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== 解説 ==
本作は[[1967年]]に発表された[[アルバム]]『[[サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (アルバム)|サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド]]』の収録曲である。[[レノン=マッカートニー]]の作品。実質的には[[ポール・マッカートニー]]の作品とされるが、[[ジョン・レノン]]がコーラスなどを手伝っている<ref name> 出典:Miles著 "Many Years From Now" 420頁</ref>。「[[イエスタデイ]]」や「[[エリナー・リグビー]]」などと同じくストリングスをアレンジに用いたクラシカルな楽曲である。この曲のタイトルおよび歌詞は、ポールが家出した少女について書かれた『[[デイリー・ミラー]]』の記事から取ったが、実際に少女が家出したのは歌詞に出てくる「水曜日の朝5時」ではなく、両親が不在だった午後である。この曲の[[サビ]]'''「彼女は」「出て行く」「家を」'''の合間に歌われる部分は[[ジョン・レノン]]がコーラスを担当しているが、これも新聞に書かれていた言葉である<ref>出典:ポール・マッカートニーの自伝" Many years from now"</ref>。
 
ビートルズの楽曲でストリングスやオーケストラを用いた作品の編曲は本作と、[[フィル・スペクター]]がリメイクしたアルバム『[[レット・イット・ビー]]』の収録曲を除いて、すべて[[ジョージ・マーティン]]が担当している。本作に限ってマーティンがアレンジしなかった理由は、彼が他のアーティストとの仕事で多忙を極めていたため仕事を断ったというものである<ref name="sgt198">出典:『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』マーク・ルーイスン著、内田久美子訳、シンコーミュージック・エンターテイメント社、2009年、158頁</ref>。ポールは[[フリーランス|フリー]]の[[アレンジャー]]である[[:en:Mike Leander|マイク・リーンダー]]にオーケストレイションを依頼した。ジョージ・マーティンはこのことについて「馬鹿馬鹿しいことなんだよ」「彼はやたらと先を急いでいたし、私は他の仕事で手いっぱいで、どうしようもなかった。私が腹を立てているのを知って、彼は驚いていたが、今じゃポールも自覚しているようだ」「少しだけスコアを書き換えた。ほんの少しね。マイク・リーンダーはいい仕事をしてくれたと思う」と語っている<ref>出典:『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』マーク・ルーイスン著、内田久美子訳、シンコーミュージック・エンターテイメント社、2009年、159頁</ref>。レコーディングは他のアレンジャーがアレンジしたスコアをマーティンが指揮するという異例の形でなされた。編成はヴァイオリン4、ヴィオラ、チェロ、ダブル・ベース各2、ハープ1。ビートルズのメンバーは演奏には参加せず、セッション・ミュージシャンの[[ストリングス]]と[[ハープ]]、ポールのリード・ボーカルとジョンのコーラスのみとなっている。[[ジョージ・ハリスン]]と[[リンゴ・スター]]は参加していない。
 
『サージェント・ペパーズ』発表前に訪米したポールが、アルバム『[[スマイル (ブライアン・ウィルソンのアルバム)|スマイル]]』を録音中の[[ビーチ・ボーイズ]]をスタジオに見舞った折に、この曲をピアノで弾き語りしてみせた。帰りの際にポールは[[ブライアン・ウィルソン]]に「『サージェント・ペパー』はもうすぐ完成する。だから『スマイル』の完成も急いだ方がいい」と述べたと言われている(結局完成することはなかった)。
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ポールの[[2002年]]のツアーで、初めて演奏された。
 
もともとはモノラル盤の方がオリジナルのキー([[ヘ長調]])とテンポで、ステレオ盤ではミックス時にテープのスピードを下げたため、キー([[ホ長調]])とテンポが下がっている。その為、ステレオ盤は3分35秒に対し、モノラル盤は3分25秒となっている。2017年に発表されたアニヴァーサリー・エディションでは、ステレオでモノラル・ヴァージョンのキーとテンポに作り替えられている。
 
=== アレンジと演奏 ===
ビートルズの楽曲でストリングスやオーケストラを用いた作品の編曲は本作と、[[フィル・スペクター]]がリメイクしたアルバム『[[レット・イット・ビー]]』の収録曲を除いて、すべて[[ジョージ・マーティン]]が担当している。本作に限ってマーティンがアレンジしなかった理由は、彼が他のアーティストとの仕事で多忙を極めていたため仕事を断ったというものである<ref name="sgt198">出典:『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』マーク・ルーイスン著、内田久美子訳、シンコーミュージック・エンターテイメント社、2009年、158頁</ref>。ポールは[[フリーランス|フリー]]の[[アレンジャー]]である[[:en:Mike Leander|マイク・リーンダー]]にオーケストレイションを依頼した。ジョージ・マーティンはこのことについて「馬鹿馬鹿しいことなんだよ」「彼はやたらと先を急いでいたし、私は他の仕事で手いっぱいで、どうしようもなかった。私が腹を立てているのを知って、彼は驚いていたが、今じゃポールも自覚しているようだ」「少しだけスコアを書き換えた。ほんの少しね。マイク・リーンダーはいい仕事をしてくれたと思う」と語っている<ref>出典:『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』マーク・ルーイスン著、内田久美子訳、シンコーミュージック・エンターテイメント社、2009年、159頁</ref>。レコーディングは他のアレンジャーがアレンジしたスコアをマーティンが指揮するという異例の形でなされた。編成はヴァイオリン4、ヴィオラ、チェロ、ダブル・ベース各2、ハープ1。ビートルズのメンバーは演奏には参加せず、セッション・ミュージシャンの[[ストリングス]]と[[ハープ]]、ポールのリード・ヴォーカルとジョンのコーラスのみとなっている。[[ジョージ・ハリスン]]と[[リンゴ・スター]]は参加していない。
 
== 歌唱・演奏 ==
* ポール・マッカートニー – [[ダブルトラッキング]]・[[リードヴォーカル]]
* ジョン・レノン – ダブルトラッキング・[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]