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G/C含量が増えるたびに、また溶液のイオン強度が強くなるたびに、変性にかかる時間は増加する。溶液のイオン濃度(他に温度、pHなども)を一定に保てばこの時間は塩基組成に依存するので、測定により、その螺旋構造の安定性を定量化することができる。安定性の指標として主に、温度、pH、塩基組成からの計算などがあり、それぞれ、'''T<sub>m</sub>'''、'''pH<sub>m</sub>'''、<math>- \Delta G_{37}^\circ</math>と表す。以下にそれぞれの詳細を記述する。
 
====T<sub>m</sub>の値<ref>N. K. カチェトコフ/E. I. ブドフスキー 編、橋爪たけし 監訳「核酸の有機化学 上」 1974年 講談社出版</ref>====
====T<sub>m</sub>の値====
<ref>N. K. カチェトコフ/E. I. ブドフスキー 編、橋爪たけし 監訳「核酸の有機化学 上」 1974年 講談社出版</ref>
 
'''融解温度'''という。螺旋分子溶液を徐々に加熱すると、そのポリヌクレオチドに特異的な一定の温度範囲内で、その溶液の性質が急変する。温度の増加に伴う種種の性質の変化は螺旋構造の崩壊の進行に比例する。加熱前の螺旋分子の温度と、変性完了の瞬間の温度の、中間の温度が融解温度なのである。熱変性には[[旋光度]]や[[粘度]]の減少、[[沈降定数]]の増大などを伴うが、この遷移の経過の検出に最も広く用いられる変化は[[吸光度]]の増加である。そこで、吸光度の観測実験を例に取り上げ、T<sub>m</sub>の具体的な説明をする。