「キャブレター」の版間の差分

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[[File:Carburador biz.JPG|thumb|ケイヒン製ピストンバルブ型キャブレター]]
[[File:Keihin_39mm_flat_slide_carbs.jpg|thumb|強制開閉式の一例、ケイヒン・FCRスライドバルブキャブレター]]
; 固定ベンチュリ
: スロットル操作によらずベンチュリの開口面積が常に一定の方式である。
: 自動車用としては高性能エンジン用の[[ウェーバー (企業)|ウェーバー]]や[[ソレックス]]をはじめ、多くの[[アメリカ車]]と[[日本車]]の一部のダウンドラフトキャブレターにみられる。今日ではこのタイプのキャブレターを製造するメーカーは少なくなっているが、日本国内では[[オーイーアール]](OER)が旧式のソレックスなどの更新向けにこのタイプのキャブレターの製造販売を続けている。[[オートバイ]]においては、[[ハーレーダビッドソン]]が[[1989年]]までこの形式のキャブレターを使用し続けていた。また、戦前から戦後間もなくにかけて使用されたリンカート(Linkart)キャブレターは、日本製の[[陸王 (オートバイ)|陸王]]でも日本気化器のライセンス生産品が搭載されていた。しかし、陸王が倒産した[[1960年代]]からは、日本製オートバイではこの形式のキャブレターが採用されることはなくなった。
; 可変ベンチュリ
{{main|[[:en:SU carburetter]]}}
: ベンチュリの開口面積をで変化させる方式で、エンジン回転の全域にわたって適切な吸気流速が得られる。今日まで残るものではCVVM型とVMCV型の2方式に大別される。
: 自動車においては、[[日立製作所|日立]]、ゼニス・ストロンバーグを始めとするサイドドラフト・[[スキナーズ・ユニオン|SUキャブレター]]が最も一般的に使用された。
 
; 負圧型
; ピストンバルブ式(VM
: CV(Constant Velocity または Constant Vacuum)型では、アクセルワイヤーは空気の流量を調整するバタフライバルブのみを操作する。ベンチュリはバキュームピストンの動きによって開口面積が変化し、その下端には穴が開けられている。バキュームピストンには[[ダイアフラム]]式では膜が付いており、膜の片側には吸気管に生じる負圧がかかり、反対側は大気に開放されている。バキュームピストンはバネで支持され、バネの力と負圧のバランスでベンチュリの開口面積が流量に応じて自動的に決まり、流量が変わらなければ流速がほぼ一定になるように自動調節される。吸入負圧の小さな[[2ストローク機関|2ストロークエンジン]]には適さない。ベンチュリの開口面積はスロットル操作に直接的に影響を受けないため、エンジン出力のスロットルに対するレスポンスはほかの方式よりも緩やかである。
: VM (Villiers Monoblock または Variable Manifold) 、スロットルによって直接的に ピストン型のバルブがスロットルバルブを操作する方式である。となり、空気の流量調整と同時にベンチュリの開口面積を変化させるので鋭いエンジンレスポンスが得られる一方、エンジンが求める混合気吸入量を超えてスロットルバルブを開けると空気の流速が低下してジェットからの燃料吐出量が少なくなる。このため、運転者の技能によって大きくエンジン性能が左右される。スロットルバルブの形状を表して'''ピストンバルブ式'''とも呼びなおVM型においてはスロットルバルブをピストンバルブと呼ぶことが多い。可変ベンチュリー式においてピストンバルブが自動開閉する負圧式に対して、これを直接操作するVM型(ピストンバルブ式を'''強制開閉式'''と通称する事が一般的となっているが、本来の強制開閉式オートバイにおいてスロットルグリップの開き側だけでなく、閉じ側に別々のケーブルを用いてキャブレターを操作する構造で引く2本引きスロットルであり、キャブレター自体の本質構造を指す用語ではない。むしろ負圧型に対式で一般的である。しかて多く用いられたキャブレター操作方式なのだが、現在ではキャピストンバルレター構造自体の一種を指す用語として定義通称されることが多い
: 過渡特性が操縦性に大きく影響するオートバイにおいては、インジェクションが普及するまでは2ストローク車、競技用車、および日本独自の車両区分である原付を除けば一般的な存在であった。
 
; ピストンバルブ型
; 負圧式(CV
: VM (Villiers Monoblock または Variable Manifold) 型は、スロットルによって直接的にピストン型のスロットルバルブを操作する方式である。空気の流量調整と同時にベンチュリの開口面積を変化させるので鋭いエンジンレスポンスが得られる一方、エンジンが求める混合気吸入量を超えてスロットルバルブを開けると空気の流速が低下してジェットからの燃料吐出量が少なくなる。このため、運転者の技能によって大きくエンジン性能が左右される。スロットルバルブの形状を表して'''ピストンバルブ式'''とも呼び、VM型においてはスロットルバルブをピストンバルブと呼ぶことが多い。可変ベンチュリー式においてピストンバルブが自動開閉する負圧式に対して、これを直接操作するVM型(ピストンバルブ式)を'''強制開閉式'''と通称する(本来はオートバイにおいてスロットルグリップの開き側と閉じ側に別々のケーブルを用いてキャブレターを操作する構造の意であり、キャブレター自体の本質構造を指す用語ではない。むしろ負圧型に対して多く用いられたキャブレター操作方式なのだが、現在ではキャブレター構造自体の一種を指す用語として定義通称されることが多い)。
: CV(Constant Velocity または Constant Vacuum)型では、アクセスロットワイヤー固定ベンチュリー式と同じく、空気の流量を調整するバタフライバルブのみを操作する。ベンチュリはバキュームピストンの動きによって開口面積が自動的に変化し、その下端には穴が開けられている。バキュームピストンには[[ダイアフラム]]式では膜が付いており、膜の片側には吸気管に生じる負圧がかかり、反対側は大気に開放されている。バキュームピストンはバネで支持され、バネの力と負圧のバランスでベンチュリの開口面積が流量に応じて自動的に決まり、流量が変わらなければ流速がほぼ一定になるように自動調節される。吸入負圧の小さな[[2ストローク機関|2ストロークエンジン]]には適さない。ベンチュリの開口面積はスロットル操作に直接的に影響を受けないため、エンジン出力のスロットルに対するレスポンスはほかの方式よりも緩やかである。
: 過渡特性が操縦性に大きく影響するオートバイにおいては、インジェクションが普及するまでは2ストローク車、競技用車、および日本独自の車両区分である原付など小排気量車を除けば一般的な存在であった。
 
; その他
: 上記の2形式に該当しない物として、[[フォード・モーター|フォード]]の開発したVV(Variable Venturi)型が挙げられる。この形式は固定ベンチュリ型ダウンドラフトキャブレターをベースに、スロットルポジションセンサーでスロットルバルブの開度を監視しながら、メータリングロッドの付いた可動式ベンチュリを[[サーボ]]モーターで動かしてベンチュリ径を常時変化させていく。<ref>[http://www.walkerproducts.com/_pdf/ford2barrel.pdf Ford Motercraft 2バレルキャブレターのパーツリスト]</ref>。「MOTORCRAFT.VV」の商品名で知られ、[[1977年]]から[[1991年]]まで、主に[[ピックアップ]]や大型[[貨物自動車|トラック]]を中心に搭載された。ステージド・マルチバレルキャブレターが主流であった[[アメリカ合衆国|アメリカ]]でもフォードの一部車種のみの採用で終わった。