「F4F (航空機)」の版間の差分

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太平洋戦争緒戦においては「[[エンタープライズ (CV-6)|エンタープライズ]]」などに配備されていたほか、同艦が[[ウェーク島]]に輸送した12機のF4F(VMF-211)のうち、日本軍の攻撃から生き残った4機のF4F(一説には5機)が反撃を行い、[[駆逐艦]]「[[如月 (睦月型駆逐艦)|如月]]」を撃沈するなど、圧倒的な兵力で押し寄せた日本軍に対して奮戦した事例がある。
 
1942年8月7日、ガダルカナルにおいて[[:en:Pug Southerland|ジェームズ・“パグ”・サザーランド]]のF4Fは一式陸攻からの攻撃で被弾、さらに3機の零戦(柿本円次、羽藤一志、山崎市郎平)に攻撃され機銃が故障するも撃墜はされず、加勢に来た[[坂井三郎]]が格闘戦に持ち込み撃墜された。坂井は最後まで粘ったサザーランドに敬意を表し、撃墜前に合図を送り操縦席を外して撃ったためサザーランドは脱出に成功、生還してパイロットとして復帰した後に5機撃墜して[[エースパイロット]]となった。
これは防弾ガラスや操縦席後部の防弾板、セルフシーリングの燃料タンクなどにより「グラマン鉄工所(Grumman IronWork)」と呼ばれるほどの防御力を有しており、零戦の7.7mm機銃では効果が薄く、弾数の少ない20mm機銃が必要となることが多いためである<ref>20mm機銃は初速の低さから命中率をあげるには技量が必要な近接射撃が必要となる。</ref>。また強固な機体であるため急降下性能も優れていた。
 
これは改修により追加された防弾ガラスや操縦席後部の防弾板、セルフシーリング機能を備えた燃料タンクなどにより「グラマン鉄工所(Grumman IronWork)」と呼ばれるほどの防御力を有しておりいたため、零戦の7.7mm機銃では効果が薄く弾数の少ない20mm機銃が必要とることが多いためである<ref>20mm機銃は初速低さから命中率をげるには高い技量が必要な近接射撃が必要となるなどの要因も重なり、F4Fを撃墜するには一定の技量が必要とされた坂井はサザーランド機へ確実に命中させるため限界まで接近した際、オーバーシュートしている</ref>。また強固この時撃ってこ機体であるため急降下性能も優れて相手の故障に気がつた</ref>など、ミスを誘発する原因ともなった。
零戦最大の弱点は「高速飛行時の運動性の低下」及び「急降下性能の低さ」であり<ref>零戦は速度が300km/hを越えたあたりから舵が重くなり、500km/hを越えたあたりでは、ほぼ舵が動かなくなったという。また、試作段階において急降下を行った際に空中分解を起こしており、急降下には厳しい速度制限があった。</ref>これを見抜いたアメリカ軍は「三つのネバー(Never)」と呼ばれる以下の勧告<ref>ゼロ(零戦のこと)と[[ドッグファイト|格闘戦]]をしてはならない。時速300マイル以下において、ゼロと同じ運動をしてはならない。低速時には上昇中のゼロを追ってはならない。</ref>を、零戦との空戦が予想される全てのパイロットに対して行った。F4Fの急降下性能は零戦より優れていたことから、防御力と合わせて背後を取られても即撃墜の可能性が低いため、落ち着いて急降下に移ることが可能であった。
 
格闘戦を重視した日本軍機に比べる総合的な運動性能は劣っていたが、設計段階から強度を重視した機体であるため急降下性能は零戦よりも優れていた。
ドイツ空軍との戦いにおいても、北アフリカ戦線において、英軍の「マートレット」を含め活躍し、海上では[[護衛空母]]に搭載されて空中警戒や哨戒任務に使われた。ドイツの戦闘機は概ね高翼面荷重の高速機であり、対日戦とは逆に艦上機としての低翼面荷重を生かした格闘戦で対抗した。
 
零戦最大の弱点は「高速飛行時の運動性の低下」及び「急降下性能の低さ」であり<ref>零戦は速度が300km/hを越えたあたりから舵が重くなり、500km/hを越えたあたりでは、ほぼ舵が動かなくなったという。また、試作段階において急降下を行った際に空中分解を起こしており、急降下には厳しい速度制限があった。</ref>これを見抜いたアメリカ軍は「三つのネバー(Never)」と呼ばれる以下の勧告<ref>ゼロ(零戦のこと)と[[ドッグファイト|格闘戦]]をしてはならない。時速300マイル以下において、ゼロと同じ運動をしてはならない。低速時には上昇中のゼロを追ってはならない。</ref>を、零戦との空戦が予想される全てのパイロットに対して行った。F4Fの急降下性能は零戦より優れていたことから、防御力と合わせて背後を取られても即撃墜の可能性低いため、落ち着いて急降下に移ることが可能であった。
 
ドイツ空軍との戦いにおいても、北アフリカ戦線において、英軍の「マートレット」を含め活躍し、海上では[[護衛空母]]に搭載されて空中警戒や哨戒任務に使われた。ドイツの戦闘機は概ね高翼面荷重の高速機であり、対日戦とは逆に艦上機としての低翼面荷重の低さを生かした格闘戦で対抗した。また高火力のドイツ軍機に対しても防御力の高さは効果を発揮した。
 
なお零戦程ではないにしても、1941年時点の艦載戦闘機の中では航続距離は長い部類であり、海上でも安定して戦えたことは、[[スーパーマリン スピットファイア|スピットファイア]]、[[メッサーシュミット Bf109|Bf109]]と比べて大きな特長であった。