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===古典古代から初期中世===
[[File:Herodotos Met 91.8.jpg|120px|thumb|ヘロドトス]]
古代ギリシアの魔術を示す語にはマゲイア<ref group="†">{{lang-grc|μαγεία}} 〔マゲイア〕、 {{lang-la|magia}} 〔マギア〕</ref>、ゴエーテイア<ref group="†">{{lang-grc|γοητεία}} 〔ゴエーテイア〕、 {{lang-la|goetia}} 〔ゴエティア〕</ref>、ファルマケイア<ref group="†">{{lang-grc|φάρμακα}} 〔パルマカ〕, {{lang|grc|φαρμακεία}} 〔パルマケイア〕; {{lang-la|veneficium}} 〔ウェネフィキウム〕</ref>が挙げられる{{sfn|鶴岡ら訳|2002|p=188|loc=ハンス・ディーター・ベッツ「古代ギリシア-ローマの魔術」}}。マゲイアはペルシアの神官階級の呼称とされる[[マギ|マゴス]]より派生した。[[ヘロドトス]]によればマゴイ(マゴスの複数形)は[[メディア王国]]の一支族名であるが、後に神託や占星術を司る知者と見なされるようになった{{sfn|鶴岡ら訳|2002|p=188|loc=ハンス・ディーター・ベッツ「古代ギリシア-ローマの魔術」}}。マゲイアはマゴイの神学という本来の意味でも使われたが、まじないや魔法といった意味でも用いられた。[[ゴエティア|ゴエーテイア]]は古代ギリシアの呪術師が霊の[[口寄せ]]をする際のうなり声から生じた言葉とも言われ、時には詐欺的または侮蔑的な意味合いを込めて使われた。ファルマケイアは薬であり毒薬でもあるという両義性をもつファルマコンより派生した。悪行を意味する{{ill2|マレフィキウム|en|Maleficium (sorcery)}}<ref group="†">{{lang-la|maleficium}}</ref>は犯罪的な加害魔術を指す言葉として用いられた。イアンブリコスやプロクロスといった[[ネオプラトニズム|ネオプラトニスト]]らは、[[テウルギア]](神働術)と呼ばれる、[[ダイモーン]](神霊)に働きかける哲学的魔術に言及もしくは実践した。テウルギアは神の業もしくは神を働かせる術の意であり、一説には『カルデア神託』の集成者とされる2世紀のカルデア人ユリアノスの造語とも言われる<ref>Flowers, Stephen Edred. ''Hermetic Magic'', Samuel Weiser, 1995.</ref>。ゴエーテイアは下等な魔術、テウルギアは高等な魔術、マゲイアは普通の魔術に分類された{{sfn|鶴岡ら訳|2002|p=189|loc=ハンス・ディーター・ベッツ「古代ギリシア-ローマの魔術」}}。
 
新約聖書でパウロは魔術・呪術を悪だとしている。