「成長ホルモン放出ホルモン」の版間の差分

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【歴史】
 
 1949年,気管支の内分泌腫瘍で下垂体腺腫を有する先端巨大症の一症例を報告し,異所性GHRH産生の可能性が指摘されて以来,気管支カルチノイド以外に,消化管カルチノイドや膵ラ氏島腫瘍に伴う先端巨大症が報告されるようなった.さらに,1970年代後半に,GHRH活性が腫瘍組織中に相次いで証明された.そして,1982年,GuilleminらとValeらのグループはそれぞれ独立して,視床下部抽出物からではなく,先端巨大症を呈した膵腫瘍より,ヒトGHRHを分離同定した.引き続いて,ヒト視床下部性GHRHと同一であることが確認された.このようにして,異所性に産生されたホルモンが正所性にも存在することがGHRHにおいても証明された.現在までに頭蓋外に発生する異所性GHRH産生腫瘍に基づく先端巨大症は[[日本]]における例1011例を含め,70例以上が報告されている.
 
【病理および病態生理】
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 本症に基づく先端巨大症および下垂体性巨人症は極めて稀で,日本では先端巨大症および下垂体性巨人症の0.2%である.2016年春までに,日本では11例のGHRH産生腫瘍に基づく先端巨大症が見つかっている.うち,7例は膵・消化管由来のNETもしくは神経内分泌癌(NEC)で,いずれも,末梢血中のGHRH高値が超高感度GHRH測定法で確認されている.発症の男女比は頭蓋外の異所性GHRH産生腫瘍に基づくものは女性に多く(約3:1),頭蓋内のものは同数である.年齢は15歳から74歳と幅広く分布し,若年者では下垂体性巨人症を来たす.
 
 異所性GHRH産生腫瘍による先端巨大症の発症あるいは診断率には地域差があるかもしれない.本邦では,北海道(人口 540万人):0名,東北圏(904万人):1名,関東圏(4,166万人):7名,中部・東海圏(1,501万人):1名,近畿圏(2,077万人):0名,中国・四国圏(1,132万人 ):0名,九州・沖縄圏(1,452万人):2名.症例数が11名と明らかに少ないため,本症の発症に地域差があるか,診断率に差があるか,現時点では不明である.一方,本邦以外のAsiaでの異所性GHRHにもとづく先端巨大症の報告は1例のみである(6th PEMA, 41歳,白人男性,BMJ case rep 2016).現時点までは本邦以外のアジア人種(中国・韓国など東アジア,インドネシアなど東南アジア)での報告はない.したがって,本疾患に対する認知度と診断技術水準(GHRH測定)はかなりの地域差があるといえる.
 
【症候】