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{{出典の明記|date=2007年8月}}
'''出会い系サイト'''(であいけいサイト)とは、[[インターネット]]を通じた[[ナンパ]]や「出会い」を仲介する[[ウェブサイト]]の総称である。[[1995年]]頃には存在が確認されている。
 
== 前史 ==
不特定の男女が出会えるシステム(「出会い系」)は古くからあり、[[鹿島茂]]はその著書<ref group = *>連載エッセイをまとめたもの。2010 『パリ、娼婦の館』および2013『パリ、娼婦の街 シャン=ゼリゼ</ref>の中で[[1930年]]に[[酒井潔]]が著した『巴里上海歓楽郷案内』を紹介しつつ、「[[1920年代]][[パリ]]の出会い系サイト」を紹介している{{sfn|鹿島|2010|p=277}}{{sfn|鹿島|2013|p=98}}。ここで紹介されているのは[[結婚]]斡旋業から転じたものである{{sfn|鹿島|2010|p=277}}{{sfn|鹿島|2013|p=98}}。これは元々は結婚を目的とした真面目なものであったが、時を経て売春斡旋業へと落ちぶれたとされている{{sfn|鹿島|2010|p=277}}{{sfn|鹿島|2013|p=98}}{{sfn|酒井|1930|p=pp.96-97}}。
 
その事務所では''「あらゆる種類の女が予めリストに載つてゐて、客の条件によつて、格好の女が直ちに望める仕組みなのだ。」''(酒井潔『パリ上海歓楽郷案内』 p.97より引用)と言った次第であった。
 
また酒井は新聞の三行広告での「出会い系」も紹介している{{sfn|鹿島|2010|p=280}}{{sfn|鹿島|2013|p=101}}{{sfn|酒井|1930|p=pp.107-108}}。これは「ギャラントな」雑誌もしくは新聞でに掲載されるもので、酒井も実際に広告を出してみたという。すると女性たちから非常に沢山の手紙が届いたと言う{{sfn|鹿島|2010|p=280}}{{sfn|鹿島|2013|p=pp.101-102}}{{sfn|酒井|1930|p=pp.107-108}}。鹿島はこれらの手紙の内容を列挙し、2013年現在の出会い系サイトで女性が送るメールも紹介した4パターンに集約されるのではないか?と分析している{{sfn|鹿島|2010|p=282}}{{sfn|鹿島|2013|p=103}}。
<!-- 文通についてはまだこれといった文献なく、差しあたりスルーで。-->
 
日本ではインターネットの登場以前、[[テレフォンクラブ]](1985年)、[[伝言ダイヤル]](1986年)、[[ダイヤルQ2]]などがその役目を担っていた{{sfn|荻上|2011|pp=14,18,24,27}}{{sfn|荻上|2013}}。また1990年代半ばには[[プリント倶楽部]]での写真に[[ポケットベル]]の番号を記載し公衆電話に貼り付けておく「ベルナンパ」なるものもあった{{sfn|荻上|2013}}。
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== 出会い系サイトの登場 ==
インターネットの「出会い系サイト」は1995年頃までには登場しており、その後増加していった{{sfn|荻上|2011|p=pp.62-65}}。また1999年には[[NTTドコモ]]が[[携帯電話]]によるインターネット接続サービス[[iモード]]の提供を開始するなどし、手軽なインターネット接続が普及{{sfn|荻上|2011|p=pp.70-72}}。携帯電話用の出会い系サイトも急増していく{{sfn|荻上|2011|p=90}}。2013年現在では規制法の影響もあり出会い系サイトの乱立は落ち着き、[[スマートフォン]]と[[LINE (アプリケーション)|LINE]]を利用した「出会い系」が「最前線」であるという{{sfn|荻上|2013}}。なお荻上によれば、1995年から「援助交際が加速」しているという{{sfn|荻上|2013}}。
 
== 性的マイノリティやゲイの出会い系 ==
一方出会いの場が限られる[[LGBT]]を始め[[性的マイノリティ]]の人々には、[[1960年代]]から[[ゲイ雑誌]]などの出会い投稿欄が存在していた<ref>[[三橋順子]]「日本女装昔話」第3回「1960年代の女装世界を語る雑誌『[[風俗奇譚]]』」。同誌にはゲイ同士の文通欄や1961年1月号からは女装者専用の交際欄「女装愛好の部屋」が設けられた。</ref>。1960年に創刊された[[風俗奇譚]]にはゲイ同士の文通欄があり、1961年1月号からは[[女装]]者専用の交際欄「女装愛好の部屋」も設けられた。1971年創刊のゲイ雑誌「[[薔薇族]]」にも創刊号からゲイの出会い欄が設けられ、サークルの会員募集欄、結婚欄、未成年同士の友人募集覧「少年の部屋」などがあった<ref>オトコノコのためのボーイフレンド(1986年 少年社)。</ref>。また1976年11月号から「「[[百合 (ジャンル)|百合族]]の部屋」(後、百合族コーナー」)も設けられた。
 
1980年代にはゲイ専用の伝言ダイヤルやダイヤルQ2も登場しており、当時の薔薇族広告で確認できる{{信頼性要検証|date=2014-5}}。
 
なお、じゃマール創刊以前のゲイ雑誌のツーショットダイヤルの広告などに「出会い」という言葉が使用されているのが確認できるが、これは「出会い系」ではなく、例えば薔薇族1994年12月号であれば、p.502「僕らの出会い」、p.503「出会いのチャンス…」など、「出会い」と言う言葉が確認できるものの、「出会い系」と言う単語が使用されている訳ではない。
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== 違法・悪質なサイト、および出会い系にまつわる犯罪 ==
出会い系サイトは身元や素性を偽って登録することが可能であり、またそれが許容される環境にあるため、それを狙って近年では[[援助交際]]、[[売春]]、[[詐欺]]、[[恐喝]]、[[暴行]]、[[殺人]]など様々な[[犯罪]]の温床になっている<ref>警察庁広報資料「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」</ref>。
 
出会い系サイトが一つのビジネスモデルとして確立して来るにしたがい、勧誘方法あるいは料金の請求方法などに非常に悪質な手法を用いるサイトが急増し、犯罪の温床であるという問題とは別に、その方法そのものが社会問題化した。主な問題は[[サクラ (おとり)|サクラ]]<ref>「[http://www.j-cast.com/2008/05/07019852.html 行政処分受けた「出会い系サイト」 「女性のメール」ほとんど男のサクラ]」 [[J-CASTニュース]]、2008年5月7日。</ref>、迷惑メールおよび[[架空請求]]を含む悪質な料金請求である<ref>[http://www.pref.tottori.lg.jp/81465.htm 第25回 架空請求・不当請求にご注意!/警察本部/とりネット/鳥取県公式サイト]</ref>。
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[[警察庁]]広報資料「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」では、出会い系サイトにまつわる犯罪として、出会い系サイト規制法違反、児童買春・児童ポルノ法違反、児童福祉法違反、準強制わいせつおよび児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ製造)といった検挙事例が挙げられている。なお、同年度の検挙数は1,421件。うち22件は[[殺人]]・[[強姦]]などもみられるが、ほとんどは児童・青少年の福祉関係を理由とした検挙となっている。
 
なお、[[2004年]]の栗林彰の文献では、うまい話は[[嘘]]と思え、カメラ付き[[日本における携帯電話|ケータイ]]の無かった時代には、待ち合わせ場所にとんでもない[[デブ]]や[[ブス]]が現れる事も多かったなどと言及されている例が有り{{sfn|栗林|2004|p=pp.32-33}}、携帯系の出会い系サイトには女子中高生が多く出入りしているので、[[年齢詐称]]には気を付けること{{sfn|栗林|2004|p=pp.32-33}}、また万が一未成年と関係を持った事が発覚した際のダメージの大きさにも注意を促している{{sfn|栗林|2004|p=pp.32-33}}。出会い系サイト自体も悪質な物が少なからずあり、ポイント制サイトなどには注意を要するとしている{{sfn|栗林|2004|p=36}}。なおこの文献では若干の出会い系の使い方指南も掲載されているが、全体としては法的もしくは金銭的な危険性を指摘している{{sfn|栗林|2004|p=pp.32-42}}
 
== 脚注 ==
 
=== 注釈 ===
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