「泉鏡花」の版間の差分

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m →‎尾崎紅葉: 秋声全集は未完のものも含めて4次にわたる。「近年」という時事談の価値消滅。
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鏡花がほとんど旧師紅葉を神格化していたのに対し、同郷・同窓・同門の[[徳田秋声]]は師とのあいだに距離を置き、[[自然主義]]一派に加わったため、二人の仲はよくなかった。[[改造社]]で[[円本]]を出す際、弟子の了解をとるべく社長の[[山本実彦]]が秋声を訪ねると、「では鏡花のところへも行こう」というので行き、話していると、秋声が、「紅葉はお菓子が好きでたくさん食べたから胃を悪くして死んだのだ」と言ったところ、鏡花は火鉢を飛び越えて行って秋声を殴り、山本が間に入って秋声を外へ引きずり出したが、車の中で秋声は泣き通していたという。しかし後年、鏡花の弟([[泉斜汀]])が秋声の所有のアパートで没して以来、二人は和解し、交流を持つようになった。鏡花が死んだ時、[[里見弴]]があちこち知らせに歩いていると秋声が来て、今死んだと伝えると「駄目じゃあないか、そんな時分に知らせてくれたって!」と怒ったという(里見弴「二人の作家」)。
 
尾崎家の書生時代、[[石橋忍月]]のところへ使いに行った際に柿をもらい、紅葉への使いものと知らずに食べてしまって、後からいたく恐縮したことがあった。また「大福餅を買ってこい」といわれて、菓子屋に大福を売っているとは思ってもみなかった鏡花は、わざわざ遠くの露天へ行って屋台のやすい大福を買ってき、紅葉に笑われたことがある。
 
== 中島敦 ==