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'''倉田 謙'''（くらた けん、[[1881年]][[9月19日]] - [[1940年]]）は、日本の[[建築家]]。[[大正]]期から[[昭和]]初期にかけて[[九州大学]]（箱崎キャンパス）の校舎を多く設計したことで知られる建築家。

== 概要 ==

[[1881年]]（明治14年）、東京生まれ。[[第一高等学校]]（旧制）を経て、[[1903年]]（明治39年）[[東京帝国大学]]工科大学建築学科を卒業（[[岡田信一郎]]、[[本野精吾]]らと同期）。

[[1908年]]（明治44年）に九州帝国大学[[技師]]に就任し、その一方で講師として[[建築構造設計|建築構造]]等を教えた。その後、[[文部省]]福岡出張所の技師を兼任し、九州帝国大学工科大学臨時建築掛を監督する立場となる。[[1918年]]（大正7年）に臨時建築掛が建築課になるとその初代課長に就任<ref>福田晴虔「倉田謙と九大キャンパス」、{{PDFlink|[http://www.arc.kyushu-u.ac.jp/about/pdf/historynews/news15.pdf 九州大学大学史料室ニュース 第15号]}}、2000年3月31日</ref>。助教授（兼任）としても後進を育成する。この間に大学構内の施設を数多く設計している。

[[1928年]]（昭和3年）に欧米各国を視察。[[1929年]]（昭和4年）に大学を辞任し、倉田建築事務所を開いた<ref>『大衆人事録』第5版（1932年）、第12版（1938年）による。</ref>。

== 主な作品 ==

[[ファイル:Kyushu University03.jpg|250px|right|thumb|箱崎地区九州大学 事務局本部第一庁舎]]

[[ファイル:Kyushu University02Imperial University school of law and literature mail building.jpg|250px|right|thumb|箱崎地区九州大学 工応用力学部本館研究所]]

=== 九州帝国大学 ===

* 工学部仮実験室（1925（[[1925年]]（大正14年）、後に事務局本部）：（本部第一庁舎）） - 煉瓦造2階建。[[1923年]]（大正12年）の火災により焼失した旧工学部本館の礎石、煉瓦を再利用して建設<ref>松葉一清他『近代建築ガイドブック 西日本編』（1984年、鹿島出版会）p72。</ref>。

* 法文学部本館（1925年（大正14年）、後に[[九州大学応用力学研究所）：RC|応用力学研究所]]） - [[鉄筋コンクリート構造|RC造]]3階建。現存せず。

* 工学部本館（1930（[[1930年）：RC]]（昭和5年）） - RC造3階建。中央と両翼に塔屋を持つ。

箱崎キャンパスは[[2019年]]度（平成31年度）に伊都キャンパスへの移転が完了予定。する計画であり、箱崎キャンパス内の建物は、旧工学部本館、旧本部第一庁舎、本部第三庁舎、旧正門門衛所（以上、倉田が設計担当）、正門について、煉瓦塀の一部を保存が検討・活用する一方、その他の建物は記録保存の上、解体されている予定である（一部は解体済み）<ref>[http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/university/campus/hakozaki-campus/hakozaki_buildings/kindaikenchiku 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物について（平成29年3月）] 九州大学、2017年4月3日</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/39301/1/atotiriyoukeikakuH27.3.pdf 九州大学箱崎キャンパス跡地利用計画]}} 福岡市・九州大学、2015年3月、p.39</ref>。

=== その他 ===

* [[熊本市役所]]（1923年（大正12年）、現存せず）

* 門司市役所（1930年（昭和5年）、現[[北九州市]][[門司区役所]]）：） - 九州大学工学部本館に似たデザイン。登録有形文化財。<ref>[http://www.city.kitakyushu.lg.jp/shimin/02100279.html 門司区役所（旧門司市役所）] 北九州市ホームページ]</ref>。

* [[久留米市役所]]（現存せず）

* [[福岡日日新聞]]本社（現存せず）

== 脚注釈 ==

== 関連項目 ==

* [[九州大学の建築家物]]