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===作品解題===
*『冠彌左衛門』(1893年、[[京都新聞|京都日出新聞]])小説
*:舞台は[[鎌倉]]長谷。村人から田畑を騙し取った分限者石村五兵衛、石村と結託して主君相模守を幽閉して実権を握った[[執権]]岩永がこの小説の悪役となっている。そして石村に抵抗して刑死した義民鋭鎌利平とがまりへいと妻渚の子が霊山卯之助(りょうぜんうのすけ)、卯之助を助ける伝法肌の親分が猿の伝次(ましらのでんじ)、卯之助に想いを寄せる餅屋の娘が小萩、卯之助と伝次の助力をする仏師が冠彌左衛門で、彼らが百姓たちの同心を得て一揆をおこし、その力で石村・岩永らを打ち倒すのである。その他に相模守の忠臣で岩永・石村らの陰謀を暴こうとして獄死する沖野新十郎や無残な拷問で死亡するその妻浪などが登場する。
*『活人形』(1893年、探偵文庫)小説
*:財産横取りを企む赤城得三らに拉致・監禁された美人姉妹下枝(しずえ)と藤を探偵倉瀬泰助が救出するという筋立ての探偵小説である。姉 妹が監禁された古屋敷(舞台は前作と同じく鎌倉長谷)には人形に仕掛けられた隠し部屋や廊下があり、それが謎を解く鍵になっている。