「ヤマハ・DXシリーズ」の版間の差分

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1998629ta (会話 | 投稿記録)
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: 本モデルの成功は同業の他社メーカーを刺激し、結果としてデジタルシンセサイザーを急激に一般化させた。このことは低価格帯の電子楽器市場の活性化につながり、後の日本のバンドブームの礎となったことを始め、MIDI接続による電子楽器の使い方やパソコンとの応用の一般化、さらには現在にも続く音楽制作のありかたへの重大なトピックであったことも功績に数えられる。他にも前述のようなROMカートリッジ音源に代表される、「音色が商品になり得る」という概念を作り上げたのも本機の功績のひとつである。
; DX9
: [[1983年]]5月発売。同時発売されたDX7の[[廉価版]]。筐体が共通ながらイニシャルタッチを省略し、オペレーター部が6から4に減らされたが、エンベロープは6オペレーターモデル同様の方式で設定可能だった。上位機DX7のコストパフォーマンスの良さから、価格差がわずか6万円の18万8千円という価格設定が災いし、DX7ほどの人気は得られなかった。4オペーターモデルがらできたレアモデル。
; DX1
: [[1983年]]12月発売。DX7の音源を2系統装備し、73鍵木製鍵盤を装備した機種。任意の鍵盤で音色を左右に分割(16音+16音)する「スプリットモード」、2種類の音を重ねる「デュアルモード」(16音×2)を装備。後述のDX5と共に、DX7とは音量を操作するアナログ系のパーツに違いを持っており、プロミュージシャンが「DX7とは音が違う」と評価することも多かった。最終的には他のDXシリーズより生産数が少なく、DX7ほどの使用と人気は得られなかった。
; DX5
: [[1985年]]発売。DX7の音源(6オペレーター・32アルゴリズム)を2系統にし、鍵盤数を61鍵から76鍵にした機種。64ボイスメモリー・64パフォーマンスメモリーを内蔵。機能的には上記のDX1の後継機種といえる。価格はDX1の3分の1に抑えられていた。
; DX21
: [[1985年]]発売。当時のアマチュア向けキーボードのプライスゾーンであった13万円台のモデル。4オペレーター・8アルゴリズム×2、8音ポリフォニック、61鍵。「スプリットモード」(4音+4音)、「デュアルモード」(4音×2)を装備。プリセット128音色、ユーザ32音色、パフォーマンスメモリー×32。DXシリーズの中でアナログコーラスエフェクトが搭載されているのは同機とDX27Sのみである。
; DX27
: [[1985年]]12月1日発売。DX21から「スプリットモード」「デュアルモード」を省略したモデルである。プリセット192音色、ユーザー24音色。DX100のメイン基板はDX27と共通である。
; DX27S
: [[1986年]]発売。DX27のスピーカー内蔵モデル。ラインアウトがステレオ仕様になっているほか、スピーカー・ラインアウトといった音声出力先を切り替えることができる。DXシリーズの中でアナログコーラスエフェクトが搭載されているのはDX21とDX27Sのみである。
; DX100
: [[1985年]]12月1日発売。DX27のミニ鍵盤49鍵モデル。ステレオスピーカーが内蔵でもあり乾電池による駆動にも対応していたため、ショルダーキーボードとしての利用者も多くいた。DX100のメイン基板はDX27と共通である。
; DX7II-FD
: [[1986年]]10月に発売。世界のトップステージでの使用率1位の実績、「歴史的」「世界的」に名機である初代のDX7のFM音源を2系統にし、デュアルモードやスプリットモードで演奏可能な機種。61鍵。ユニゾンでの太い音は、モジュール版といわれる[[ヤマハ・TXシリーズ|TX802]]では出せない音である。初代DX7と同価格帯(この20万円台中盤 - 後半の価格は、初代DX7の登場によりプロ・アマ共用シンセのプライスゾーンとなっていた)で発売されたが、音源部の進化と共に、ボディが金属製から樹脂を多く使用した設計に変わり軽量化されていることやフロッピーディスクドライブ(3.5インチの2DDフロッピーディスク)を実装し、MDR機能も内蔵。MIDI機能の充実、音色毎のファンクション設定のメモリー、バックライトの搭載や表示文字数の増加といった液晶表示部の拡張など、大幅な進化をとげている。音色を決定するパラメーターは初代DX7を代表とする6オペレーター・32アルゴリズムFM音源とアッパーコンパチブルとなっている。DX7と同じ人気は得られたが、使用部品の違いから、入力項目としてのパラメーターに互換性があるといっても発音される音が全く同じとは限らず、このことからDX7の後継機種としてのDX7II(その後のSYシリーズなども含む)は単純な代替とはならずそれぞれが共存してゆく結果となった。これは工業製品のカテゴリーが数ある中でも「楽器」独特の事情といえる。なお、本機及び後述のDX7II-Dで作成した音色データの保存には専用RAMカートリッジ(RAM4)を使用し、RAM1やDX7専用ROMカートリッジを使用するにはアダプタ(ADP1)が必要となる。また、RAM4や専用ROMカートリッジの形状はV2専用ROMカートリッジと同一であるが、フォーマットが異なるため、V2専用ROMカートリッジは使用できない。RAM4では、データの保持に内蔵リチウム電池を使用する。:[[ファイル:DX7II-D.jpg|thumb|DX7II-D]]
; DX7II-D
: [[1986年]]10月に発売。DX7II-FDからフロッピーディスクドライブが省略された廉価版。
:[[ファイル:Yamaha-DX7s.jpg|thumb|DX7S]]
; DX7S
: [[1987年]]6月発売。DX7II-Dの廉価版。デュアルモードを省略したモデルであり、実質的には初代DX7と同等の音源を持つ。ラインアウトはモノラル仕様。ファクトリーリセットには付属のROMカートリッジ又はMIDI経由でファクトリープリセットを読み込ませる必要がある。RAMカートリッジは上記DX7II-D/FDと同様、RAM4を用い、RAM1やDX7専用Voice ROMを使用するにはADP1が必要となる。
; DX7II Centennial
: [[1987年]]発売。DX7II-FDの76鍵版。IIを省略して'''DX7 Centennial'''とも呼ばれる。ヤマハ創業100周年記念モデルとして、発売されたモデル。鍵盤の右端上に、「''Limited Centennial Edition 1887〜1987''」と表記されている。機能的には前述のDX1、DX5の直系の後継機種であるがDX7ほどの使用と人気は得られなかった。
; DX11
: [[ヤマハ・Vシリーズ|V2]]の海外仕向け版。[[ヤマハ・TXシリーズ|TX81Z]]のキーボードタイプ。
; DX200
: [[2001年]]発売。DXシリーズ唯一のモジュール版。LOOP FACTORYシリーズの1つである。[[Modular Synthesis Plug-in System|PLG150-DX]]同等の音源部を持つ。FM音源部6オペレーター・32アルゴリズム、16音ポリフォニック。16ステップシーケンサーや「フリーEG」機能を搭載している。リズムセクションはPCM音源。PC向けソフトウェア『DX200 Editor』が付属している。
; reface DX
: 2015年発売。4オペレーター、8音ポリフォニック、12アルゴリズム32ボイス。HQ(High Quality)MINI鍵盤が採用されておりイニシャルタッチも搭載されている。最大の特徴としては4つオペレーター個々に対してフィードバックが搭載されており、歴代DXより音作りの幅が格段に向上したことや、タッチ&スライド式の4系統のデータエントリーセクションとLCDの採用によってより視覚的な音作りが可能となったことが挙げられる。そのほか、37鍵ながらもスライド式のオクターブコントローラーを(演奏中に任意で)使用することで88鍵相当の幅広い音域をカバーすることができ、エフェクトもディレイ、リバーブ、ワウなど8種類を2系統で使用可能になっている。本体には2W×2のスピーカーが搭載され、DC電源だけでなく乾電池による使用にも対応している。
 
== 参考文献 ==