「モンテ・クリスト伯」の版間の差分

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: やがて神父が息を引き取ると、彼の遺体と入れ替わって脱獄に成功する。脱獄後に神父から授かったモンテクリスト島の財宝を見つけ出し莫大な富を手に入れると、自身が陥れられた経緯の調査、助けようとしてくれた人への恩返しを経て、9年後、イタリアの貴族「モンテ・クリスト伯爵」としてパリの社交界へと現れ、仇敵との再会を果たす。そして、かねてより計画していた復讐を実行していく。
; ファリア神父 ({{Lang|fr|l'Abbé Faria}})
: イタリアの[[神父]]。かつて仕えた貴族の家に伝わる古文書を解読して、モンテクリスト島に隠された財宝の在り処を突き止めるが、直ちに発掘へと出発しようとした矢先、その慌ただしい動きがイタリア独立運動に関連があるものと疑われて逮捕され、シャトー・ディフに収監される。脱獄を企てトンネルを掘っているう看守たからは隣の独房のダンテスと出逢う。各種の言語や知識、そして不撓不屈の精神を兼ね備えた人物で学はり、ダンテスに持て知識の全てを教える。や「助け衰弱し死期を悟ると、ダンテスにくれたら莫大な財宝の在り処託し息を引き取。死因」などと世迷い事を言う狂人なった心臓の持病のため使用していた「秘薬」はダンテスが引き継ぐが、こ扱わが後にダンテスの復讐に利用されることとなる。
: 脱獄を企て、長年かけてトンネルを掘っているうちに、隣の独房のダンテスと出逢う。ダンテスから第二の父として慕われ、各種の言語や知識、不撓不屈の精神に至るまで、自らのすべてを教える。やがて衰弱し死期を悟ると、ダンテスに財宝の在り処を託し息を引き取る。
; エデ ({{Lang|fr|Haydée}})
: [[ギリシア]]の[[ヨアニナ|ジャニナ]]地方の太守[[テペデレンリ・アリー・パシャ|アリ・パシャ]]の娘。軍人時代のフェルナンの裏切りによって父親を殺害され、自らも奴隷の身分に貶められてしまう。モンテ・クリスト伯爵によって救出され、以後伯爵の庇護下で太守の娘にふさわしい扱いを受ける。貴族院でフェルナンの過去の罪を告発し、彼の失脚に一役買う。モンテ・クリスト伯爵を心から愛している。
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: かつて、軍人だった兄が[[ワーテルローの戦い]]後の混乱の中で殺害され、ヴィルフォールに捜査を訴えた。しかしコルシカ人差別から門前払い同然に拒絶されたため、ヴィルフォールに復讐を宣言し、1年後にサン=メラン侯爵の別荘でナルゴンヌ男爵夫人と密通していたヴィルフォールを刺す。この時、ヴィルフォールが秘かに埋葬しようとしていた嬰児を奪って蘇生させ、ベネデットと名付けて義姉の養子として育てた。
; ジャコポ・マンフレディ ({{Lang|fr|Jacopo Manfredi}})
: シャトー・ディフを脱出し漂流したダンテスを救った、密輸船ジュヌ・アメリー号のコルシカ人船員。ダンテスが並の男ではないことに早くから気付き、友人になる。ダンテスが密かに財宝を手に入れ船を降りた際、付き従って下船し、忠実にダンテスに仕える。その後はエピローグまで出番が無いが、途中ダングラール銀行で100万フランの不渡りを出し、銀行経営悪化の一因になった融資先として名前が挙がっている。
; ルイジ・ヴァンパ ({{Lang|fr|Luigi Vampa}})
: イタリアの山賊。元は羊飼いだったが、山賊の頭ククメットを殺して自ら頭に成り代わった。羊飼いの頃に道を教えたことが切っ掛けでモンテ・クリスト伯爵と知り合い、山賊になってからも付き合いが続いている。
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; フェルナン・モンデゴ / モルセール伯爵 ({{Lang|fr|Fernand Mondego / le Comte de Morcerf}})
: [[カタルーニャ州|カタルーニャ]]系フランス人の漁師。従妹のメルセデスに恋し、ダンテスを恋敵として憎んでいた。ダングラールに唆され、虚偽の密告状を提出しダンテスを逮捕させた。その後、徴兵されて軍隊に入り、祖国や恩人を次々と裏切って勝者の側に立ち続け、結果として[[陸軍中将]]にまで出世し、さらに貴族院議員の地位を手に入れる。
: [[ギリシャ独立戦争]]時に行った悪逆非道をモンテ・クリスト伯爵の画策で新聞報道され、貴族院でエデによってそれを証明されたことで失脚する。アルベールがモンテ・クリスト伯爵への決闘を辞退したと聞くと、自ら伯爵に決闘を申し込むが伯爵の正体を知って逃げ出す。そ妻子にも捨てられ無人になった邸で自殺する。
; メルセデス ({{Lang|fr|Mercédès}})
: ダンテスの婚約者。ダンテスが投獄された後間も無く、彼を陥れた張本人とは知らず、従兄のフェルナンと結婚する。しかし結婚後もダンテスのことを忘れることは出来なかった。旧知の人々がモンテ・クリスト伯爵の正体に一切気付かない中、初対面でエドモン・ダンテスであると気付いた唯一の人物である。
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; アルベール ({{Lang|fr|Albert}})
: メルセデスとフェルナンの間に生まれた青年。ダングラールの娘ユージェニーが許嫁だが、お互い結婚に乗り気ではない。ローマにて友人のフランツとの旅行中にモンテ・クリスト伯爵と出逢い、その後ルイジ・ヴァンパの手から伯爵によって救出されたことで、彼を慕うようになる。伯爵がパリを旅行で訪れる際に彼を自宅へと招待し、両親に伯爵を紹介する。
: 貴族院でのエデの告発をモンテ・クリスト伯爵による画策と考え、彼に決闘を申し込む。しかし母から父がかつて犯した罪を聞かされ、伯爵の復讐は正当な権利であると理解して決闘を辞退する。父の自殺後は、遺産すべてを恵まれない人々のための施設に寄付し、家名も捨てて母方の姓であるエレラ ({{Lang|fr|Herrera}}) を名乗り、マクシミリンに倣って軍隊に志願しアフリカへ旅立つ。
 
=== ダングラール家 ===
; ダングラール ({{Lang|fr|Danglars}})
: モレル商会の会計士。ダンテスの出世を妬み、また帳簿の不正を知られていたため彼の存在を疎ましく思い、虚偽の密告状を作ってフェルナンに提出させる。ダンテスが投獄された後、モレル氏の紹介でスペインの銀行へ入って頭角を現し、フランス有数の銀行家にまでのし上がった上、貴族の未亡人と再婚して[[男爵]]の地位を得る。
: やがてモンテ・クリスト伯爵の画策によって次第に銀行の経営が傾いていく。ユージェニーをアンドレアと結婚させ、彼の実家から送られる結納金を元手にして再帰を図ろうとするが、結婚式の最中にアンドレアの正体が発覚して面目を失った上、娘にも捨てられる。さらに最後まで残っていた預金をモンテ・クリスト伯爵に引き出されたことで、銀行は破綻。家族を捨てて夜逃げした後、ローマで伯爵の受領証を換金し現金を手に入れるも、ルイジ・ヴァンバの一味に拉致される。飢えと乾きで散々苦しみ、食事と引き換えに有り金のほとんどを奪われ、やがてモンテ・クリスト伯爵の口から彼自身の正体を知らされショックで放心状態になった後、解放される。
; エルミーヌ ({{Lang|fr|Hermine}})
: ダングラール男爵夫人。フランス国王[[シャルル10世 (フランス王)|シャルル10世]]の侍従セルヴィユの娘で、前夫のナルゴンヌ男爵の自殺後、ダングラールと再婚する。再婚前はヴィルフォールと愛人関係にあった。金銭面や恋愛面で評判の良くない女。
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: ヴィルフォールの後妻。実子のエドゥワールを溺愛し、先妻の子かつ莫大な財産の相続人であるヴァランティーヌを疎んでいる。そのため、サン=メラン侯爵夫妻やノワルティエ老を殺害してヴァランティーヌに財産を相続させ、その上でヴァランティーヌを殺害して遺産の全てをエドゥワールに継がせようと目論む。
; ヴァランティーヌ ({{Lang|fr|Valentine}})
: ヴィルフォールと先妻ルネ・ド・サン=メラン ({{Lang|fr|Renée de Saint-Méran}}) の娘。フランツが婚約者であり、父からは強硬に婚姻を進められようとしているが、密かにマクシミリアンと恋愛関係にある。
: エドゥワールに比べ母親の家系が上流であり、家長である祖父ノワルティエに可愛がられていることもあって、母方と父方双方から財産の相続人に指名されている。そのため相次ぐ毒殺事件に際して一番の受益者だと疑いの目を向けられるが、やがて彼女も毒殺されかける。
; エドゥワール ({{Lang|fr|Édouard}})
: ヴィルフォールとエロイーズの息子。父は育児を母親任せにし、母は溺愛のあまりやりたい放題にさせているため、我儘で残虐な子供に育っている。
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=== モレル家 ===
; ピエール・モレル ({{Lang|fr|Pierre Morrel}})
: マルセイユの貿易会社モレル商会の経営者で、ダンテスの雇主。投獄されたダンテスを救おうとヴィルフォールに談判したが放置され、[[百日天下]]期の皇帝ナポレオンに訴状を提出までしたため、[[フランス復古王政|第二復古王政]]期にはダンテス同様の[[ボナパルティズム|ボナパルティスト]]と見なされて辛酸を嘗める。
: この事件以来、立て続けに船を失う、複数の取引銀行が倒産するなど、急激に会社の経営が傾き、最後の頼みの綱となったファラオン号も沈没して破産に追い込まれるが、寸でのところで素性を隠して現れたダンテスに救われる。会社を再建した後、正体不明の「恩人」を探すも見付けられず、マクシミリアンに「あれは確かにエドモン・ダンテスだった」と言い残して没する。
; マクシミリアン ({{Lang|fr|Maximilien}})
: ピエールの息子で軍人([[騎兵]][[大尉]])。幼い頃、ダンテスが遊び相手になったことがある。清廉実直な青年で、パリにおけるモンテ・クリスト伯爵の一番の友人として交流を持つ。伯爵からは実の息子のように可愛がられ、エデとの結婚を望まれるも、彼自身はヴァランティーヌとの愛を貫く。ヴァランティーヌが毒殺されかけた際に伯爵へ助けを求めたことで、伯爵は復讐の計画を変更することになる。
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=== その他 ===
; ベネデット / アンドレア・カヴァルカンティ ({{Lang|fr|Benedetto / Andrea Cavalcanti}})
: ヴィルフォールとエルミーヌの間に生まれた不義の子供。生後すぐ絞殺されて庭に埋められたが、ヴィルフォールを刺したベルトゥッチオによって助け出され、ベネデットと名付けられる。しかし非行に走り、同居していたベルトゥッチオの義姉を殺害し逃亡したする
: ツーロン監獄に収監されていたところをモンテ・クリスト伯に探し出され「幼くして行方不明になったカヴァルカンティ家の嫡子」として社交界に入り、る。そしてダングラールの娘のユージェニーと婚約するが、たかってきたカドルッスが疎ましくなって殺害し、ブゾーニ司祭がカドルッスに書かせ容疑で遺書によって逮捕される。留置所へ面会に来たベルトゥッチオから自分の出自を聞き、裁判の席でヴィルフォールが過去に行った悪事を白日の下に晒す。
; ガスパール・カドルッス ({{Lang|fr|Gaspard Caderousse}})
: ダンテスの隣家に住んでいた仕立て屋。お調子者の小悪党で、根は良い人間だが、気が弱い為にダングラールの悪巧みを知りながら真実を言えなかった。ダンテスが逮捕されてからは没落するが、ブゾーニ司祭と名乗り変装して現れたダンテスに真相を語った代償としてダイヤモンドを贈られた。しかし欲を出して宝石商のジョアネスを殺害してしまい、投獄される。獄中でベネデットと出逢い、後に2人で脱獄する。