「宮本から君へ」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Bellis (会話 | 投稿記録)
構成・表現見直し。瑣末と思われるキャラクター情報の一部削除。など
19行目:
}}
{{Infobox animanga/Footer}}
『'''宮本から君へ'''』(みやもとからきみへ)は、[[新井英樹]]による[[日本]]の[[漫画]]作品。講談社『[[モーニング (漫画雑誌)|モーニ新卒営業マグ]]』の主人公が、恋や仕事不器用ながらも成長し[[1990年]]35号よ自分な[[1994年]]34号まで連載された。新井英樹初連載作品生きざまを見つけていく物語である。
 
新井英樹の連載デビュー作であり、講談社『[[モーニング (漫画雑誌)|モーニング]]』誌上に、[[1990年]]35号から[[1994年]]34号にかけて掲載された。単行本は講談社より全12巻(モーニングKC)。後に全6巻(KCデラックス)。2009年には太田出版より全4巻の豪華本を刊行。『定本』には2009年時点の主人公周辺のエピソード『はんぶんくらい』が新規書き下ろしで収録されている。また、講談社はモーニングKC版を[[オンデマンド]]配信している。
大学を卒業して文具メーカーの営業マンとして社会に出たばかりの主人公・宮本浩が、紆余曲折を経て自身の生きざまを見つけていく物語である。タイトルの『宮本から君へ』は、新井英樹自身の証言によれば、[[ダニエル・キイス]]作『[[アルジャーノンに花束を]]』映画化の邦題である『[[まごころを君に]]』に由来しているという。
 
単行本は講談社から全12巻、全6巻の2種類が刊行された。2009年には、新たに2009年時点の主人公を描いた描き下ろし『はんぶんくらい』を加えた『定本 宮本から君へ』が、太田出版より全4巻の豪華本で刊行されている。また、講談社では全12巻版を[[オンデマンド]]配信している。
 
1992年度第38回[[小学館漫画賞]]青年一般部門受賞。
 
[[2018年]][[4月]][[テレビ東京系池松壮亮]]においてテレビ主演の実写ドラマ化されるを予定<ref>{{cite web|url =https://www.oricon.co.jp/news/2106958/full/|title =池松壮亮主演、『宮本から君へ』連ドラ化 主題歌はエレカシ|publisher=ORICON NEWS|date=2018-03-06|accessdate=2018-03-06}}</ref>。
 
== 作品解説 ==
{{出典の明記|section=1|date=2015年9月}}
本作品は、[[バブル景気#バブル崩壊|バブル崩壊]]直前の[[トレンディドラマ]]全盛期に読み切り連作の形で連載がスタートした。読み切り連作では、トレンディドラマを意識したラブストーリーが中心であり、本連載が始まってからは作者自身が「暑苦しい」と評する絵柄と、極端な幸福と不幸の間を往き来する主人公・宮本の、仕事や恋などさまざまな物語が描かれている。
 
作者の新井英樹によると、題名を映画『[[まごころを君に]]』(1968)<ref group="note">原作小説は[[ダニエル・キイス]]『[[アルジャーノンに花束を]]』。</ref> の作品名に由来するという。
主人公が文具メーカーの営業マンであることや、後半に出てくる大学ラグビーの描写などは作者の実体験に基づいている。また、渋谷駅で見かけた美しい女性に一目惚れする冒頭のエピソードも、作者の実体験がモデルとなっている。
 
本作品発表当時[[バブル景気#バブル崩壊|バブル崩壊]]直前の[[トレンディドラマ]]全盛期に読み切りで、短期集中の形で連載がスタートしを取ってい。読み切り連では、品初期もトレンディドラマを意識したラブストーリーが中心であり、った。本連載が始まってからは作者自身が「暑苦しい」と評する絵柄と、極端な幸福と不幸の間を往き来する主人公・宮本の、仕事や恋などさまざまな物語が描かれている。
 
主人公が文具メーカーの営業マンであることや、後半に出てくる大学ラグビーの描写などは作者の実体験に基づいている。また、渋谷駅で見かけた美しい女性に一目惚れする冒頭のエピソードも、作者の実体験がモデルとなっている。
 
宮本が土下座をしながら彼とする部長登場人物を300メートル絶叫して追いすがる場面、宮本と結ばれるヒロイン・中野靖子とのセックス・シーンや生理中の靖子が宮本の性欲を[[フェラチオ]]で処理するシーン、靖子が大学ラグビーの花形選手・真淵拓馬にレイプされるシーン、その後宮本が何回も傷つき顔が醜く腫れ上がっていく描写などは、読者に衝撃を与えた。また、宮本が未熟なまま社会でがむしゃらに生きていこうとして失敗と挫折を繰り返すさまは、読者の間に「ああいう暑苦しい男は嫌いだ」という猛烈な宮本バッシングを巻き起こした。新井英樹の証言によれば『[[POPEYE]]』か『[[ホットドッグ・プレス]]』のいずれかの男性誌で嫌いな男性アンケートの第1位に宮本が選ばれたこともあったという。
 
== あらすじ ==
106 ⟶ 107行目:
; 真淵拓馬
: 真淵敬三の息子。実質物語後半の主人公のライバルキャラクター。早明大ラグビー部員で同大学の怪物ナンバー8と恐れられている。たった一撃で、スクラムを組んだ大野とラグビー部OBを跳ね飛ばしてしまうくらいの怪力の持ち主。宮本と靖子と酒の席で出会い、泥酔して眠っている宮本の横で靖子をレイプしてしまう。いったんは追ってきた宮本を撃退するものの、父から問い詰められ、宮本にはしつこく追跡されて家に帰れなくなり、恋人の家に雲隠れしているところを宮本に発見されて対決する。歴然とした力の差を宮本に見せつけるが、宮本が田島に伝授された「キンタマ攻撃」で[[精巣|睾丸]]を握りつぶされて敗北する。
; オチ
: 拓馬の友人。拓馬を探す宮本と喫茶店でケンカになる。拓馬に匹敵するくらいの巨漢。ナイフで宮本に立ち向かうが、必死の宮本に頭突き攻撃を喰らわされて敗北する。
; 佐藤
: 拓馬の友人。宮本の詰問にとぼけるオチに「余裕ない素人が一番怖い」と説得し、宮本に関わらないように言うが、オチと宮本のケンカのとばっちりを食って負傷する。
; 井上雅夫
: 宮本の高校時代の同級生。宮本とは親しくなく、いじめを受けていた玉川茂の唯一の友人だった。原付バイクで乗用車と激突する事故で死亡。
121 ⟶ 118行目:
: 物語終盤で、相変わらずパニックを起こして混乱している様子が1シーンだけ描かれた(台詞無し)。
; 宮本寛治
: 宮本が自動車の追突事故で担ぎ込まれた病院で、隣のベッドにいるペンキ屋の老人。エロ本を読むことが何よりの楽しみで、エロ発言も連発する。宮本は最初寛治が多くの女性と関係していたのではないかと思っていたが、実は数年前に先立たれた妻以外の女を知らない純情な男だった。宮本はその寛治を「フェミニスト」と評する。宮本と読みが同じの宮本寛という息子がいるが、息子は職人の父親を嫌ってサラリーマンになり、病院にも見舞いに来ない。そのせいで寛治もサラリーマンに複雑な感情を持っている。独立して生き生きとしている神保が見舞いに来た後、人生の方向性を見失いかけて蝉の抜け殻のようになっている宮本に向かって「サラリーマンが社長になる以外、人生の勝ち負けどこで決めるのよ」と問い詰めた。対して、仕事をサボって宮本の見舞いにきた挙句、女の事ばかり話す田島に対しては辛辣な言葉を放っている
; 毛利
: 女子高生。JR東日本[[飯田橋駅]]前の路上で宮本とぶつかり、[[コンタクトレンズ]]を落としてしまう。最初は不機嫌そうな顔をして宮本を毒づくが、靖子と結ばれたばかりで有頂天になっている宮本がニコニコしながらコンタクトレンズを探し見つけると、宮本につられてゲラゲラ笑った。
; 亀田
: カラオケスナックで泥酔した宮本が居合わせた別の会社のグループとケンカになり、宮本を殴り倒したサラリーマン。素早い身のこなしでパンチをあびた宮本は亀田をボクサーだと思い込むが、宮本にボクサー呼ばわりされると涙を流しながら「僕もただのサラリーマンです。ボクサーじゃありません」と言うが、新井の考えた設定では元ボクサーということになっている。パンチで宮本の前歯を折った。
; 長山克美
: 文具店「神武堂文具」の店長で東京事務用品連盟の会長。頑固な老人で新人時代の宮本が訪問を怠ると、マルキタから納入した商品を全部返品してしまう。人と人とのつながりを第一と考えており、座右の銘は「人と人という字を並べて『人々』と読む」。自作の昔話で「ウチに来た営業はみんなちゃんと俺が一人前にしてやった。今じゃそいつらこの俺のためなら命を投げると言ってる」と誇らしげに語る、プライドの高い人物
; 桑名
: 大手文具店「角屋」の納入担当。女性。「おどおどした誠実さ」を売りにする宮本に呆れ返り、マルキタからの仕入れをストップする。前の営業担当だった神保とは仕事以外でも関係が深く、神保は桑名の男の趣味まで知りぬいている。外車に乗っている男が好きだが、[[BMW]]の男にひどい目に遭わされたため、今は「大人になって」軽自動車の男と付き合っている。後は積極的になってきた宮本の事を少しずつ認めていき、個人間でも仕事でも良好な関係を築いていく。
172 ⟶ 167行目:
{{ドラマ}}
{{放送前の番組|date=2018年3月}}
[[2018年]][[4月6日]]より[[テレビ東京]]系の「[[ドラマ25]]」枠で毎週土曜0:52 - 1:23(金曜深夜)に放送予定。監督は[[真利子哲也]]、主演を[[池松壮亮]]が務める。原作者・新井英樹がファンと公言し、主人公・宮本浩の名前の由来にもなっている[[宮本浩次 (エレファントカシマシ)|宮本浩次]]がボーカルを務める[[エレファントカシマシ]]が主題歌を担当することも発表されている<ref>{{cite web|url =https://natalie.mu/eiga/news/272271|title =池松壮亮主演で新井英樹「宮本から君へ」ドラマ化、監督は真利子哲也|publisher=映画ナタリー|date=2018-03-06|accessdate=2018-03-06}}</ref>。
 
新井はドラマ化にあたり『みんなが原作を好きでいてくれて嬉しい』<ref>{{cite web |author=[[入江喜和]] |url =https://ameblo.jp/irie-kiwa/entry-12358183251.html |work=キワ者便り |title =『宮本』 |publisher=ameblo|date=2018-03-07|accessdate=2018-03-10}}</ref>ともコメントを残している。
 
=== キャスト===
183 ⟶ 180行目:
* プロデューサー - 藤野慎也(テレビ東京)、清水啓太郎(松竹撮影所)、加藤賢治(松竹撮影所)
* 製作会社 - テレビ東京 、[[松竹撮影所]]
 
== 注 ==
<references group="note" />
 
== 脚注 ==