「東京大神宮」の版間の差分
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{{神社
|名称=東京大神宮
|所在地={{color|red|〒}}102-0071<br>[[東京都]][[千代田区]][[富士見 (千代田区)|富士見]]2-4-1<ref name="三浦、上314由緒" />
| 緯度度 = 35 |緯度分 = 41|緯度秒 = 59.94
| 経度度 =139 |経度分 = 44|経度秒 = 48.73
|祭神=天照皇大神<br/>豊受大神
|社格=別表神社<ref name="白井土岐243" />
|創建=明治13年（1880年
|例祭=[[4月17日]]<ref name="三浦、上314由緒" />
|画像=[[Image:Tokyo Daijingu 2.jpg|250px|社殿]]
|地図 = Tokyo city
}}
[[Image:Tokyo Daijingu.jpg|thumb|right|200px|鳥居]]
'''東京大神宮'''（とうきょうだいじんぐう）は、[[東京都]][[千代田区]][[富士見 (千代田区)|富士見]]二丁目にある[[神社]]
== 概要 ==
'''東京大神宮'''は、東京都千代田区富士見町に位置する[[神社]]である<ref name="白井土岐243">[[#白井・土岐1979|神社辞典]]、243-244頁『東京大神宮 とうきょうだいじんぐう』</ref>。
[[1880年]]（明治13年）[[4月17日]]、[[有楽町]]の[[大隈重信]]邸跡に落成した皇大神宮遙拝殿が起源であり<ref name="白井土岐243" />、一般には「日比谷大神宮」もしくは「日比谷皇大神宮」と称された<ref name="東京名所写真、日比谷太神宮">{{Cite book|和書|author=|year=|month=|chapter=日比谷大神宮|title=東京名所写真帖|url={{NDLDC|1089370/8}}|publisher=|ref=}}コマ8『日比谷太神宮(麹町區有樂町)ＨIBIYA-ＤAIHINGU. 伊勢の宗廟を模せし大社にして嚴正を保つ爲本社にて神道に依り結婚式を擧ぐる者多し』</ref>。
明治政府の宗教政策転換により[[神宮司庁]]と[[神宮教|神宮教院]]が分離すると、後者に属していた本神社は、大神宮祠、神宮奉斎会本院と幾度か改名した<ref name="白井土岐243" /><ref name="国学院事典658">[[#国学院1994事典|神道事典(1994)]]、658頁『東京大神宮』(東京都千代田区富士見町2-4-1)〈旧称〉大神宮祠(日比谷大神宮)飯田橋大神宮』</ref>。
[[1900年]]（明治33年）5月10日、[[明治天皇]][[皇太子]]（のちの[[大正天皇]]）の結婚式が[[宮中三殿]]で行われる<ref name="三浦、上314神事">[[#三浦1977上|全国神社名鑑上]]、314-315頁『◇東京大神宮(飯田橋大神宮)/神事と芸能』</ref>。これを記念に[[結婚式|神前式結婚式]]を創始、現在に伝わる神前結婚式となった<ref name="国学院事典658" /><ref name="国学院事典295">[[#国学院1994事典|神道事典(1994)]]、295-296頁『神前結婚(しんぜんけっこん)』</ref>。
[[1923年]]（大正12年）9月1日の関東大震災で被災し、[[1928年]]（昭和3年）に現在地に移転して飯田橋大神宮と呼ばれた<ref name="国学院事典658" />。[[太平洋戦争]]集結後の[[1946年]]（昭和21年）1月、宗教法人東京大神宮に改称し、現在に至る<ref name="三浦、上314由緒" />。
== 御祭神 ==
[[天照大神|天照皇大神]]・[[豊受大神]]を主祭神と
== 歴史 ==
[[明治]]5年（[[1872年]]）に開設された神宮司庁東京出張所（[[伊勢神宮]]の事務機関である神宮司庁と、東京の教部省との連絡のための出張所）には<ref name="国学院事典658" />、
両所にあった神殿を継承して<ref name="国学院事典658" />、明治13年（[[1880年]]）[[4月17日]]、[[有楽町]]の[[大隈重信]]邸跡に落成した'''皇大神宮遙拝殿'''が当社の起源である<ref name="白井土岐243" />{{refnest|[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、16頁〔明治13年4月17日記事〕<ref group="注釈">『'''十七日'''、御殿の向ひなる教導職事務局皇大神宮にて、神殿遷宮式並に鎮座祭を行ふを以て、南長屋なる中山公憲宅二階より諸人参詣の景況を御覧あらせらる。』</ref>}}。 これは、当時の明治政府が目指していた[[祭政一致]]・[[大教宣布]]の一環として作られたものであった<ref name="白井土岐243" />。 [[4月25日]]、明宮親王（当時2歳）は[[中山忠能]]・[[中山慶子]]（明治天皇生母）・[[正親町実徳]]・[[柳原愛子]]（
なお中山忠能邸には、病弱だった明宮親王の健康を祈り、[[出雲大社]]より[[大国主]]の分霊も祀られていた<ref>[[#大正天皇物語]]コマ16-17(原本7-9頁)『出雲の大神にお祈りあそばす』</ref>。
明治15年（[[1882年]]）1月、明治政府の方針転換により神社と宗教活動は分離することとなり、伊勢神宮でも神宮司庁と神宮教院を分離することとなった<ref name="国学院事典658" /><ref>[[#平凡辞典1939二巻|神道大辞典二巻]]コマ136(原本230-231頁)『ジングーシチョー 神宮司廰』</ref>。皇大神宮遙拝殿は神宮教院に属すること
一般には、所在地名から'''日比谷大神宮'''や<ref
明治18年（1885年）3月23日、明宮親王（7歳）は有楽町の中山忠能邸から[[赤坂御用地]]青山御用邸内に新造された明宮御殿（花御殿）<ref>[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、667頁『〔3〕明宮御殿』</ref>に移転した<ref>[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、48-49頁(明治18年3月23日)『明宮御殿御帰参/進献品/拝領品/明宮御殿造営/明宮御殿の御造作』</ref>。その後も幾度か中山忠能邸を訪問したが、そのたびに日比谷皇大神宮に参拝している<ref>[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、75-76頁〔明治19年10月27日記事〕『中山忠能邸御成』</ref>{{refnest|[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、85-86頁〔明治20年1月29日記事〕『靖国神社・遊就館・偕行社御成』<ref group="注釈">『'''二十九日'''、午後零時三十分御出門、[[靖国神社]]に御参拝、尋いで[[遊就館]]にて陳列品を御巡覧、[[偕行社]]・中山忠能邸・日比谷大神宮に御立寄りあり、四時還宮あらせらる。此の後、二月二十八日・三月二十八日・七月五日・同月十八日・九月六日にも靖国神社・遊就館・偕行社に御成の事あり。就中、二月二十八日には神宮宝剣鍛錬の状を御覧あらせらる。又侯爵中山忠能邸にも屡ゝ御立寄りあり。時には[[邦芳王]]を御同伴あらせられ、邸内に於て御相手等と共に撃剣等の遊戯に興ぜらるる事あり。御立寄に当り日比谷大神宮に御参拝の事も亦尠からず。』</ref>}}。
明治32年（[[1899年]]
[[第二次世界大戦]]後の[[昭和]]21年（[[1946年]]）4月、宗教法人'''東京大神宮'''として再発足した<ref name="白井土岐243" />。
== 神前結婚式 ==
明治維新以後、日本でも[[キリスト教]]方式の結婚式が行われ、その影響により神前結婚式が行われるようになった<ref name="国学院事典295" />。だが、この動きは統一的な運動や方式ではなかった<ref name="国学院事典295" />。また明治維新以前にも武家社会や神官家での「作法」として、あるいは[[出雲大社]]方式の神前結婚式が存在したが、全国的な広がりはなかった<ref name="国学院事典295" />。
[[神宮奉斎会]]時代、教化事業として[[結婚式|神前結婚式]]の創設と普及活動を行った。新聞記者で随筆家の[[大庭柯公]]は、[[高木兼寛]]男爵（元海軍軍医）が始めたとの説を唱える{{refnest|[[#其日の話]]コマ93(原本190頁)<ref group="注釈">『さても日比谷大神宮が、結ぶの神の出店仕事を扱はれるに至つた事の次第は、當今無帽主義のプロパガンダに浮身をやつされる、高木兼寛男の創意に負ふ所が少くない。明治三十年七月に、高木男が媒酌人となつて、保科某の結婚式を日比谷大神宮の拝殿で擧げられたのが、此處での神前結婚式の始めらしい。爾来商賣大繁昌、料理屋から寫眞師までに、聯絡到らざるなき有様である。』</ref>}}。▼
[[神宮奉斎会]]時代、本神社は教化事業として[[結婚式|神前結婚式]]の創設と普及活動を行った<ref name="三浦、上314神事" />。
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明治33年（[[1900年]]）[[5月10日]]、[[明治天皇]]第三皇子の明宮嘉仁[[親王]]（後の[[大正天皇]]）と[[九条家|九條公爵家]]令嬢の九條節子（後の[[貞明皇后]]）との御結婚の儀が宮中三殿に於いて執り行われた<ref>[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、582-587頁〔明治33年5月10日記事〕『御結婚の儀を行はせらる/賢所に行啓/妃氏入宮の儀/賢所大前の儀/御告文を奉せらる/神酒御拝受の儀/皇霊殿・神殿に謁せらるるの儀/参内朝見の儀/御同列にて還啓/菊花章頸飾を賜はらせらる/供膳の儀/参内拝賀を受け給ふ/天皇饗宴を催し給ふ/三箇夜餅の儀/皇室婚嫁令の制定/当日の模様』</ref>。
皇太子夫妻は続いて伊勢・京都地方へ行啓、5月25日には[[伊勢神宮]]（[[豊受大神宮]]、[[皇大神宮]]）に参拝して御成婚を奉告した<ref>[[#T実録一|大正天皇実録第一]]、590-592頁〔明治33年5月25日記事〕『神宮・山陵親謁の為め妃と倶に行啓/山田に御箸/神宮に謁するの儀/豊受大神宮に御拝/皇大神宮に御参拝/二条離宮に御箸/山陵に謁するの儀』</ref>。
神宮奉斎会国礼修業部は嘉仁親王と節子妃の結婚の儀を基本にして神前結婚の儀式を創設し、翌明治34年（[[1901年]]）[[3月3日]]、当社において模擬結婚式を開催した<ref name="国学院事典295" /><ref name="白井土岐243" />。その後改良を加えた神前結婚式のスタイルが奉斎会各県本部・各支部によって全国に広められ、定着していった<ref name="三浦、上314神事" />。
今日「神前式」として行われている[[結婚式]]は、神宮奉斎会が創設したものが基になっている<ref name="国学院事典295" />。▼
▲今日「神前式」として行われている[[結婚式]]は、神宮奉斎会が創設したものが基になっている。
== 例祭 ==
▲なお、現在同神社での神前結婚式及び披露宴については、[[松屋 (百貨店)|松屋]]の関連会社であるアターブル松屋が運営しており、「'''東京大神宮マツヤサロン'''」の名称を用いている。
*[[4月17日]]<ref name="国学院事典658" />
== 交通 ==
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<!--ウィキペディア推奨スタイル、著者五十音順 -->
*<!-- クナイ2016-12 -->{{Cite book|和書|author=[[宮内庁]]図書寮編|coauthors=|authorlink=|year=2016|month=12|title=大正天皇実録 {{small|補訂版}} 第一 {{small|自明治十二年至明治三十三年}}|chapter=|publisher=株式会社ゆまに書房|ISBN=978-4-8433-5039-3|ref=T実録一}}
*<!-- コクガクイン1994-7 -->{{Cite book|和書|author=編者[[國學院大學|國学院大学日本文化研究所]]|coauthors=|authorlink=|year=1994|month=7|title=神道事典|chapter=|publisher=弘文堂|ISBN=4-335-16023-2|ref=国学院1994事典}}
*<!-- シライ1979-12 -->{{Cite book|和書|author=編者[[白井永二]]/[[土岐昌訓]]|coauthors=大橋信夫発行者|authorlink=|year=1979|month=12|title=神社辞典|chapter=|publisher=東京堂出版|ISBN=4-490-10123-6|ref=白井・土岐1979}}
*<!-- ミウラ1977-7上 -->{{Cite book|和書|author=[[三浦譲]]編纂発行|coauthors=|authorlink=|year=1977|month=7|title=全国神社名鑑 ＜上巻＞|chapter=|publisher=全国神社名鑑刊行会史学センター|ISBN=|ref=三浦1977上}}
*[http://dl.ndl.go.jp/ 国立国会図書館デジタルコレクション] - [[国立国会図書館]]
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**{{Cite book|和書|author=内藤彦一|year=1909|month=11|chapter=日比谷神宮儀式申込手續|pages=34-37|title=お嫁入支度案内|url={{NDLDC|902328/34}}|publisher=松屋呉服店|ref=嫁入支度}}
**{{Cite book|和書|author=水谷次郎|editor=|year=1927|month=2|title=大正天皇物語|chapter=出雲の大神にお祈りあそばす|publisher=日本書院出版部|url={{NDLDC|1719560/16}}|ref=大正天皇物語}}
**{{Citation |和書|author=|editor=平凡社|year=1939|month=6|title=神道大辞典 第二巻|chapter=|publisher=平凡社|url={{NDLDC|1913348}}|ref=平凡辞典1939二巻}}
== 外部リンク ==
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