削除された内容 追加された内容
Moon.rise (会話 | 投稿記録)
Moon.rise (会話 | 投稿記録)
1行目:
{{Otheruses}}
{{Redirect|魔力}}
'''魔術'''(まじゅつ)とは、現実世界にはまだ解明されていない法則があると信じて、その法則を利用して現実を変えるため、あるいは神託を得るために、特定の行動を行なうことである。
 
日本に魔術という概念が入ってきたのは明治の頃、{{lang-en-short|''magic''}}、{{lang-fr-short|''magie''}}、{{lang-de-short|''Magie''}} などの訳として入ってきた。英語のマジックは奇術の意味も持つ。
新約聖書でパウロは魔術・呪術を悪だとしている。
35 ⟶ 33行目:
 
=== 近代の魔術復興運動 ===
{{main|近代魔術|神秘学}}
現代の英米を中心に行われている儀式魔術は、[[黄金の夜明け団]]とその後継団体による19世紀末から20世紀前半にかけての儀式魔術復興運動を主要な起源とする。[[アレイスター・クロウリー]]は「魔術とは意志に応じて変化を生ぜしめる学にして術である」({{Lang|en|''Magick is the Science and Art of causing Change to occur in conformity with Will''}})と定義した<ref>[http://www.hermetic.com/crowley/aba/defs.html Crowley, Aleister. ''Book 4'', Part 3, Definition and Theorems of Magick .]</ref>。クロウリーは自分の提唱する魔術を旧来の魔術の洗練されていない部分から区別するために<ref>アレイスター・クロウリー 『神秘主義と魔術』 島弘之訳、国書刊行会、[[1986年]](昭和61年)、フランシス・キング 「日本語版著作集への序」。</ref> {{Lang|en|''Magick''}} という英語の古い綴り<ref>たとえば、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲の現行版は綴りがモダナイズされているが、17世紀に出版された[[初期近代英語]]の[[ファースト・フォリオ]]には {{Lang|en|magick}} という綴りがみられる。</ref>を用い、自分の魔術体系の独自性を強調した<ref>フランシス・キング 『アレイスター・クロウリーの魔術世界』 山岸映自訳、国書刊行会、[[1987年]](昭和62年)。</ref>。以降、この {{Lang|en|Magick}} という言葉はアレイスター・クロウリーの影響下にある魔術の流儀を示す用語として使われ、その意味において日本ではマギックと表記されることもある。が、近年の北米などでは、単に現代[[神秘学|オカルティズム]]としての魔術全般を[[奇術]](ステージマジック)から区別するために {{Lang|en|magick}} と表記することも多い。<!--それによれば魔術とは、本来そこに存在しない"もの"(あるいは"状態")を自らの意思で生み出すための術(すべ)である。その世界に固有の基本法則を、自らの意思で書き換え、具現化させるものと考えられてきたといえる。人間の[[無意識]]領域は言語によって到達することができない。そのため、魔術ではこの領域に到達するために多くの[[象徴]]体系が用いられる。本来そこに存在しないはずの力を用いるという点では、[[超能力]]と近いところもあるが、この象徴概念のあるなしで明白に区別される。魔術的体系として研究されたもののうち、解明され実現がかなったものは科学の一部となり、[[ゲオルク・カントール]]の[[集合論]]や[[ジークムント・フロイト]]の[[精神分析学]]にも多大な影響を与えた{{要出典}}。-->
 
42 ⟶ 40行目:
== オカルトの魔術論 ==
魔術は[[白魔術]]と[[黒魔術]]という二つに大分類されているが、この分類は便宜的なものであり、統一見解とはいえない。
 
一方、魔術に似た概念として[[文化人類学]]などで呪術が定義されている。この呪術は未開文化の調査より見出され、定義された[[概念]]である。こうした未開文化由来の背景を持つゆえに、呪術は魔術よりも広範で原始的であると共に、洗練されておらず、いわば土着的なイメージを伴う。そこで、文化圏を問わない魔術的だと思われる内容は「呪術的」と荒くひとくくりにされることが一般的である。というのも、呪術は改定の余地を残しつつも学問的に定義されているが、魔術はほとんど注目されず、触れられず、また定義されていない。加えて、魔術の実践者と自称する人々がごく個人的な考えで、他の事例・用法との詳細な比較検討及び摺り合わせがない実践上の定義を行っているので、互いに整合しない内容が乱立している。学問的な知識集積方法の欠如と、一般用法の混乱という二つの要因により、魔術を語るときにその意味を確定できるような信頼できる情報源はない。この複雑な状況を睥睨できる目端の効く人々は、魔術という語を説明できないために自ら用いることを避ける。誰かが断定的に魔術を述べるとき、多くの場合は誤解に基づいた不完全な理解が行われている。
 
日本では古くから[[神道]]と共に[[陰陽]]という概念が取り入れられ、[[風水]]や[[祈り|祈祷]]によって現状の改変を計るという呪術は存在しており、[[祈祷師]]や[[霊媒|霊媒師]]などを生業とする専門家も存在するが、「魔術」という語が使用される場合は、特に西洋の古典魔術や儀式魔術などを指すことが一般的であり、風水などを指して呼称することは稀である。
57 ⟶ 53行目:
 
英語の {{lang|en|magic}} という語彙は[[中英語]]の magik として14世紀に登場した。これは、マゴスより派生した形容詞マギコス({{lang|grc|μαγικος}})がラテン語形 {{lang|la|magicus}} を経て古{{lang-fr|magique}} となり、中世[[イングランド]]の言語に取り入れられて名詞化したものである。
 
=== 奇術と魔術 ===
魔術は不思議なものとして認知されている。奇術を行う際には、行われるものがタネも仕掛けもある奇術であるというよりも、不思議な魔術であると喧伝された。大仰な身振りと魔術という触れ込みで奇跡めいた見世物を披露されることが多くなり、世間で奇術が「魔術」と呼ばれることが定着した。
 
近代になり、一般的に[[オカルト|オカルティック]]な奇跡の技という魔術の意味が縁遠くなったことも、魔術と奇術の混同の一因と見られる。[[奇術]]師が[[魔法使い]]と呼ばれるよりも、[[魔術師]]と呼ばれることが多いのはこのためである。
 
== 人類学の呪術論 ==
97 ⟶ 88行目:
呪術には特定の呪術[[道具]]があり、[[狩猟具]]や[[漁具]]を使用する場合もある。[[ギリシア文明]]や日本、[[東南アジア]]などでは[[弓矢]]が、[[神聖]]なものとされ、[[神]]や神の力が宿ると考えられ、呪術の道具として使用された。[[狩猟民族]]の社会において弓矢は世界的に普遍的な、呪術の道具であったと考えられている。これは、弓矢が敵対する社会集団との[[戦い]]に用いられたことも大きく起因する。
 
また弓矢はその後、[[弦楽器]]の多くの起源となり、[[音楽]]や[[楽器]]に呪術的側面を持たせることにつながった{{要出典|date=2010年1月}}
 
日本においては漁具の[[釣針]]や[[銛]]、弓矢の[[矢]]も「サチ」とよばれる[[マナ]]であるとされ、サツヤ(獲矢と書かれる)とよばれて信仰され、後、銃による狩猟が出て後も、獲物に当たった弾丸を鋳直して持つ「シャチダマ」という習慣があった。
108 ⟶ 99行目:
[[東洋医学]]における[[漢方薬]]、[[灸]]、[[針]]なども近代科学とは別の由来を持つという意味では同様の事例である。東洋医学においては歴史的に蓄積されてきた薬草の知識や[[陰陽五行]]などの思想体系が背景にある<ref>これら[[東洋医学]]の知識体系は、[[カイロプラクティック]]など西欧化されたものもある。</ref>。
 
また、[[心理学]]的な作用が結果として効果を発揮していると見られるケースや、行為者が意識的に'''心理効果'''を狙っているケースもある。暗示や[[催眠]]によるものなどである。このような心理効果の活用例には「[[偽薬|プラセボ]]」と呼ばれる薬を用いた治療方法が挙げられる<ref>現代の西洋医学の医師が患者にプラセボを処方した時は、それは医師の"技術"のひとつと呼ばれ、医師の"呪術"と呼んでは不適切なように、発展途上国のヒーラーが医薬品が無い中で善意からプラセボを住民に処方しているのを"呪術"と決め付けることもまたあまり適切ではないであろう{{要出典|date=2010年1月}}。</ref>。
 
=== 占いと祈祷===
114 ⟶ 105行目:
 
=== 呪術と社会 ===
その発祥の原因として、集団としての人々の暮らしの中で、諍いや一年をどう過ごすかまたは、どうなるのかといった社会や個人の不満や不安であり、その緩衝としてシャーマンが存在する。具体的には[[寺社]]が地域社会の中心であったように、現在のヨーロッパの集落のほとんどが、[[教会]]を中心とした街づくりになっており、これは呪術を行うシャーマンが集落の中心にあった名残と考えられる{{要出典|date=2010年1月}}
 
個人間や家族間の諍いとして処罰や依頼によりのろい(呪い)をかけたとしても[[実害]]はなく[[心理]]的な[[抑制]]効果でしかなく、また[[成人]]の[[通過儀礼]]などの呪術も子供から大人への決意を促す効果をもたらすものである。このように呪術は、[[裁判制度]]や[[法]]がない時代や地域の[[人治]]としての[[権威]]であり[[脅威]]としての力であったと考えられる。また個人の不安や不幸を取り除く、静めることも集団社会には必要であり、そのままにすれば、妬みや嫉みなど、反社会行為に発展しかねない、実際には効果がなくとも、[[祓い]]を行い不安を取り除けば、相互扶助の関係の中で、不利益より益になると考えられる。
201 ⟶ 192行目:
* [[魔法戦隊マジレンジャー]]
* [[仮面ライダーウィザード]]
 
=== 奇術と魔===
魔術は不思議なものとして認知されている。奇術を行う際には、行われるものがタネも仕掛けもある奇術であるというよりも、不思議な魔術であると喧伝された。大仰な身振りと魔術という触れ込みで奇跡めいた見世物を披露されることが多くなり、世間で奇術が「魔術」と呼ばれることが定着した。
 
近代になり、一般的に[[オカルト|オカルティック]]な奇跡の技という魔術の意味が縁遠くなったことも、魔術と奇術の混同の一因と見られる。[[奇術]]師が[[魔法使い]]と呼ばれるよりも、[[魔術師]]と呼ばれることが多いのはこのためである。
 
== 言葉の定義 ==