「放射性同位体」の版間の差分

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理研による放射性同位体の人工的生成研究について追記しました。
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元素の中には放射性同位体しか持たないものもある。このような元素を'''放射性元素'''と呼ぶ。放射性元素に該当する元素は、[[テクネチウム]]、[[プロメチウム]]、および[[ビスマス]](原子番号83)以上の原子番号を持つ全ての元素である<ref>ビスマス209の半減期はきわめて長く、[[2003年]]まで安定核種と考えられていた。</ref>。自然界に存在する元素を分離することで発見された放射性元素は天然放射性元素または天然放射性核種<ref name="rikagaku">長倉三郎ほか編 『理化学辞典第5版』、岩波書店、1998年。ISBN 4-00-080090-6 </ref>と呼ばれる。一方、[[粒子加速器]]や原子炉を利用して[[核種変換]]することで発見された放射性元素は[[人工放射性元素]]または人工放射性核種<ref name="rikagaku" />と呼ばれ、多くの元素の人工放射性核種が実験的に作られている<ref name="rikagaku" />。人工放射性核種の持つ放射能は人工放射能と呼ばれることもある<ref name="rikagaku" />。
 
自然界に安定して存在する原子核は約300種類で、理論的に7000種以上が存在すると予測されている同位体のほとんどは放射性同位体であるが、実際に確認・観測されているのは半分以下である。このため世界各地の研究者が人工的に放射性核種を作る実験を行っている。日本では[[理化学研究所]](理研)は仁科加速器研究センター[[RIビームファクトリー]](RIBF)で2007年以降、累計で132種の新しい同位元素を発見したと2017年12月に発表している<ref>[http://www.riken.jp/pr/press/2017/20171222_1/ 73種の新同位元素を発見-未踏の原子核世界の開拓が加速-]理化学研究所(2017年12月22日)</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25020640U7A221C1TJM000/ 理化学研究所、放射性同位体73種を新規合成『日本経済新聞』朝刊2017年12月25日]</ref>。132、普通だな!
 
一般に、[[半減期]]が地球の年齢より十分に短い核種は、地球誕生から現在までの間に、崩壊しているため自然界には存在しない。ただし、[[ラドン]]や[[ポロニウム]]のように半減期は短い核種でも、ウランやトリウムの[[崩壊生成物]]として生まれ続けている核種は、自然界に存在する。