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== 歴史 ==
ワインは極めて歴史の古い酒の一つであり[[新石器時代]]に醸造が始まったとされる<ref>[http://www.kirin.co.jp/csv/food-life/know/activity/ferment/sake/column_04.html 石毛直道の発酵コラム 第4回「酒」] キリン食生活文化研究所</ref>。様々な歴史的記念物、文献などから[[ジョージア]]では7000年から5000年前に醸造され発祥地のひとつとされる<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/95/9/95_9_651/_article/-char/ja/ 橘勝士、グルジアのワインと文化] 日本醸造協会誌 Vol.95 (2000) No.9 P651-657, {{DOI|10.6013/jbrewsocjapan1988.95.651}}</ref>。近東のワイン造りの化学的痕跡としては、[[イラン]]の[[ザグロス山脈]]で見つかった紀元前5400~同5000年(約7000年前)のものが最古とされていたが、ジョージアで発掘された約8000年前の陶器の壺が科学分析により世界最古のワイン醸造の痕跡であると2017年に発表された<ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/3150409 世界最古のワイン醸造痕跡見つかる ジョージア、8000年前]AFP, 2017年11月14日 </ref>。また、[[アルメニア]]では約6000年前のものとされる世界最古のワイン醸造所跡が発見されており、その頃には既に高度な醸造技術が確立されていた<ref>[http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-12158341 'Oldest known wine-making facility' found in Armenia] BBC,11 January 2011</ref>。以後、醸造法が南方に伝播したことから、[[中東]]、特に[[メソポタミア]]を中心とする地域で広く愛飲されるようになる。ただし、メソポタミアは葡萄の栽培に適した土地でなかったため、[[イラン高原]]では[[紀元前6000年]]頃から生産が始まっていたものの、メソポタミア(※特に南部の[[シュメール]])においては[[紀元前4000年]]頃になってようやく醸造できるようになったようだ<ref>[http://www.penn.museum/sites/wine/winemesopotamia.html “The Origins and Ancient History of Wine”]</ref>。[[古代エジプト]]においても、紀元前4000年代末期にはワインが製造されていた<ref>[http://www.usatoday.com/tech/science/columnist/vergano/2006-05-29-tut-white-wine_x.htm White wine turns up in King Tutankhamen's tomb] USA TODAY</ref>。
 
しかしながら、“ワイン文化”が西洋へ広まった要因はやはり、現在のレバノンが位置する湾岸沿いを拠点としていたフェニキア人だと言えるだろう。そしてその地域こそがワイン生産の起源とも言える。<ref> McGovern, Patrick E. 2003. Ancient wine: the search for the origins of viniculture. Princeton University Press</ref><ref>Karam, Michael (2005) "The Wines of Lebanon" Saqi Books - reference book on Lebanese wine</ref>フェニキア人の生産するワインはその後、ギリシャ・ローマ時代にわたり上質なワインを表す“ビブライン” (フェニキアの町、ビブロスから)という形容詞となり、その存在は続いた。<ref>H. Johnson Vintage: The Story of Wine pgs 18-43, 61-86 & 106 Simon and Schuster 1989 ISBN 0-671-68702-6</ref>[[ホセア書|ホセアの予言書]](780–725 B.C.)の中では、“ブドウの木のように栄えており、その香りはまるでレバノンのワインのようだ。”と弟子たちに[[ヤハウェ]]のもとへ急いで伝えるようにと記されている。<ref> 引用:McGovern, Patrick E. 2003. op. cit., p. 202</ref>