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2006年7月19日 (水) 02:31時点における版

玉虫色とは、光の干渉によって起こる金緑から金紫の色調変化をする染色や織色をさす。

また特定の色彩名を当てられないことから、どちらつかずの状態のことを慣用句的に「玉虫色の~」と呼ぶことがある。

色ではない色

玉虫(ヤマトタマムシ)の翅は、一見したところ緑色に見えるが光を当てる角度によって色彩が変化する。 これは、タマムシの翅がもつ本来の色素の色が変化しているのではなくて、特定の波長の光同士が互いに強まったり、弱まったりすることで目に見える色が変化したものである。

したがって、玉虫色は赤や青のように特定の色彩をさすものではなくて、刻々と変化していく色調をすべて含んだ色でなくてはならない。

法隆寺所蔵の玉虫厨子のように、タマムシ科の甲虫の羽は堅牢で色彩(干渉色)が美しいので、古くから調度品の装飾に使われていたがその翅の色は先述したとおり簡単に再現できるものではなかった。 それでも、緑と紫の絹糸をそれぞれ縦糸と横糸に使って見る角度によって違う色が浮かび上がるような工夫で再現に挑んだ記録もある。