「功労馬繋養展示事業」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
5行目:
 
== 概要 ==
旧来、[[日本の競馬|日本競馬]]においては[[重賞]]勝利以上の成績を残した優秀な馬であっても、競走馬または繁殖馬([[種牡馬]]・[[繁殖牝馬]])の引退後は[[屠殺]]されたり、使役馬に[[用途変更#ウマ|用途変更]]される例がままあった。種牡馬引退後に観光地で馬車を曳かされた末に[[斃死]]した[[皐月賞]]馬[[ハードバージ]]などはその最も悲惨な例として挙げられる。しかし[[動物愛護]]意識の浸透とともに、それまで[[タブー]]とされてきた引退競走馬の処遇や、優秀な成績を挙げた馬にしかるべき余生についての議論が活発に行われるようになり、[[日本中央競馬会]] (JRA) に対して、この問題について何らかの対策を講じるべきとの声が上げられるようになった。JRAも[[1973年]]に[[八大競走]]の優勝馬を対象にした「引退名馬けい養制度」を発足させてはいたが、前述のハードバージや[[カネミノブ]]や[[ヒカリデユール]]や[[レオダーバン]]のように、助成を受けることなく廃用に追い込まれる馬もおり、競走馬の福祉事業は有志の牧場主や[[NPO]]などの活動に委ねられてきた。
 
しかし[[1996年]]、JRAの関連団体である軽種馬育成調教センターが「引退名馬けい養展示事業」の実施を発表。これにより、引退した中央競馬の重賞勝ち馬のうち、繁殖、乗馬いずれの用途にも供されていないものについて、その所有者が申請すれば、一般ファンに対する公開義務を条件として毎月所定の助成金が交付されるようになり、繁殖として成功を得られなかった馬にも一応の救済策が用意されることとなった。[[2007年]]には事業名称が「功労馬繋養展示事業」に変更。同時に「引退名馬飼養環境整備事業」が新設され、助成対象馬が中央競馬の重賞優勝馬から[[地方競馬]]の[[ダートグレード競走]]の優勝馬まで拡大された。助成対象馬の居場所はBTCによって把握され、死亡、助成の解除などがあった場合はその都度BTCのホームページ上で発表されるようになっている。