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S-alfeyev (会話 | 投稿記録)
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== 発達史 ==
軍隊の形態は、その時代と国によって細部が異なるために一概には言えないが、ここでは西欧と日本における軍隊の発達史を概観する。
 
=== 前近代の軍隊 ===
原始社会においては、集落における[[男性]]が戦闘員の役割をも担っていたが、今日のような常備軍や職業軍ではなかった。古代において、人口の増加と共に国家体制が組織化または階級化されていき、それに従って軍隊組織の合理化が進んだ。[[古代ギリシャ]]においては市民には[[兵役]]が課せられており、例えば[[スパルタ]]においては、20歳から60歳の男性市民は軍事教練を受け、都市の防衛力の維持に努めていた。同時に古来より職業的な戦闘技術を習得した[[傭兵]]も登場しており、エジプト等の諸地域で活躍している。
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=== 近代化の思想 ===
[[近代]]に入ると軍隊はより効率的な組織運営が求められ、指揮官は貴族など身分によるものではなく専門教育を受けた[[士官]]が任命され、命令系統は[[上意下達]]により一本化されるようになった。
近代的な軍事制度の先駆者としては、『[[君主論]]』を執筆した[[ニッコロ・マキャヴェッリ|マキャヴェリ]]や[[三兵戦術]]の創始者でもある[[グスタフ2世アドルフ (スウェーデン王)|グスタフ2世]]を挙げることができる。
 
近代的な軍事制度の先駆者としては、『[[君主論]]』を執筆した[[ニッコロ・マキャヴェッリ|マキャヴェリ]]や[[三兵戦術]]の創始者でもある[[グスタフ2世アドルフ (スウェーデン王)|グスタフ2世]]を挙げることができる。グスタフ2世は、それまで曖昧であった階級や編制を整理して[[スウェーデン軍]]の制度を大きく改革した。それまでの民間からの技術者を正式に兵員として組織して砲兵を兵科として創設し、現在でも広く用いられている[[大佐]]、[[中尉]]、[[軍曹]]等という[[軍隊における階級呼称一覧|軍隊における階級]]が整理され、4個中隊から成る大隊を基本的な戦闘単位とし、3個大隊から一個旅団を編制し、この旅団編制を恒常化した。[[旅団]]または[[連隊]]の[[指揮官]]は大佐、[[大隊]]は[[中佐]]、[[中隊]]は[[大尉]]、小隊長は中尉や[[少尉]]を充てて制度化し、ヨーロッパ諸国と近代的な軍隊の標準として受け入れられていった。
 
マキャヴェリは、それまで傭兵団に依存していた[[イタリア]]の軍事力を批判して、市民から構成される[[常備軍]]の必要性を主張し、彼の軍事力を重要視する[[現実主義]]の政治哲学と共に、この考え方は広くヨーロッパに普及した。また、軍事教練を段階的に実施して、部隊の錬度を高める教育法を論じた。
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=== 現代の軍隊 ===
第一次世界大戦から使用されてきた[[航空機]]は、改良が重ねられて大きな軍事力の一角となったために、独立した[[空軍]]が創設され、さらに[[核兵器]]や[[ミサイル]]などの新しい軍事技術をも管理する組織になった。また冷戦後において各国旧来の軍隊はその兵器や技能などの「質」を高めることで、[[財政]]的に大きな圧迫となるその大きな人員などの「量」を最小化する方向で変化が想定している。まこれま国家同士の大規模な戦闘、ゲリラ、テロ、[[コマンド部隊]]による攻撃などの新しい脅威に対抗すること求められており軍隊のコンパクト化や柔軟化によって合理化を進めようとしている。
 
民主国家では軍隊も予算に縛られており、兵器や技能などの「質」を高めることで人件費を減らす、分化された兵科の整理や陸海空を統合的に運用する[[統合軍]]などによりコンパクト化を進めている。
 
=== 日本における発達史 ===