「ディラック定数」の版間の差分
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|語源=[[マックス・プランク]]<br />[[ポール・ディラック]]
}}
'''換算プランク定数'''(かんさんプランクていすう、{{lang-en-short|reduced Planck constant}})またはまれに'''ディラック定数'''(ディラックていすう、{{lang-en-short|Dirac's constant}}){{math|{{hbar}}}} は、[[プランク定数]] {{mvar|h}} を {{math|2''π''}} で割った値を持つ定数である。その値は
である(2014[[科学技術データ委員会|CODATA]]推奨値<ref>[[#hbar|CODATA Value]]</ref><ref>[[#hbarev|CODATA Value]]</ref>)。{{math|{{hbar}}}} は「エイチ・バー」と読む。
== 物理的意義 ==
物理的には、プランク定数が[[周波数]] {{mvar|ν}} と[[エネルギー]] {{mvar|E}} の間の比例定数を意味するのに対して、換算プランク定数は[[角周波数]] {{mvar|ω}} とエネルギー {{mvar|E}} の間の比例定数を意味する。すなわち、
の関係が成り立っている。また、以下のように[[運動量]] {{mvar|p}} と[[波数|角波数]] {{mvar|k}} の間の比例定数と見ることもできる。
=== 角運動量 ===
[[電子]]の[[軌道角運動量]] {{Mvar|'''L'''}} の大きさ {{Math|{{!}}'''''L'''''{{!}}}} と {{Mvar|z}} 成分 {{Mvar|L{{Sub|z}}}} は
&L_z=m\hbar\end{align}</math>
と表され{{R|butsuri|page1=138,334頁|kagaku}}、ディラック定数を基本単位としていることが分かる。ここで、{{Mvar|n}} を[[量子数|主量子数]]とすると、{{Mvar|l}} は {{Math|''l'' {{=}} 0, 1, 2, 3, ⋯, ''n'' − 1}} までの値を取る方位量子数{{R|butsuri|page1=335頁|kagaku}}<ref>{{Kotobank|方位量子数|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}</ref>、{{Mvar|m}} は {{Math|''m'' {{=}} 0, ±1, ±2, ⋯, ±''l''}} の {{Math|(2''l'' + 1)}} 個の値を取る磁気量子数で{{R|butsuri|page1=138頁|kagaku}}<ref>{{Kotobank|磁気量子数|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}</ref>、軌道角運動量を[[極座標系|極座標]] {{Math|(''r'', ''θ'', ''φ'')}} で表わした場合の[[角]]部分が {{Mvar|l}}、[[半径|動径]]部分が {{Mvar|m}} である{{R|kagaku}}。また、[[電子]]の[[スピン角運動量]]は {{math|±{{Sfrac|1|2}}{{hbar}}}} で<ref>{{Kotobank|スピン量子数|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}</ref>、[[量子力学]]の分野では[[プランク単位系]]を用いることが多く、その場合の電子のスピンは {{math|±{{sfrac|1|2}}}} と書き、この {{math|±{{sfrac|1|2}}}} をスピン量子数と呼ぶ。
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=== 不確定性原理 ===
[[量子力学]]によって記述されるような[[物理現象]]の[[観測]]においては、[[不確定性原理]]によって[[位置]]の[[不確かさ (測定)|不確かさ]] {{Math|Δ''x''}} と[[運動量]]の不確かさ {{Math|Δ''p''}} の積 {{Math|Δ''x''⋅Δ''p''}}、あるいはエネルギーの不確かさ {{Math|Δ''E''}} と[[時間]]の不確かさ {{Math|Δ''t''}} の積 {{Math|Δ''E''⋅Δ''t''}} は、{{Math|{{Sfrac|{{hbar}}|2}}}} より小さくなることはないとして
&\Delta E\cdot\Delta t\ge\frac{\hbar}{2}\end{align}</math>
と表される{{R|butsuri|page1=303頁}}<ref>{{Kotobank|不確定性原理|2=日本大百科全書(ニッポニカ)}}</ref>。
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