力をも吸い取って増殖する竜喰いに苦戦を強いられる三国連合軍だが、各国領主が神竜の魔物化を抑え込む間に勇者3人とシャルが竜喰いの本体を倒し、魔物との戦いは三国連合の勝利で終結する。
 
竜の森の騒動が集結し、各国に戻った領主と勇者たち。ビスコッティではパスティヤージュと合同での晶術鉱石の調査と保護採集が行われ、禍太刀憑きの蛙神との戦いになるが、シンクの活躍で撃退に成功する。一方ガレットでは、毎年恒例のレオンミシェリのお見合い興行が大々的に行われる。求婚者たちが次々と蹴散らされる中、覆面で素性を隠して参加した聖ハルヴァー王国の第8皇子・'''リーフ・ラング・ド・シャー・ハルヴァー'''はレオンミシェリと互角に渡り合い、惜敗するも興業を大いに盛り上げる。そして興業終了後、三国を見聞するリーフを案内するナナミとジェノワーズの面々。一同はガレット、ビスコッティと回りながら各国で親交を深めていく。そして最後に訪れたパスティヤージュでミルヒオーレのライブを鑑賞した一同は、リーフのたっての希望で、アデライドやヴァレリアたちから伝説の勇者パーティ5人がかつて辿った英雄譚の一部始終を聞く。現代のフロニャルドの礎を築いた当事者たちの口から直接語られる勇者の活躍、そして自らの命を懸けてフロニャルドの平和と発展に尽くした英雄姫の物語に一同は感銘を受ける。
 
昔語りの翌日、シャルが火竜を伴ってパスティヤージュを訪れ、ミルヒオーレたちに空海に異常があると伝える。空海に住む大精霊・星鯨と星鯨と地上の民を繋ぐ空の巫女に何かあったのではないかとにらむシャルは、三国の領主たちに空海調査の許可を申請。これを承諾した三国連合は、シンクたち勇者3名とガウルを中心とする調査団を結成し、シャルとともに空海へと出発する。しかし星鯨と接触したまではよかったが、火竜は星鯨に吸い込まれ、シンクたちは星鯨の体内で散り散りになってしまう。単独で放り出されたガウルは'''アリア'''と名乗る声を出せない少女に助けられ、星鯨の中に病魔と呼ばれる魔物に類する存在がいることを知る。一方、空の巫女・ファリーヌと会うことに成功したシンクやシャルたちは、星鯨の異変が病魔によるもの、本来なら歌によって星鯨を癒すはずの星の民が病魔によって歌を歌えなくなったこと、アリアが星の民の歌姫であることを知る。星の民の里で合流したシンクたちとガウルたちだが、そこへ病魔を操る少年・'''ベルデ'''が現れる。ベルデの前に留守を守っていたユキカゼとシャルは敗れ、アリアは連れ去られてしまう。ガウルとナナミ、リーフ、ジェノワーズはアリアの奪還へ、シンクとレベッカはアリアに代わって癒しの歌を歌ってもらうためにミルヒオーレを迎えに地上へと向かう。アリアの奪還に成功したものの、ベルデの猛攻に苦戦を強いられるガウル。しかしミルヒオーレを連れて戻ったシンクの加勢と、ミルヒオーレが歌う癒しのメロディーによってベルデは力を失い、自分の行いを詫びてアリアの声を返し、自らを結晶化する。これによって病魔は駆逐され、星鯨も元気を取り戻す。
 
地球への送還の日、シンク・ナナミ・レベッカの勇者3名はそれぞれの国から地球に帰還する。物語は、そう遠くない未来に再び大好きな国と大好きな人々が待つフロニャルドを必ず訪れることを誓うレベッカのモノローグで幕を下ろす。
 
== 登場人物 ==