「黄金の林檎」の版間の差分

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女狩人であったアタランテーは、とても美しかったが、[[結婚]]には消極的だった。[[神託]]で、結婚すると不運が訪れると告げられていたからである。狩りに参加したアタランテーが毛皮を手に入れた後、彼女を結婚させようとした父は、娘に約束をさせた。求婚者は彼女と徒競走をして、求婚者が負ければ殺されるが、もし求婚者が勝てば、彼女はその者と結婚する、という約束であった。脚に自信のあったアタランテーは、喜んでその約束に応じた。
 
彼女は多くの競争相手を振り切って走った。[[ヒッポメネース]]、あるいは[[メラニオーン]]は、まともに争ってはアタランテーに勝てないことが分かっていたので、女神[[アプロディーテー]]に祈りを捧げて助けを乞うた。その際、女神から3つの黄金の林檎([[リンゴ]]ではなく[[マルメロ]]だとされる場合もある)を与えられ、1つずつそれを落としてアタランテーの気を逸らすよう教えられたのである。ヒッポメノスがその通りにすると、アタランテーはそれぞれの黄金の林檎を拾うために、走るのをやめて立ち止まった。こうして、ヒッポメネースは3つの林檎を使うことで、アタランテーに勝利し、彼女を得たのである。だがしかし、ヒッポメネースは女神に感謝することを忘れたので、[[ライオン]]に変えられてしまったという{{Refnest|group="注"|別の説では、後にアタランテ―とともに狩をしていた途中に、ゼウスの神域で交わったため、ゼウスの怒りを買ってライオンに変えられたともされる<ref>高津、p.19。</ref>}}。
 
=== ヘスペリデスの園 ===
[[ファイル:Mosaico_Trabajos_Hércules_(M.A.N._Madrid)_11.jpg|thumb|ヘスペリデスから林檎を盗む[[ヘーラクレース]]]]
[[ヘスペリデス|ヘスペリデスの園]]は[[ヘーラー]]の果樹園で、世界の西の果て、あるいは北方のヒュペルボレイオス人の国にあるとされた<ref name="高津230">高津、p.230。</ref><ref name="高津240">高津、p240。</ref>。そこに不死を得られる黄金の林檎の林があり<ref group="注">あるいは1本だけ植えてあったともされる</ref>、不死の百頭竜と[[ヘスペリデス]]がその番人としておかれていた<ref name="高津240" />。この林檎の木はヘーラーと[[ゼウス]]の結婚の際に、[[ガイア]]から贈られたものである<ref name="高津230" />。[[ヘーラクレース#.E5.8D.81.E4.BA.8C.E3.81.AE.E5.8A.9F.E6.A5.AD|ヘーラクレースの十二の功業]]の11番目は、ヘスペリデスの園からこの黄金の林檎を盗み出すことだった<ref name="高津240" />。
 
=== 不和の林檎とパリスの審判 ===