「ミゾコブシボラ」の版間の差分

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|名称 = ミゾコブシボラ
|色 = 動物界
|画像 =[[File:Naturalis Biodiversity Center - ZMA.MOLL.350744 - Busycotypus canaliculatus (Linnaeus, 1758) - Buccinidae - Mollusc shell.jpeg|250px]]
|画像 =[[File:Thechanneledwhelkshell.png|250px]]
|画像キャプション =
|界 = [[動物界]] {{sname||Animalia}}
}}
[[File:Large eastern conch.jpg|250px|thumb|[[カリフォルニア州]]の市場で売られるミゾコブシボラ]]
[[File:FMIB 38587 Knobbed Whelk (Right); Channelled Whelk (Left); Egg cocoons of the chanelled whelk (Below).jpeg|thumb|right|250px|ミゾコブシボラ(左)と卵嚢(下)。(右は[[トゲコブシボラ]])。]]
'''ミゾコブシボラ'''(溝拳法螺:''Busycotypus canaliculatus'' )は[[コブシボラ科]]<ref name=Petuch&Myers,2015/><ref name=worms2015-12-08/>(あるいは[[エゾバイ科]]<ref name=Kosyan&Kantor,2004/><ref name=worms2012/>)に分類される[[巻貝]]の一種。アメリカ合衆国沿岸に固有の大型種で、本来は北米東岸の[[大西洋]]の種であるが、[[太平洋]]側の[[サンフランシスコ湾]]にも[[外来種|外来個体群]]が生息する。肉食性で主に[[二枚貝]]を捕食する一方、人間の食用に利用される。
 
*北米西岸(外来):[[サンフランシスコ湾]]など(少なくとも[[1948年]]以前に移入され、以後定着した)<ref name=Stohler,1962/><ref name=Abbott,1974/>。
 
サンフランシスコ湾の外来個体群の由来は不明であるが、東岸ではカキ群集などにも見られることから、カキ船で運ばれた可能性や、[[西]]地域の市場でも[[中華料理]]などの材料として生貝が売られることから、市場関係者が生きたまま投棄したものが繁殖した可能性などが推定されている。いずれにせよコブシボラ類は[[大西洋]][[固有種|固有]]の群であるため、本種の外来個体群は太平洋に生息するの唯一のコブシボラ類となっている<ref name=ExoticsGuide/>。
 
==形態==
;大きさと形
[[貝]]やや大型、最大で殻高200mm、殻径125mm前後になり、多くは右巻きだが、時に左巻き。螺塔は低く、体層(最終螺層のこと)が膨らみ、下方に向かって細まるイチジク型。螺層は5-6層で、縫合(上層と下層の境界部分)が四角い溝状となるのが顕著な特徴で、種名や和名はこれに因む。肩は明瞭に角張り、上層部では尖った小結節が並ぶが、成長とともに結節は弱まって単なるキールになることが多い。殻表には褐色の殻皮を被り、その表面には短毛が密生する螺条が多数あってフェルト状もしくはベルベット状とも表現されるが、毛や殻皮は部分的に剥げていることもある。殻本体の色は白色のものから淡肉色、あるいは灰褐色のものなど変異があり、赤味がかったり紫がかったりもする。殻口は広く、下方は細まって開いた水管溝になっている。軸唇は単純で襞などはない。殻口内の色も灰白色、淡い褐色、あるいは鮮橙色などの個体変異がある
 
;殻皮と殻色
フタは角質で、核(成長の始点)が下端にある褐色の木の葉形でやや厚く、水管溝を除いた殻口の大部分を塞ぐことができる。
殻表には褐色の殻皮を被り、その表面には短毛が密生する細かい螺条が多数あってフェルト状もしくはベルベット状とも表現される。しかし短毛や殻皮は部分的に剥げていることも少なくない。殻本体の色は白色のものから淡肉色、あるいは灰褐色のものなど変異があり、赤味がかったり紫がかったりもする。
 
;殻口
軟体部の外貌はくすんだ淡褐色で、そこに褐色微斑を多数散らす。歯舌の中歯は3歯尖<ref name=Abbott,1974/><ref name=Emerson,1976/>。
殻口は広く、下方は細まって開いた水管溝になっている。軸唇は単純で襞などはない。殻口内の色も灰白色や淡い褐色、あるいは鮮橙色など個体変異がある。
;蓋
フタ褐色の[[角質]]厚く、核(成長の始点)が下端にある褐色の木の葉形でやや厚く、水管溝を除いた殻口の大部分を塞ぐことができる。
;軟体
軟体外貌うち露出部はくすんだ淡褐色で、そこに褐色微斑を多数散らす。[[歯舌]]の中歯は3歯尖<ref name=Abbott,1974/><ref name=Emerson,1976/>。
 
==生態==
湾的環境の[[潮間帯]]から浅海までの砂底や砂泥底に普通に見られる<ref name=Abbott,1974/><ref name=Emerson,1976/>。海底を匍匐したり砂泥中を埋進しながら埋棲する[[二枚貝]]が水管から出す噴出水を感知し、二枚貝を見つけると巨大な腹足で掴むように捕捉しながら獲物の殻を自分の殻口縁に当てて壊し、相手の壊れた隙間から吻を挿入して軟体部のみを食べる。また、埋在性の二枚貝のみならず、付着性の二枚貝である[[ムール貝]]や[[カキ (貝)|カキ]]類などを捕食することもあり、二枚貝群集にとっては時に大きな脅威となる。
 
雌雄異体で、交尾によって受精し、メスは特徴的な形の卵塊を産む。卵塊は、数十個から100個ほどの卵嚢が1本の紐で連ねられた[[レイ (ハワイ)|レイ]]のような形で、その一端は石などに接着される(外部リンクの「類似種との卵嚢の比較」を参照)。1個の卵嚢は縁が薄く鋭い円形のクッション型で、表面に放射状の筋がある。1個の卵嚢には20-50個の卵が入っている。卵が卵嚢内で稚貝にまで成長してから這いだす直達発生だが、先に孵化した稚貝が他を食べてしまうため、全てが稚貝として孵化するわけではない<ref name=Saksewski/>。卵嚢塊の一部はしばしば千切れて漂流することがあり、これも個体分散の役に立っている<ref name=ExoticsGuide/>。
}}
;科
化石種も含めたコブシボラ類の種は、古くは[[イトマキボラ科]]や[[エゾバイ科]]、[[カンムリボラ科]](テングニシ科)といった形の似たさまざまな科に分類されたことがあったが、20世紀中はカンムリボラ科に分類されるのが一般的であった<ref name=Abbott,1974/><ref name=Shikama&Horikoshi,1963/><ref name=Compendium-ja/>。しかし、消化器系の構造などから[[エゾバイ科]]に分類するのが妥当であるとする論文が2004年に発表されると<ref name=Kosyan&Kantor,2004/>、それに従いエゾバイ科のコブシボラ亜科として扱われることが多くなった<ref name=worms2012/>。更に2015年10月に出版されたコブシボラ類のモノグラフ<ref name=Petuch&Myers,2015/>では、コブシボラ亜科を科に昇格し[[コブシボラ科]]として独立させる考えが提唱されたため、海産動物のデータベースであるWoRMSでも、2015年12月に分類先がエゾバイ科のコブシボラ亜科から独立のコブシボラ科に変更された<ref name=worms2015-12-08/>。
 
;属
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