「ヴェラ (人工衛星)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎詳細: 英語版により改めた
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
→‎詳細: タイプミスと表記の小修正
タグ: モバイル編集 モバイルアプリ編集
9行目:
製造された衛星は合計12機で、6機は「ヴェラ・ホテル」(Vela Hotel) 型であり6機は「発展型ヴェラ」(Advanced Vela) 型であった。ヴェラ・ホテル・シリーズは宇宙空間での核爆発を探知するものであったが、発展型ヴェラ・シリーズでは宇宙空間だけでなく大気圏内での核爆発も探知するものであった。
 
すべての衛星は米[[サンディア国立研究所]]によって開発、米[[TRW]]社によって製造され、毎回2機ずつが「[[アトラス (ロケット)|アトラス]]・[[アジェナ (ロケット)|アジェナ]]」(Atlas-Agena)・ロケットか「[[タイタン (ロケット)#タイタンIII|タイタン III-C]]ブースター」・ロケットによって、[[ヴァン・アレン帯]]よりも上層の63,000~70000-70,000マイルの軌道へ打ち上られた。最初のヴェラ・ホテルの1組は、1963年に打ち上げられ、その3日後に核実験禁止条約が締結された。ヴェラ・ホテルの最後の打ち上げは[[1965年]]であった。設計時の寿命は6月であったが、結局5年間稼動していた。発展型ヴェラは[[1967年]]と[[1969年]]、[[1970年]]に打ち上げられた。書類上の設計寿命は18月であったが、後に7年間に変更された。実際は1969年に打ち上られたヴィークル9が最後まで稼動して[[1984年]]に機能を停止したので、結局ほぼ15年間の寿命であった。
 
最初のヴェラ衛星は外部に12個の[[X線]]測定器と内部に18個の[[中性子]]・ガンマ線測定器を備えていた。
それらは90ワットの発電能力を持つ太陽電池パネルによって動作していた。
 
発展型ヴェラ衛星は従来型に加えて、1000分の1秒以下の間隔で光量を測定する「bhangmeters」と呼ばれる非画像型の[[フォトダイオード|シリコンフォトダイオード]]・センサーを2つ備えた。それらはおよそ3,000マイルの範囲で核爆発の場所を特定できる。大気圏内核爆発は「2こぶカーブ」と呼ばれる特徴的な痕跡を持つ。まず短く、1ミリ秒程度持続する強烈な光線を放つ。続いて第2のずっと長く、しかし弱い発光が、数分の1秒から数秒かけて強まる。
この効果は初期の火球表面が、すぐに大気中に広がりイオン化ガスを成す[[衝撃波]]によって覆われることで生じる。衝撃波自身が光を放つことも無視できないほどに存在するが、衝撃波が光球の光の放射を妨げ遮蔽する。衝撃波が拡大する事で冷えて光を通すようになり、内部の熱く輝く火球が見えるようになる。このような特徴を持つ光線は、自然現象では生じ得ない。大気圏内[[核爆発]]から発生する[[電磁パルス]] (EMP) も備えられたセンサーで検出できた。これらの計測機器によって増えた電力は、より大きくなった衛星の120ワットの太陽電池パネルによって供給された。
 
ヴェラ衛星は、偶然にも未知の天文現象である[[ガンマ線バースト]]を初めて観測した。1967年[[7月2日]]に発生したガンマ線バーストは[[GRB 670702]]と名づけられた。
 
[[1979年]][[9月22日]]、ヴェラ6911号は[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]沖[[インド洋]]上で未確認の「二重の閃光 (double flash)」を感知した。この現象に関し、大統領の特別小委員会は検出器のエラーと結論づけているが、[[DIA]]や一部の研究機関はこれは南アフリカ共和国と[[イスラエル]]の共同による核実験であるとしている。核爆発による放射性降下物など他の証拠は確認されておらず、諸説はあるが現在に至るも詳細は不明である。詳しくは[[ヴェラ事件]]を参照のこと。
 
== 出典 ==