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枕木への締結力や枕木の周囲に敷き詰められたバラストの量、レール温度の管理などが十分でないと、[[猛暑]]時のレールがぐにゃりと曲がる事故(張り出し、座屈ともいう)や、[[極寒]]時の収縮によりレールが[[破断]]する事故が発生することもある。これらは前述のロングレールの不動区間が温度変化によりレール方向に伸縮する軸力に耐えきれなくなった時に発生する。
 
ロングレール区間では、初期の頃は絶縁付き伸縮継手を[[軌道回路]]の区分前後に設置し、通常のレール間を絶縁継目でつないで軌道回路を絶縁分割するが、1970年に強力な接着剤をレールと継目板の間に接着して、レールの軸力と列車衝撃強度に耐えるとともに、電気絶縁性能を十分に持たせた'''接着絶縁レール'''を用いて軌道回路を絶縁分割する方式が採用されている。この方式には、最初の頃は湿式法が使用されていたが、1年未満で接着部が剥離する損傷が発生したため、1984年に[[エポキシ樹脂]]をプレート状に予備成型した固定接着剤をレールと継目板の間に圧着して加熱する乾式法が現在において使用されている。最近ではレールのボルト穴の空隙部に接着剤を充填して、レールと継目板の間の接着層内にテフロンシートを介在させた乾式法の改良形が使用されつつある<ref>{{Cite journal|format=pdf|url=http://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2011/0004005484.pdf|title=接着絶縁レールの継目構造とその製造方法|journal=RRR|work=鉄道総研パテントシリーズ (136) |pages=38-39|year=2011|month=8|publisher=[[鉄道総合技術研究所]]|accessdate=2017-11-6}}</ref>。この方式では、レールのウィークポイントである絶縁継目が無くなりかつ、軌道回路ごとに絶縁付き伸縮継手を挿入する必要がなくなるのが採用するメリットである。
 
日本でのロングレールは[[東海道新幹線]]で本格的に採用され、その後[[在来線]]や[[私鉄]]の[[幹線]]にも導入が進んでいる。