「ロドスのエウデモス」の版間の差分

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しかしながら、エウデモスは、アリストテレスの著作についての編集者と注釈者として最も重要な人物である。かくも彼が[[自然学]]に関する仕事においてアリストテレスに忠実だったことは、言葉遣いの批判(verbal criticism)の問題においてエウデモスに言及する後世の注釈者たちの事情によって示された。現にエウデモスはアリストテレスの体系に厳密に従い、現代の学者たち、例えばブランディスは、一般にアリストテレスのものであるとされているいくつかの作品をエウデモスに記するのに躊躇してはいない。アリストテレスは作品の半分も出版せずに63歳で死に、彼の遺作の編集と出版という仕事は最も近しい友人であり弟子たちによって進められた。シンプリキオスは、アリストテレスの『[[自然学 (アリストテレス)|自然学]]』の5巻の写本の正確なコピーを求めてテオプラストス宛に書いたエウデモスの手紙の断片を含むロドスの[[アンドロニコス]]のアリストテレスについての作品と著作の一つの段落を保存している。同様にしてアリストテレスの『[[形而上学 (アリストテレス)|形而上学]]』は現在の形にエウデモスか彼の後継者によって編集されたともいう。より古い註釈家の著作から多くの価値ある記述を保存した[[トラレス]]のアスクレピオスによれば、アリストテレスは『形而上学』の草稿をエウデモスに委ねたためにその作品の出版が遅れ、そしてアリストテレスの死に際して草稿の一部は失われ、アリストテレスの遺族によってアリストテレスの他の著作から補完されたともいう。しかし、アリストテレス研究者たちがエウデモスと彼の弟子たちに多くを負っていることはこの計り知れないほど貴重な著作の保存という事実が示している。[[ヨアンネス・ピロポノス]]は、エウデモスの兄弟であり、兄弟弟子であるロドスの[[パシクラテス]](あるいはパシクレス)が幾人かの古い批評家の意見によれば、『形而上学』の第二巻の著者であると述べている。我々の手には、[[倫理学]]の名の下に、非常に異なった価値と特質を持つアリストテレスに帰せられる三つの著作(『[[エウデモス倫理学]]』、『[[ニコマコス倫理学]]』、『[[マグナ・モラリア|大道徳学]]』)が残っている。それらの一つはエウデモスの名が載りさえしており、それらは多分全部エウデモスによって編集されたアリストテレスの講義の校訂本である。
 
さらに、エウデモスにはテオプラストスと共にアリストテレスの[[論理学]]を改良したという功績もある。彼らは[[様相]]概念を研究し、[[可能]]を[[偶然]]と区別するなど可能の概念を明確化した<ref>ibid中畑, p. 654-655</ref>。
 
== 著作 ==
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*『角について』
*『自然学』
この他にもエウデモスは数学や幾何学、天文学、神学などの歴史についての著作を執筆したが、そのほとんどは失われた<ref>ibid中畑, p. 653</ref>。
 
== 参考文献 ==