「関白宣言」の版間の差分

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「関白宣言」は、さだが当時[[山本直純]]に紹介されて通っていた[[京都市|京都]]・[[先斗町]]のスナック「鳩」のママ(さだは母親と歳が近かったので「お母さん」と呼んでいた)に、「最近の男は駄目になった。だから若い娘も駄目になった。男はん、しっかりしとくれやっしゃ。お師匠はん<ref>「おっしょはん」。ママは元[[舞妓]]だったため、音楽関係者であるさだを、邦楽の師匠と同じ呼び方で呼んでいた。</ref>、そういう歌を作っとくれやっしゃ」と言われたことがきっかけで作られた作品である。そのためあえて男が強気な内容の歌詩を書いたものであり、これを以ってさだの思想であると解釈するのは間違いである。そもそもさだ自身「こんなのが売れるとは思ってなかった」と述べている上に、近年では「男は女の付属品です」とも言っている。ちなみに、「関白宣言」を聴いた鳩のママは「お師匠はん、まだ甘おすな」と言っていたという。
 
作品は[[1979年]][[5月28日]]に、[[大分文化会館]]でのコンサートが始まるまでの合間を縫って一気に書き上げられた。コンサートで発表された当初のタイトルは「王手」で、副題だった「関白宣言」がレコード化される際に正式なタイトルに変更された。シングル盤ではさだの最大のヒット作であり、約160万枚<ref>読売新聞社文化部『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』社会思想社、1997年、118頁。ISBN 4390116029</ref>または169万枚<ref>[https://www.nikkansports.com/ns/entertainment/interview/2003/sun030629.html インタビュー<日曜のヒーロー> ■第368回 さだまさし]、[[日刊スポーツ]]、2003年6月29日付。</ref>という[[ミリオンセラー]]を記録する大ヒットとなった。しかし、さだ自身「『一番売れた曲』イコール『一番良い曲』ではない」と言っている。聴衆からの人気もさほど高くはなく、テレビやラジオなどの企画でファンによるさだの楽曲の人気投票をしても、ベスト5にも入ってこない<ref>ほとんどの調査で第1位はアルバム『[[私花集 (さだまさしのアルバム)|私花集]]』収録の「主人公」である。</ref><ref>さだのデビュー40周年ベストアルバム『天晴'&#65374;オールタイム・ベスト'&#65374;』の収録楽曲投票では39曲25位 [http://www.u-canent.jp/masashi/all_time_best/#ranking]</ref>ことが多い。1979年、さだはこの曲で『[[第30回NHK紅白歌合戦]]』に出演した<ref>ちなみに、[[2005年]]にNHKが実施した[[スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜]]でも白組82位にランクインされている。</ref>。かなり後年、歌番組でこの歌を歌うことになったとき「俺は浮気はしない…」のあとの「ま、ちょっと覚悟はしておけ」を「見逃してくれよぉ〜」に変えて歌ったことがあった(コンサートではこの部分の歌詩を変えることは多い<ref>例えば、20周年記念ライヴ・アルバム『のちのおもひに』収録版では「しないと言うより 無理じゃないかな」と歌っている。</ref>)。長年の心境の変化があったのか、その数年後に「関白失脚」が作られることになる。
 
結婚を前にした男が相手の女性に向けて「[[亭主関白]]」となることを宣言しつつも、自分のもろさや弱さ、相手への深い依存心をのぞかせ、不器用な愛情を吐露していく、という内容をコミカルに歌い上げている。発表されるや否やその歌詞をめぐって[[フェミニスト|女性団体]]などから「[[女性差別]]」、「[[男尊女卑]]」と反発を受けるなどの騒動となった。当時この歌は普段は歌謡曲を買わない層に訴えた部分が大きく、馴れない姿で買いにくる客が多かった。題名もよく間違えられ、「亭主関白」や、「関白音頭」と呼んでレコードを買いに来た客もいたという。